ほうれん草、小松菜、春菊などの冬に旬な青菜は、おひたしにして食べることが多いですが、食べ方で、お金も時間も美味しさも栄養も損しているかもしれません。
今回は青菜の栄養と美味しさ余すことなく味わえる蒸し焼きについてお伝えします。
目次
「茹でる」と「蒸し焼き」

同じ青菜でも調理法を変えるとコストが大きく変わります。
1把の小松菜を茹でた時と蒸し焼きにした時のコストを比較します。
水:2500ml(0.6円)
加熱時間:14分(24円)
【蒸し焼き:2円】
水:15ml(0.003円)
加熱時間:3分(1.8円)
以下をもとに計算
水:0.12円/500ml
都市ガス:強火36円/h
小数点以下四捨五入
茹でた時と比べて蒸し焼きにすると節約と時短になることがわかります。
参照:
東京都水道局 平成24年度生活用水実態調査
蒸し焼きは栄養の損失が少ない
青菜に含まれる栄養素の中には水に溶ける水溶性と呼ばれる性質のものがいくつかあります。
代表的なのがビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンです。
茹でて調理をすると使う水の量が多く水溶性ビタミンは大量に溶け出てしまい、私たちが食べられません。
しかし蒸し焼きにすれば溶け出る量が少なくてすみ、効率的に栄養を摂られます。
ちなみにビタミンB群は糖質や脂質をエネルギーに変えるのに欠かせない栄養素です。
疲労回復、ダイエット、ボディメイク、スポーツ、勉強…全ての活動の下支えをしてくれる積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンCはストレスから体を守る抗酸化作用があります。
精神的なストレスに加えて、暑い寒いといった環境要因の不快感もストレスになります。
抑圧が多く不安定な天候の昨今、欠かせない栄養素です。
蒸し焼きにするとうまみが増す
茹でずに蒸し焼きにすると旨み成分の流出も少ないためうまみを感じます。
ソテーとは違い油を使わないので味付けの幅も広く重宝します。
オーソドックスにしょうゆ+かつお節、ポン酢、塩+ごま油でナムル。
味付けを薄めにしても十分美味しいので調味料の使用量も抑えられお得です。
蒸し焼きにすれば手間が減る
青菜を茹でるには、青菜を洗い、茹でて、お湯を切り、水に取って、絞って、切って、盛り付ける、と意外と手間がかかります。
蒸し焼きは青菜を切った後はフライパン任せです。
放っておけるの同時進行で他のことができ時短につながります。
青菜の蒸し焼きの手順
「炒め物やソテーはするけど蒸し焼きはしたことない」という人もいるのではないでしょうか。
そこで青菜を蒸し焼きにしておひたしを作る手順をお伝えします。
1. 青菜の根を落とし、適当な大きさに切る
2. 青菜を洗い、よく水を切る
3. フライパンに青菜を入れ、塩をひとつまみふる
4. フタをして強火にかける(このときフタが浮いていてもOK)
5. 葉に付いていた水分が加熱されて蒸し焼きになる
6. 青菜の香りがしてきたら火を止めフタを取る(目安は3分)
7. 菜箸で全体を混ぜ、そのまま冷ます
8. 残った水分が多いようなら絞って器にもる
蒸し焼きといっても短時間の加熱なのでコゲる心配はありません。
食感と色はやや落ちますが、5分程度と長めに火にかけると旨みと味わいが深まりまるので試してみてください。
蒸し焼きはアレンジ自由

青菜の蒸し焼きができたら他の野菜も蒸し焼きにしてみてください。
ブロッコリーやカリフラワー、にんじんなど茹でるより簡単で美味しくできます。
夏の定番、枝豆も蒸し焼きにすると短時間で味が濃く仕上がります。
普段、当たり前のようにやっている料理も少し見直すだけで節約に繋がるだけでなく、栄養価が上がり、食卓の満足度も上げられます。
茹でる、煮る、焼く、炒める、のいつもの調理法に蒸し焼きもくわえてみてください。(執筆者:栄養士、管理栄養士 小原 水月)