コロナ禍によってライフスタイルが変化したいま、家計を見直ししたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
節約手段としては食費を削ったり、通信費を見直したりする方法が挙げられますが、見落としやすいのが保険の見直しです。
そのなかでも特に自動車保険は負担が大きく、見逃せない支出です。
何となく毎年そのまま更新してしまい、見直す機会がなかなかない費用となりがちですが、定期的にチェックすることで大きく支出を節約できる場合もあります。
そこで、今回は自身でできる自動車保険の見直し方や選び方についてご紹介します。
自動車を保有している人や、ずっと同じ保険で更新し続けている人は要チェックです。
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目次
自動車保険を見直すべきタイミングとは
自動車保険は、補償内容や補償範囲などに応じて保険料が大きく変わるのが特徴です。
そのため、何となくずっと同じ自動車保険を継続しているという人でも、定期的に契約内容を見直すことで数万円の節約につながる場合があります。
では一体どんなタイミングで自動車保険は見直せば、保険料の引き下げが期待できるのでしょうか。
いくつか例をあげてチェックしてみましょう。
(1) 運転者の範囲が変化したとき
・ 大学で別居していた子供が帰ってきた
・ 子供が免許を取得した
など、運転する人の人数が増えたもしくは減ったというように変化があった場合は、見直しのタイミングです。
特に運転者が減った場合、補償の対象者を運転者と配偶者のみに変更することで、保険料の節約が見込めます。
(2) 車の利用目的が変更したとき
車の利用目的が変更となった場合も、見直し時です。
自動車保険では用途に応じた内容で保険料が設定されているため、どのように車を利用する予定なのかを申告する必要があります。
細かな保険料の金額設定は保険会社によって異なりますが、一般的に通勤通学の場合は比較的保険料は安く、業務使用の場合は高めに設定されているケースが多いです。
また、転勤・転職・退職等で通勤目的だったものから、日常生活での使用目的に変更する場合も保険料は安くなります。
(3) ゴールド免許になったとき
免許証を更新してゴールド免許になったにも関わらず、契約内容の免許証の色を「青色」のまま放置してしまってはいませんか。
ゴールド免許に変更すると割引率も高くなるため、忘れずに申告するようにしましょう。
自動車保険見直しのポイントについて
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自動車保険の保険料を安くするためには、上記で説明したタイミングを見逃さないことが大切です。
そのほかにも、次で紹介する内容も見直しポイントとしてチェックしておきたい項目です。
うまくいけば、さらに保険料節約がかなうかもしれません。
ダイレクト型損保への切り替えを検討してみる
自動車保険は、主に代理店を経由して保険会社に申し込みを行う「代理店保険」と、インターネットや電話にて直接保険会社と契約をする「ダイレクト保険」の2タイプがあります。
代理店保険は、担当者にアドバイスをもらいながら検討・契約ができるため、商品判断に迷っている人や不安な人は代理店保険のほうが安心できるでしょう。
一方、ダイレクト保険は、アドバイザーや店舗を保有していない分コストが抑えられることから、代理店保険よりも保険料が安く設定されているのが特徴です。
ダイレクト保険と聞くと、「事故があった際の対応やロードサービスの対応が十分でないのでは」と不安に思われる人もいるかもしれませんが、この点についてはダイレクト保険も代理店保険も大差ありません。
そのため、保険料を節約したい場合は、ダイレクト保険に切り替えてみるのも方法です。
ダイレクト保険は、ウェブ上で無料見積できるケースも多いので、保険料がどれぐらいになるのが1度利用してみるとよいでしょう。
不必要な特約がついていないか今一度確認してみる
代理店で担当者にすすめられた商品をそのまま加入した場合、もしかすると不要な特約がついてしまっているかもしれません。
また、当時契約として付帯したものの、今は必要性がなくなっているという場合もあるでしょう。
例えば、「自転車障害特約」や「ファミリーバイク特約」などは、特約として付帯している人も少なくありませんが、現在は利用していないという場合であれば、解約することで保険料の節約ができます。
そのほか、2台以上の自動車保険契約を行っている場合、特約が重複してしまっているケースも多いです。
先ほど例に挙げた「自転車障害特約」や「ファミリーバイク特約」、また「弁護士費用等補償特約」、「個人賠償特約」などは、特に重複しやすいと言われています。
そのため、まずは1度特約に何がついているのか確認してみるようにしましょう。
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車両保険に免責金額を設定するのも方法
新車を購入すると車両保険をつける人がほとんどですが、車両保険をつけるとその分保険料は高額となってしまいます。
そこで保険料節約の方法として、車両保険に免責金額の設定を検討してみるのもよいかもしれません。
免責金額というのは、いわば自己負担金額のことです。
例えば免責金額を5万円と設定していた場合
事故で車に50万円の損害が発生すると、自己負担額は5万円、残りの45万円は保険金がカバーしてくれる仕組みです。
ゆえに免責金額を設定すると、保険会社の負担額が減り保険料もその分安くなるのです。
そのため、中古車を買った場合やある程度の年数が経過した車に乗っている場合は、免責金額をつけるもしくはつけないというのも方法でしょう。
もしもの際に支払われる保険金は、契約時や更新時の車の時価相当額で設定されます。
中古車だと時価相当額がそもそも低いため、車両保険をつけても十分な保険金が支払われない可能性もあります。
保険会社の割引制度を有効利用する
自動車保険の保険会社では、各種さまざまな割引制度を設定しており、それらを有効利用して保険料引き下げを狙うのも方法です。
例えば、割引制度には次のようなものがあります。
・ エコカー割引
・ 早期更新割引
・ 新車割引
・ 福祉車両割引
・ イモビライザー割引(盗難防止装置が設置されている車)
自動車保険の乗り換えを検討する際は、割引制度があるか、どれくらい割り引かれるのか等もチェック・比較して検討するとよいでしょう。
自動車保険の見直しで上手な家計の節約に
いつも何となくで条件を見直さず更新してしまいがちな自動車保険ですが、数ある車の維持費のなかでも節約しやすい&大きな節約効果が見込める項目と言われています。
手間だと感じる人もいるかもしれませんが、このひと手間で年間数万円保険料が抑えられたというケースもあります。
ぜひこれを機会に今一度加入している自動車保険の内容チェック、見直し検討をしてみてはいかがでしょうか。(執筆者:元銀行員 吉村 みき子)