最近は、マンションの値上がりがすさまじく、立地が良い場合には築20年以上経過したマンションが新築と同様の価格で売買されています。
そのせいなのか、比較的手の届きやすい築年数が古い団地が売りに出るとすぐに完売になっているのです。
今回は、築40年以上団地の魅力についてお話しします。
目次
築40年以上の団地と築浅マンションの違い
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団地とマンションには、明確な線引きがありません。
一般的には、団地の場合、似たような形の集合住宅が複数棟立ち並んでいて築年数が古いという印象があります。
マンションは、団地ほど棟数の多くはない3階建て以上の集合住宅という印象ではないでしょうか。
築年数の古い団地と築浅マンションの大きな違いは、敷地に対する建物の割合です。
古い団地は敷地に対しての建物の面積がせまく、敷地に余裕を感じます。敷地内に公園や池があるところも多いようです。
一方の築浅マンションは、敷地いっぱいに建物が建ててあるところをが多く見かけます。敷地を残すよりもプレイルームなどの共有できる施設を充実させる傾向にあるようです。
築40年以上の団地のメリットとデメリット
築40年以上の団地は古いだけでメリットがないと思っている人がいるかもしれません。
メリット
しかし、古いからこそのメリットがあります。それは広い敷地と価格です。
1. 駐車場
古い団地は敷地に余裕があるため、駐車場が立体駐車場ではなく平置き式駐車場がほとんどです。
マンションに多い立体駐車場は、下の段になってしまうと車の出し入れが面倒なだけではなく、豪雨で浸水するリスクもあります。
一方の平置き式駐車場は、車の出し入れが楽で管理コストも抑えられます。
2. 物件価格
そして最大のメリットは物件の価格です。
築40年以上の団地は立地によって幅はありますが、1,000万円程度から購入できるものが多くあります。
筆者の徒歩圏内の団地はフルリフォームされて新築同様の内装にで1,790万円で売りに出されています。
サッシはアルミサッシになり、和室はフローリングで古さを一切感じない内装に仕上がっています。
ちなみに、その隣の築25年のマンションはリフォーム前で3,500万円で売りに出されています。
デメリット
デメリットは、古いためリフォームが必要なことです。
特に窓が古い型の場合には窓ガラスが特注になり割高になることもあります。
また、古い団地にはエレベーターがなかったり、あったとしてもサイズが小さいことがほとんどです。上の階の場合には、毎日階段を上がって家に帰ることになります。
築年数の古い団地が売れる理由
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築年数が50年近くなっているにもかかわらず築10年程度のマンションと変わらない価格で売買されている団地を見かけます。
しかも、リフォームもされていない状態で飛ぶように売れているのです。
理由は「建て替えを狙った投資目的の購入」です。
築50年以上経っている建物は建て替えを検討する時期が近づいています。古い団地を購入し、建て替えた新築を売却して差額を利益にする投資目的の購入者がいるのです。
建て替えを目的とした購入は、敷地に余裕がある団地だからこそできることです。
建て替えする際には、敷地いっぱいに建物を建てることで、現在よりも多くの戸数を確保できます。
増えた戸数分の売り上げを建て替え費用に入れることで、住民の建て替え費用負担を軽くできるのです。
投資目的ではなく、住居としての人気もあります。
古い団地の場合はコミュニティができあがっているため、住民の絆が強い傾向があります。特に小さい子どものいる家庭にとっては、住民の目が届く敷地内に公園があり、子育てしやすい環境だと言えます。
投資目的で古い団地を購入する際の注意点
古い団地投資目的で購入する際に気をつけたいことがあります。「建て替えは簡単ではない」ということです。
人気の立地にある駅近の団地は、建物の価格はつかなくても土地代だけで高額になっています。
建て替えて新しいマンションになれば億ションになる可能性もあることでしょう。新築で売却すれば、数千万円の利益も夢ではないかもしれません。
しかし、建て替えの壁は意外と高いのです。建て替えをするには、住民の4/5賛成が必要です。
古い団地には長年住んでいる高齢者も多く、転居の難しい人たちもたくさんいます。住民の4/5の賛成を得ることは非常に難しいことでしょう。
建て替えるその日が来るまでに賃貸に出せばよいと考える人もいますが、エレベーターのない古い団地は家賃が安くなる傾向にあります。
さらに、団地はマンションとは違って、その管理を管理会社に全て委託しているとは限りません。一部委託の場合には、草刈りや清掃を住民が行う可能性があり、所有者が遠方に住んでいる場合には毎月別途お金を徴収されることもあるのです。
建て替えを狙った投資目的の購入は、いつになるか分からない建て替えでも待てる資金的な余裕と精神的な余裕が必要かもしれません。(執筆者:クリエイティブな節約家 式部 順子)