国民年金とは、日本に居住している20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければならない公的年金です。
そのため、厚生年金の被保険者である会社員等であっても、国民年金の第2号被保険者として国民年金に加入しています。
国民年金の第2号被保険者の国民年金保険料は、厚生年金保険料の中に含まれ給与から天引きで毎月引き落とされています。
このような国民年金の第2号被保険者である会社員が会社を退職した場合、国民年金の加入や国民年金保険料はどうなるのでしょうか。
今回は、会社を退職してすぐに再就職する場合やしばらくしてから就職する場合の国民年金の加入について詳しく解説していきます。
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目次
国民年金の被保険者の種別
国民年金の被保険者の種別は、以下3種類になります。
・ 会社員など厚生年金加入者、または共済組合加入者である第2号被保険者
・ 第2号被保険者に扶養されている配偶者の第3号被保険者
すなわち、会社員は第2号被保険者であり、会社を退職したら第1号被保険者になるのです。
第1号被保険者になった場合は、国民年金保険料を自ら納付する必要があります。
厚生年金の資格喪失日と厚生年金保険料、国民年金の第1号被保険者の資格取得と国民年金保険料について
会社を退職した場合には厚生年金被保険者の資格を喪失しますが、資格喪失日は退職日の翌日になります。
また、資格喪失日を含む月の厚生年金保険料は、徴収されることはありません。
例えば、6月15日に退職した場合は、6月16日が厚生年金の資格喪失日になりますので、6月の厚生年金保険料は支払う必要はありません。
6月末日に退職した場合は、厚生年金の資格喪失日が7月1日になりますので、6月分までの厚生年金保険料を支払う必要があります。
6月末日に退職した場合で退職日の翌日から再就職しなければ、7月1日から国民年金第1号被保険者となり、7月中に再就職しない場合は7月分の国民年金保険料を自ら納付する必要があるのです。
7月中に再就職した場合は、再就職した日が国民年金第2号被保険者の資格取得日になりますので、自ら7月分の国民年金保険料を納付する必要はありません。
国民年金第1号被保険者の加入手続き
会社を退職すると国民年金の第2号被保険者から第1号被保険者になるため、種別変更の手続きが必要です。
ただし、会社を退職してすぐに再就職した場合や、退職日と入社日が同じ月などの場合は、再就職先に年金手帳を提出するだけで役所などに出向いて手続きする必要がないケースもあります。
種別変更の手続きが必要な場合は、退職日の翌日から14日以内に住んでいる市区町村の役所8役場の国民年金担当窓口で手続きをする必要があります。
どのケースに当てはまるの知っておこう
このように、退職日や退職してからすぐに再就職するかしないかによって、国民年金の加入手続きや国民年金保険料の納付が変わってきます。
自分が退職したらどのケースに当てはまるのかを、知っておくことが大切なのです。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)