少子化によって18歳人口が年々減少を続けています。
世の中では「大学全入時代」とも言われています。実際に大学入試の倍率は低下し、定員割れを起こしている4年制の私立大学は31%にも上るようです。
だからと言って、子供が希望する大学に必ず入学できるというわけではありません。
国公立大学をはじめとした人気の高い大学に希望者が集中して、残念ながら希望する大学に入学できない受験生もいることは事実です。
そこで、仮に子供が浪人することを希望した場合に、親としてどのような準備が必要なのかを解説したいと思います。
目次
予備校の費用を計算する
一般的に浪人生の多くは予備校に通うことになります。この費用が親が準備するものの中でも最大のポイントです。
ただし、一言で予備校に通うと言っても、その通い方によって費用の負担は大きく変化します。
平均で年間100万円程度が必要と言われていますが、予備校によって費用が異なるだけではなく受講するコースによっても異なります。
代々木ゼミナールの場合

各コースによって異なるものの、授業料は約100万円です。ただし、この100万円は大学受験科を選択した場合です。
たとえば、代々木ゼミナールの場合には単科ゼミというコースが準備されています。この単科ゼミは1講座から受験可能です。
従って、必要最低限の講座のみに絞って受講料を抑えることが可能です。
90分授業 × 週2回の受講:年間13万6,800
苦手だと思われる教科のみを受講して、あとは自分で勉強することで予備校代の費用を抑えられます。
自宅浪人という選択肢も踏まえて考える
「浪人生=予備校」のイメージがありますが、予備校に必ず通う必要はありません。浪人生の中には、自宅浪人を選択する人もいます。
この場合の最大のメリットは、費用を抑えられることです。必要な参考書や問題集を書店で購入して、それを使って勉強するのみです。
予備校よりも割安な通信教育などを利用する人もいます。
ただし、自宅浪人にはデメリットも多く、「誘惑に負けない!」「スケジュール管理をしっかりとする!」といった強い意志が必要です。
また、同じ浪人生と一緒に学ぶことがないため、孤独を感じる人も少なくありません。費用を抑えられる分、強い意志が求められるのが自宅浪人です。

仮面浪人の検討も
浪人したからと言って、翌年に希望通りの大学に進学できる保証はどこにもありません。最悪の場合には、現役時代よりもうまくいかないことがあります。
そこで、余裕がある場合には、仮面浪人という選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
仮面浪人とは、合格した大学に入学しつつ希望の大学への進学にチャレンジすることを指します。
この仮面浪人には主に
・ 授業料のみ支払い大学に籍を置いたまま、大学には行かずに受験勉強に専念する
という2つのケースがあります。
後者の大学に通わずに受験勉強に専念する場合には、浪人受験に失敗した際に1年生の単位が不足するため1年生からやり直す必要があります。
実際に、わが子が通っている大学にも数人の仮面浪人が在籍しているようです。
全く大学には通わずに受験勉強に集中している人が多いようで、残念な結果になった場合には翌年に1年生からやり直ししているそうです。
浪人にはお金が必要
子供が「浪人したい」と言ったら、まずは、お金の工面を始める必要があります。
浪人生活にどの程度のお金を費やせるのか、また、浪人が大学入学後の生活にどのような影響を与えるのかなどを計算して、必要に応じて子供に正直に伝えましょう。
そのうえで浪人するか否かを親子で検討されることをおすすめします。(執筆者:上野 雅美)