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iDeCoで老後資金を作ると、保育料や高校の授業料が安くなる 2つのケースで算出して説明します

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iDeCoで老後資金を作ると、保育料や高校の授業料が安くなる 2つのケースで算出して説明します

今年も残すところあと1か月。年末調整の時期でもあります。

年末調整では、私的年金保険料や個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)の掛け金などを会社に申請をする人も多いと思います。

イデコは、毎月一定金額を定期的に積み立てていき、運用次第で将来受給できる金額が変わる自己責任型の年金制度です。

掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、運用益は全額非課税となります。

受給する年金は、一時金で受給する場合は「退職所得控除」、毎月受け取る場合は「公的年金等控除」の対象となります。

この節税の王様とも言えるイデコで老後資金を作っていくと、

・ 保育園に通う子供がいる人は保育園料

・ 私立高校に通う子供いる人は授業料

が安くなることをご存じでしょうか。

2つの家計についてみていきましょう

ケース1:共働きで保育園を利用

共働きで1歳の子がいる夫婦の場合

・ 都内在住
・ 会社員の高田英輔さん(仮名・36歳)
・ 会社員の妻美沙さん(33歳)
・ 1歳の子供

英輔さんの年収は500万円で住民税は24万200円です。

美沙さんは年収300万円で住民税は11万3,800円です。

一般的に公立保育園の保育料は住民税の金額で決まります。

2人の住民税は合計35万4,000円で、現在の保育料は月額6万円です。

夫婦二人共がイデコを始めるとすると、勤め先の条件にもよりますが、掛け金の上限は1人2万3,000円です。

イデコは12月から翌年の11月までを1年としますが、1年間上限まで積立をすると年間27万6,000円です。

掛け金は小規模企業共済等掛金控除として課税標準から差引けるので住民税が安くなります。

英輔さんは21万2,600円に、美沙さんは8万6,200円になる計算です。

すると保育料は判定する階層が2段階下がって4万9,100円になります。

保育料は住んでいる自治体によって異なりますので、お住まいの地区のHPなどでご確認ください。

ケース2:共働きで私立高校に通う子

・ 会社員の大山恵太さん(51歳)
・ 妻(53歳・扶養内でパート)
・ 私立高校2年生の子供

年収670万円で、さまざまな控除を差し引いた課税所得は283万5,000円です。

2020年7月以降は次の式で計算します。

課税標準額(課税所得額)× 6% − 市町村民税の調整控除の額(一般的に1500円)

大山さんの場合、式にあてはめて計算すると16万8,600円です。

15万4,500円以上30万4,200円未満(年収の目安は910万円未満)の場合、支援額は国公立、私立共に基準額11万8,800円の支給対象になります。

働いている人が1人の場合、共働きの場合、子供の数などによって変わってきます。

詳しくは文部科学省のパンフレット(pdf)をご参考にしてください。

令和2年4月からスタートした私立高校授業料実質無償化

国の「高等学校等就学支援金制度」とは、親の所得に応じて高校の授業料を支援する制度で、全国の約8割の生徒が利用しています。

旧制度では、国公立高校の授業料は支援金の限度で収まるため実質無償となっていました。

しかし授業料の高い私立高校の場合は、就学支援金との差額が保護者負担となっていました。それが4月からの新制度で支援金の上限が見直されました。

大山さんがイデコと始めるとどうなるのでしょう

私立高校の授業料が安くなる

掛け金は上限の2万3,000円で1年間積立をした場合は年間27万6,000円です。

課税標準から差引くと、課税標準額は255万9,000円になります。


税標準額(課税所得額)× 6% − 市町村民税の調整控除の額

に当てはめて計算すると15万2,040円です。

判定基準15万4,500円未満ですので支援金は39万円6,000円です。

文部科学省の「令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」によりますと、全日制高校の授業料の平均額は約40万円ですので、実質無償化となります。

この制度の申込先は各学校です。入学時、新学期など手続きの必要な時期に学校から案内があります。オンライン申請ができる学校もあります。

なお、所得控除等の金額によって住民税の所得割額は変わってきますので、年収ではなく住民税の所得割額で判断されますのでご注意ください。

イデコは原則60歳まで引き出せません。長期的なお金の計画を立ててから利用するようにしてください。(執筆者:CFP® 認定者 岩城 みずほ)

《岩城 みずほ》
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岩城 みずほ

岩城 みずほ

金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経てフリーアナウンサーとして活動後、セミナー会社等を経てFPとして独立。東洋経済オンライン、毎日新聞経済プレミア、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」などで連載中。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。 <保有資格>: ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者 寄稿者にメッセージを送る

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