「共済の方が安いし保険はいらないのでは」
「子どもの保障には共済が良いって聞いたことあるけど」
今回はこんな疑問にお答えしていきたいと思います。

目次
そもそも共済とは?
「共済」という言葉は多くの方が聞いたことあるのではないでしょうか。
・ 都道府県民共済
・ 全労済
・ JA共済
・ コープ共済
などさまざまな種類の共済があります。
どの共済も相互扶助の観点で「皆で掛け金を出し合って、保険事故に該当してしまった人に共済金をお届けする」という考え方は共通です。
また、その保障内容についてもほぼ同じと思っていただいて差し支えありません。
共済によっては火災共済や自動車共済などの保障もありますが、今回は死亡や入院などの生命保険分野の共済について解説していきたいと思います。
共済がピッタリなのは「安く保障を確保したい人」
共済の1番の特徴はその掛け金の安さです。
どの共済でも死亡保障や入院保障が付いているベーシックプランで月2,000円です。
さらに「還付金」もありますので、実質負担は月2,000円を切ってきます。
民間の保険会社だと医療保険に入るのがやっとの掛け金ですので、その安さは共済の1番の特徴といっても良いでしょう。
・ 若くして結婚したばかりで子どもはまだいないけど心配だから保障を確保したい方
などにピッタリなのが共済です。
子どもの保険としては民間保険会社も含めて最強
0歳~18歳未満が加入できる子ども型(キッズタイプ)は掛け金だけでなく、その保障内容も強く最強の保険です。
月1,000円で死亡保障、入院保障、けがの保障まで付いています。
共済によっては契約者(親)の保障や個人賠償(人様へ迷惑をかけた場合の保険)まで付帯されているタイプもあります。
子どもの保険を検討されている方は共済一択だと考えていただいて問題ありません。
共済の弱点は保障の弱さ、保障を続けられる期間

掛け金の安さではダントツの共済ですが、その保障内容はどうなのか、そこが共済の弱点です。
入院保障については特段問題ありませんが、
・ 死亡保障 → 事故死亡で1,000万円、病気死亡で400万円
・ がん保障 → 入院給付金のみ
といった共済がほとんどです。
子どもがいるご家庭の一家の大黒柱の死亡保障が最大1,000万円ではとても十分な保障とは言えません。
先にも解説した通り、独身や子どものいない夫婦の場合であればこの保障でも問題ないでしょう。
ですが扶養義務のある子どもがいる方の保障と考えると「足りない」と言わざるをえません。
また、その保障を継続できる期間にも弱点があります。
多くの共済の保障期間が「65歳まで」です。
65歳までは掛け金、保障内容が変わることなく継続できます。
65歳以降は「熟年型」というプランに自動移行します。
掛け金は変わりませんが、保障内容が5歳刻みで削減されていくのが特徴です。
都道府県民共済を例に解説
65歳までのプランだと病気入院 → 日額4,500円だった保障内容が
・ 70歳病気入院 → 日額2,500円
・ 80歳病気入院 → 日額1,000円
といった形で保障が薄くなっていきます。
そして85歳で終了となり、以後の保障はありません。
長生き時代、自助努力が求められている時代に突入している中で保障の先細りは不安要素が大きいと言えるでしょう。
共済への加入は一時的にしておく方が安心
大きな保障が必要ない方は一時的に共済に加入しておくことも1つの選択肢となりえます。
ですが一家の大黒柱など大きな保障が必要な方は民間の保険でしっかりと必要保障額を確保しておくべきです。
また、大きな病気(がんなど)の保障が弱いのも気になります。
大きな病気になってしまった場合、治療費がかかるのは大黒柱でなくとも同じです。
自身の家庭における責任が増すほど保険が必要になってきます。
・ ある程度の収入がある方や家庭のある方 → 民間の保険
という形で人生における一時期のみ共済で保障を確保するという考え方がベストでしょう。
「安さ」という観点だけで共済のみの保障を継続していると、万一時に逆に高くつきかねません。
いざという時に困る事がないよう、しっかりと考えて保障を確保することをおすすめします。(執筆者:FP歴10年 冨岡 光)