お金を貯めるのに最も有効な手段の1つは家計簿です。
家計の支出を見える化することで、お財布の紐も閉まりますし、節約や貯蓄のモチベーションも上がっていきます。
しかし、家計簿には欠点があります。
それはなかなか続かないということです。
過去に家計簿をつけ始めたけれど挫折したという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな家計簿がなかなか続かない人におすすめの家計簿継続へのファーストステップをお伝えします。

目次
まずは諦める
家計簿に限らず、物事が続かないのは「面倒だな」と思うその気持ちが原因です。
何かと忙しい日々の中では少しでも面倒さを感じてしまうと、後回しにしてしまいがちです。
しかし、面倒だと思ってしまうことは防ぎようがありません。
感情が浮かぶこと自体はどうにもできないからです。
そこで、私は面倒なことを極力削ぎ落とすことにしました。
どうしても管理しきれなくなってしまう家計全体の管理を諦めたのです。
その代わり、放っておくとついつい予算オーバーしてしまう食費のみの管理をしっかり行ってみることにしました。
用意するものは1つだけ
さまざまなツールを使うと、これもまた持て余してしまいそうなので管理はスマホアプリのみで行うことにしました。
最近の家計管理アプリの多くはレシートを撮影するだけで、金額と日付、店名まで記録してくれます。
レシートを日付順に切ったり貼ったりする必要もなく、レシートの写真を撮るだけで記録完了できるので便利そうに思ったからです。
ノートのように日付順に並べることもありませんし、スマホなら買い物に出た先でも持ち歩いているので、いつでもどこでも記録や閲覧も可能です。
クレカや電子マネーとはあえて連結しない
使う機能も極力絞りました。
最近の家計管理アプリはクレジットカードや電子マネーと連結すると、使った金額を自動で記録してくれるという素晴らしい機能があります。
しかし、私は自分の性格を考えて、使っていません。
入力のタイムラグや、自分が思ったのと違う項目に振り分けられてしまったら直すことに面倒くささを感じそうだからです。
続けられるかわからないので無課金で

アプリは無料の「Zaim」というものを選びました。
App Storeからダウンロードをすると名前などの簡単な情報を入力すればすぐに使用開始できます。

左上のアイコンをタップすると横から予算などを設定できる画面が出てきます。
こちらの「予算」から1か月分の予算が入力できます。

ホーム画面最下段の「記録」からレシートと手入力が選べます。

レシートを受けとり損ねた時は手入力でざっくりの金額でもいいので入力しておきました。

私は毎日マメにやれないタイプなので、数日分まとめてやることが多いです。
レシートをクリアファイルにとりあえず入れておき、暇ができたときにまとめて写真を撮っています。
しかも、入れっぱなしで逃げられないようにそのファイルは仕事用のパソコンの上に置きっぱなしにして自分を追い込んでいます。
予算は1か月7万でスタート
わが家は夫、未就学男児2人の4人家族なので、務省統計局の家計調査の4人家族の平均的な1か月分の食費7万8,898円の端数を切って、7万円を最初の目標にしました。
食費は内食(家庭で自炊などして食べる食事)と外食を分け、内食4万8,000円、外食2万2,000円で配分しました。

Zaimでは有料のプレミアムバージョンにしないと項目名を変更できません。
しかし内食と外食の2つしか管理しないため、内食に使うスーパーなどの買い物を「食費」、外食は「交際費」で代用して使っています。
今のところこれで事足りているため、課金はしていません。
週別で予算を見直すのがおすすめ
Zaimは月別の他、週別、年別の分析が可能です。
1か月分の予算を入力すると自動で1週間分の予算を計算してくれます。

ホーム画面最下段の「分析」をタップし、右上の月別をタップすると

週別に変更できます。

節約しようと心を引き締めるためにはリアリティが必要です。
月間の金額ですと、特に月初は、気が大きくなり無駄使いの危険性が上がります。
しかし週間の金額だと、より現実味を帯びた額になるため、「これしか使えないのか」と余計なものは買わないようになります。
家計簿開始前から4万近くダウン
筆者はこれを始めたことで、食費が約4万円減りました。
大きく減らせた項目は主に2つありました。
1つは子供と外出したときによく利用するフードコートやファミレス、回転寿司などです。
リーズナブルな印象があるため深く考えずに頼んでしまい、子どもたちの旺盛な食欲も手伝い、気づけば1回で6,000円超えなんてこともありました。
子供たちも大好きなので、ゼロにはしませんが、回数を減らし、極力自宅でランチを済ますようにしました。
もう1つはコンビニです。
平日のお昼休みはテレワーク中の夫と散歩に出るのですが、その時になんとなく買っていたコーヒーやスイーツなどが思いの外、高くついており、週に2,000円以上使っていることもありました。
散歩で消費したカロリーより高いカロリーを摂取してお金まで失うと考えたらばかばかしくなり、これはほぼゼロにしました。
この2つを意識しただけで約2万8,000円もの節約ができました。
スーパーでの買い物にはアプリが特に役に立ちました。
週の予算額に近づいてくると、「どうにかしてオーバーさせたくない」と躍起になるため、献立を工夫したり、特売の肉や野菜など用途がないのに買っていたものにも手が伸びなくなりました。
これにより1万円を超える節約に成功しました。
このようにアプリで食費を管理していたら、他の支出も気になってきて、少しずつ管理する項目が増えていきました。
どうしても食費がはみ出る場合は他の項目で節約をして罪悪感を減らすという姑息な手段も覚え、今ではエクセルで自作の家計簿を作り、家計のほぼ全部を管理することができています。
得られたのはお金の豊かさだけではなかった
家計簿をつけるようになって1番良かったことは、金額に応じた生活レベルがわかったことです。
何が起こるかわからない不透明な日々なので、急にお金に困ることがあるかもしれません。
その時に「これくらいの金額だとこんな暮らしができる」「このぜい沢はなくなっても苦しくない」など自分や家族の価値観に合った必要金額を知っておくと、ストレスを最小限に抑えながら辛い時期を乗り切ることができると思います。
また、しっかり捻出できる金額が把握できたので、現金の貯蓄がいくらくらい必要か、毎月家計から投資に回せる金額はいくらくらいなのかもわかってきたのも大きなメリットです。
投資を始める場合、元本割れのリスクなどもあるため、それに備えて半年~1年分の生活費を現金で持っておく必要があると言われています。
家計簿のない頃の筆者では必要な生活費すらきちんと把握はできていなかったので、かなり危険な状態でした。
これで安心して投資に向けて動き出せそうです。
さらに大発見だったのは家計簿をつけることで心も豊かになるということです。
丁寧に考えてお金を使うようになったことで、自分が何に価値を感じるのか、不要なものは何なのか、敏感に感じ取れるようになってきたのです。
自分の価値観を以前より深く知ることができ、大袈裟かもしれませんが、この先の人生にすらいい影響を与えてくれそうです。
できるところから始めて、お金の不安から解放されよう
そんないいことづくしの家計簿、いきなり始めるのは難しそう、家計簿をつけていたことがあるが途中で挫折した、そんな方はこのようなスモールステップから始めてみるのはいかがでしょうか。
漠然とした不安が解消されるきっかけになるかもしれません。(執筆者:田丸 可奈)