現代はおひとりさまという言葉が日常的に使われているほど独身族が年々増えつつあります。
街中を歩いていても「1人焼き肉専門店」や「ヒトカラ専門店(1人カラオケ専門店)」など「おひとりさま」に優しいお店をよく見かけるようになりました。
独身生活は自由気ままに生きられるという良さがありますが、中には好んで独身生活を送っているわけではなく、経済的な理由から結婚したくてもできないカップルもいるのではないでしょうか。
そんな男女にぜひチェックしていただきたいのが国から60万円もらえる「結婚新生活支援事業」という制度です。
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目次
結婚新生活支援事業とは 対象になるのはどんな人?
結婚新生活支援事業とは少子化対策の一環として内閣府が平成30年度より導入した制度で、新婚世帯を対象に家賃や引っ越し費用など新生活にかかる費用がもらえるというものです。
現在は
「夫婦ともに婚姻日における年齢が34歳以下であること」
「世帯年収約480万円未満」
という条件を満たした夫婦に1世帯当たり30万円支給されるようになっています。
2021年4月以降は次のように対象が広がることが明らかになっています。
2021年4月以降の対象世帯は、
・ 世帯年収約540万円以下
補助上限額(2021年4月以降)
1世帯当たり60万円(補助対象:婚姻に伴う住宅取得費用または住宅賃借費用、引越費用)
最近は晩婚化しつつあるので39歳以下に年齢制限が緩和されたのはうれしいです。
しかも補助上限額は現行制度より2倍も多い60万円です。
結婚するとなると婚約指輪から始まり、結納・結婚式・ハネムーンなどばく大なお金がかかるので、新生活にかかる費用だけでもサポートしてもらえるのはかなり大きいです。
60万円もらえるならば、多くのカップルにとって結婚を踏み切る良いきっかけになりそうです。
注意点としては対象年齢や年収などの条件を満たしていても、残念ながら結婚新生活支援事業を実施している地域に住んでいなければ60万円の補助金を受け取ることはできません。
実施している自治体は全体の15%
2020年11月の時点で結婚新生活支援事業を実施しているのは全国で289か所のみです。
東京都内で選定された自治体は1つもなく、首都圏や主要都市部はほとんど対象外となっています。
まずはあなた自身やお相手の居住地が対象地域であるかどうか確認することをおすすめします。
結婚新生活支援事業を実施している地域一覧
【北海道】 室蘭市・夕張市・三笠市・深川市・石狩市・今金町・真狩村・神恵内村・妹背牛町・北竜町・ 沼田町・当麻町・愛別町・増毛町・天塩町・幌延町・西興部村・白老町・厚真町・むかわ町・音更町・清水町・中札内村・幕別町
【青森県】板柳町・三沢町
【岩手県】宮古市・一関市・釜石市・八幡平市・矢巾町・金ヶ崎町・平泉町・大槌町・山田町・軽米町
【宮城県】気仙沼市・東松島市・角田市
【秋田県】秋田市・大館市・湯沢市・大仙市・上小阿仁村・八峰町・五城目町
【山形県】寒河江市・上山市・村山市・長井市・天童市・中山町・西川町・大江町・最上町・真室川町・小国町・白鷹町・庄内町
【福島県】白河市・須賀川市・二本松市・田村市・本宮市・国見町・川俣町・大玉村・只見町・南会津町・西郷村・泉崎村・中島村・棚倉町・石川町・三春町・楢葉町・新地町
【茨城県】水戸市・日立市・土浦市・石岡市・かすみがうら市・行方市・鉾田市・つくばみらい市・城里町・大子町・境町・坂東市
【栃木県】栃木市・鹿沼市・小山市・大田原市・下野町・益子町・那阿川町
【群馬県】沼田市・安中市・下仁田町・甘楽町・中之条町・嬬恋村・昭和村
【埼玉県】鴻巣市・小川町・横瀬町・長瀞町・美里町
【千葉県】千葉市・野田市・佐倉市・市原市・四街道市・山武市・いすみ市・栄町・横芝光町・長生村・白子町・鋸南町
【東京都】なし
【神奈川県】松田町・湯河原町・愛川町・清川村
【新潟県】新潟市・十日町市
【富山県】小矢部市・射水市・上市町・入善町
【石川県】七尾市・小松市・羽咋市・川北町・津幡町・内灘町・中能登町
【福井県】なし
【山梨県】韮崎市・市川三郷町
【長野県】上田市・岡谷市・諏訪市・須坂市・千曲市・東御市・小海市・南牧村・立科町・下諏訪町・飯島町・高森町・喬木村・木祖村・麻績村・朝日村・池田町・松川村・坂城町・高山村・木島平村・信濃町・小川村・東御市・南木曽町
【岐阜県】高山市・中津川市・美濃市・山県市・本巣市・海津市・神戸町・岐阜市
【静岡県】静岡市・島田市・富士市・焼津市・藤枝市・下田市・御前崎市・牧之原市・東伊豆町・小山町・吉田町
【愛知県】弥富市
【三重県】熊野市・いなべ市・紀北町・紀宝町
【滋賀県】彦根市・草津市・湖南市・高島市・東近江市・豊郷町
【京都府】南山城村
【大阪府】枚方市・泉佐野市・和泉市・藤井寺市・岬町・太子町
【兵庫県】神戸市・三木市・高砂市・丹波市・南あわじ市・加東市・多可町・稲美町・上郡町
【奈良県】五條市・三宅町
【和歌山県】和歌山市・由良町
【鳥取県】北栄町
【島根県】川本町・古賀町
【岡山県】真庭市・和気町・矢掛町
【広島県】なし
【山口県】長門市・美弥市・平生町
【徳島県】美馬市
【香川県】善通寺市・丸亀市・琴平町
【愛媛県】八幡浜市・大洲市・上島町・久万高原町・愛南町
【高知県】室戸市・安芸市・南国市・土佐清水市・香南市・香美市・奈半利町・いの町・佐川町・日高村・津野町・大月町
【福岡県】豊前市・うきは市・嘉麻市・那珂川市・岡垣町・遠賀町・鞍手町・桂川町・糸田町・川崎町・大任町・吉富町
【佐賀県】嬉野市・基山町・上峰町
【長崎県】諫早市・松浦市・壱岐市・雲仙市・南島原市・東彼杵町・川棚町・波佐見町
【熊本県】荒尾市・玉名市・玉東町・高森町・水上村・錦町
【大分県】日田市・宇佐市・九重町・玖珠町
【宮崎県】国富町・綾町
【鹿児島県】枕崎市・垂水市・薩摩川内市・いちき串木野市・志布志市・東串良町・瀬戸内町
【沖縄県】石垣市・南城市・恩納村
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申請する際に必要な書類について
結婚新生活支援事業を利用する際は下記の書類をそろえて対象となる市区町村に提出しましょう。
6~8は申請当日に市区町村役場の窓口でもらえますが、その他の書類は事前に準備しておく必要があります。
1. 補助金交付申請書(市区町村役場のHPからダウンロード&印刷)
2. 補助対象要件チェックシート(市区町村役場のHPからダウンロード&印刷)
3. 必要書類確認兼送付書(市区町村役場のHPからダウンロード&印刷)
4. 誓約書(市区町村役場のHPからダウンロード&印刷)
5. 補助金交付請求書(市区町村役場のHPからダウンロード&印刷)
6. 婚姻届受理証明書または戸籍謄本
7. 新婚世帯全員の住民票
8. 世帯の所得がわかる市民税・県民税所得証明書などの書類
9. 入居対象となる住居に関する書類(不動産屋からもらう)
10. 新居の住居費や引っ越し費用の領収書の写し(不動産屋もしくは引越し屋からもらう)
11. 住宅手当支給証明書(※住宅手当てをもらっている場合)
12. 奨学金の返済額がわかる書類(※奨学金を返済している場合)
13. 新耐震基準に適合している事を証明する書類(※昭和56年5月以前の住居に入居する場合)
14. 扶助金額・給付金額がわかる書類の写し(※生活保護を受けている場合)
まとめ
結婚新生活支援事業は結婚と同時に60万円がもらえる(2021年3月までは30万円)魅力的な制度であるものの、ごく限られた地域でのみしか利用することができないという点が1番のデメリットです。
対象エリアがこれからどんどん拡大されることを願うばかりですが、もしあなた自身が年齢~居住地まで全ての条件に当てはまる場合、申請しない手はありません。
お相手とのご結婚を考えている方は、お住いの市区町村窓口に問い合わせてみてはいかがでしょうか。(執筆者:池田 莉久)