駅前の金券ショップで新幹線回数券を買い、駅の券売機で発券してから乗車する、筆者はこのパターンで新幹線を使ってきました。
お得かつ融通が利くので便利でしたが、この新幹線回数券は今後なくなる運命のようです。
早くもこの3月には、多くの紙の新幹線回数券が販売終了となる予定なので、解説します。
目次
3月31日をもって、多くの紙の新幹線回数券が販売終了

お得な料金で新幹線に乗車できる「新幹線回数券」、2021年3月31日をもってその多くが廃止されます。
東海道・山陽新幹線

東海道・山陽新幹線の普通車指定席では、主に以下の路線が廃止されます。
・東京(都区内)-小倉(市内)
・名古屋(市内)-福山
・京都(市内)-徳山
・新大阪(市内)-新山口
・姫路-博多(市内)
普通車自由席では、主に以下の路線が廃止です。
・東京(都区内)-三河安城
・新横浜(市内)-掛川
・静岡-京都(市内)
・三河安城-新大阪
・新大阪(市内)-新倉敷
・新神戸(市内)-三原
グリーン車では、以下の路線が廃止されます。
・東京(都区内)-静岡
・東京(都区内)-京都(市内)
・東京(都区内)-新神戸(市内)
短距離区間が多い印象ですね。
有効期間は購入日より3か月間ですが、4月27日~5月6日は利用できませんので、その分有効期間が延長されます。
東北・上越・秋田新幹線

東北・上越・秋田新幹線では、2021年3月31日をもって以下の4種類を廃止します。
・新幹線Wきっぷ(有効期間は購入日より1か月間)
・定期券用新幹線自由席回数券(有効期間は購入日より3か月間)
・新幹線料金回数券(有効期間は購入日より1か月間)
・えちご料金回数券(有効期間は購入日より1か月間)
以下の2種類は、2021年6月30日をもって廃止です。
・新幹線回数券(普通車。有効期間は2021年10月10日)
・こまち4枚回数券(普通車。有効期間は2021年10月10日)
回数券の種類によって、枚数や有効期限が異なるので、確認してください。
九州新幹線

九州新幹線では、2021年3月31日をもって、主に以下のきっぷを廃止します。
・九州新幹線2枚きっぷ(普通車自由席。有効期間は2021年4月30日)
・九州新幹線日帰り2枚きっぷ(普通車自由席。有効期間は2021年3月31日)
・新幹線往復割引きっぷ(普通車自由席。有効期間は2021年4月6日)
また、以下のきっぷなどは、2021年4月1日発売分より値上がりします。
・B&Sみやざき2枚きっぷ
・2枚きっぷ(指定席・自由席。有効期間は1か月間)
紙の新幹線回数券の見直しは、金券ショップ対策か
JR各社が紙の新幹線回数券の見直しに入ったのは、表向きは新型コロナ対策です。
しかし、その裏には金券ショップ対策もあるでしょう。
金券ショップを介在させないことで、鉄道会社の収益をアップさせるとともに、クレジットカードのショッピング枠現金化の手段をつぶすこともできます。
これからは「ネット・会員がお得」が主流に
誰でも使える紙の新幹線回数券は、今後先細りするでしょう。
その代わりに主流となるのが、ネットや会員向けのお得なきっぷです。

JR九州のWEB会員向けには、21日前までの予約でお得な「スーパー早特21」があります。

JR東日本では、交通系ICカードをタッチするだけで新幹線自由席に乗車できる、「タッチでGo!新幹線」というサービスを拡大しています。

JR東海には「エクスプレス予約」というサービスがあり、お得な会員価格で新幹線に乗車可能です。
購入済みの新幹線回数券は有効期限などに注意して使おう
2021年3月をもって、多くの新幹線回数券が廃止、あるいは見直しされます。
これからは、ネットや交通系IC、自社会員を対象にしたサービスが主流になっていくでしょう。
種類によって、購入済みの新幹線回数券の有効期限などの利用条件が異なるので、確認の上で期限内に使いましょう。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)