超低金利と言われる今、銀行預金にただ預けているだけでは資産を増やすのは困難であることからつみたてNISAの需要が年々高まりつつあります。
つみたてNISAは、長期・積立・分散投資を対象としているため、投資初心者をはじめ幅広い年代の人が利用しやすい仕組みとなっているのが特徴です。
しかし、つみたてNISAを始めるにあたってまず悩みどころとなるのがどこで口座を開くのかということです。
口座は銀行や証券会社どちらでも開設できますが、よく考慮せずに選んでしまうと後悔してしまう場合もあるでしょう。
そこで、今回はそれぞれの金融機関で口座開設をするメリットについて比較・検証してみました。
今後つみたてNISAを検討している人はぜひ参考にしてみてください。
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目次
金融機関を選ぶ際にまずはここに注意!
銀行か証券会社を選ぶ前に、まずはつみたてNISAの口座開設にあたって知っておきたいポイントについて確認しておきましょう。
NISAとつみたてNISAは併用できない
投資経験のない人が混同しやすいのが、つみたてNISAは従来のNISAと併用できないという点です。
そのため、まずはどちらを利用するのかを慎重に考える必要があります。
しかし、定期的に一定金額を購入していくつみたてNISAとは違い、従来のNISAは自身が購入するタイミングや売却したいタイミングを見極めなければなりません。
投資未経験者の人であれば、つみたてNISAのほうが一般的に利用しやすいと言えるでしょう。
1人につきひと口座しか開設できない
つみたてNISAを利用するためには専用口座を開設する必要がありますが、口座は1人ひと口座しか保有できず、複数開設はできない仕組みとなっています。
また、口座開設をしてから他金融機関へ変更したい場合は、1年に1度のみ手続き可能です。
従って、その年に1回でもNISAの枠を利用してしまっていると、翌年までは口座変更ができないことになるため、注意が必要です。
ネット証券でつみたてNISAを始めるメリット
つみたてNISA専用口座をネット証券で開設した場合のメリット・デメリットについて確認してみましょう。
(1) 取り扱っている商品数が多い
つみたてNISAの対象商品は、金融庁サイト(pdf)によると2021年6月時点で170本以上ありますが、取り扱う商品は金融機関がそれぞれラインアップを厳選しています。
そのため、金融機関によって「A金融機関にはあるがB金融機関にはない」ということも大いにあり得ます。
しかし、証券会社と銀行を比較すると、証券会社は取り扱っている商品数が圧倒的に多いです。
一般的に大手銀行では10本前後のところが多い一方で、証券会社であれば150本以上扱っているケースがほとんどです。
自身のニーズに合った商品を見つけやすい環境にあると言えるでしょう。
(2) 投資の専門家が対応してくれる
投資をメインとしている証券会社では、投資に関する情報量は豊富な専門家が対応してくれるのも大きなメリットです。
投資未経験の人でも「こんな商品がいい」、「こんなリスクは避けたい」といったニーズや不安に感じている点などをじっくり相談しながら、理想に近い商品を紹介してもらうことができるでしょう。
また、つみたてNISAだけではなく、株や債券等他の投資商品も多く扱っているため、さまざま相談ができる点も証券会社ならではです。
(3) 100円から投資可能なところが多い
つみたてNISAの最低積立金額は金融機関ごとによって設定が異なりますが、証券会社は100円から投資可能としているところが多いです。
その一方で銀行は1,000円からの場合が多く、なかには1万円からと設定しているところもあります。
「不安だから初めは少額からスタートしたい」と考えている人は、最低積立金額の設定が低い証券会社で口座開設するのがおすすめです。
(4) 積立頻度のバリエーションが豊富
つみたてNISAでは月に1回積立を行う「毎月積立」が一般的です。
大手銀行を見てみても、ほとんどのところが毎月積立し選択できないのに対し、証券会社では毎月積立に加え、週1回積立をする「毎週積立」や毎日積立をする「毎日積立」を扱っているところも多くあります。
そのため、短い間隔でコツコツと積立をしていきたいと考えている人は、毎週積立や毎日積立を扱っている証券会社を検討してみるとよいでしょう。
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銀行でつみたてNISAを始めるメリット
では、銀行でつみたてNISAを始めるメリットはどんな点が挙げられるのでしょうか。
(1) 日常で利用している銀行窓口で相談できる
銀行でつみたてNISAを始めるメリットは、なんといっても日常で利用しているなじみある銀行窓口で口座開設や相談ができる点です。
ATMで入出金するついでに口座開設ができたり、運用状況の確認や相談等まで行えたりするため、預金全般を1か所で管理したい人には大変利便性が高いです。
また、普段からお世話になっている担当者がいるような場合であれば、安心度や信頼感といった点でもメリットがあり、相談しやすい環境にあるでしょう。
さらに、同じ銀行で専用口座を開設することで、資金移動させる手間も不要です。
口座管理がしやすくなる点も大きなメリットと言えます。
(2) 商品ラインアップがシンプルで選びやすい
先述したように、つみたてNISAの対象商品は現在170本以上あります。
そのうち証券会社では100本以上扱っているところが多く、よりニーズに合致した商品を選びやすい環境にある反面、どれを選べばよいのか悩んでしまう場合も。
その一方で銀行が扱っている商品数は10本前後とラインアップが非常にシンプルです。
本数が限られていることから、初心者にとっては商品選びがしやすいと言えるかもしれません。
(3) 銀行独自のサービスを享受できる
さまざまなサービスが充実している銀行では、専用口座を開設したり投資したりすることで充実した特典が受けられる場合もあります。
例えば、ATMの利用手数料が無料になったり、各種ポイントが貯まったりするサービスを提供しているところもあります。
またなかには、普通預金や定期預金の金利がアップする場合もあるようです。
証券会社と銀行で悩んでいる場合は、優遇特典の内容をチェックして検討してみるのも方法です。
ニーズに合った商品を選ぶなら証券会社、利便性を優先するなら銀行がおすすめ
取扱商品数や商品内容の充実度という点から見れば、証券会社に軍配が上がるでしょう。
「こんな商品がいい」と理想がある場合は、よりニーズに近い商品が見つけられます。
さらに投資の知識に長けた担当者が案内してくれるため、投資経験が浅くつみたてNISAの知識がない人でも安心して相談・商品選定ができます。
半面、銀行は商品ラインアップでは証券会社に劣ってしまいますが、普段から利用している身近な店舗で始められるため、その点での安心感はあるでしょう。
またわざわざ証券会社で口座開設を行う手間もないため、手軽さや利便性は高いと言えます。
口座の変更は年に1度しかできません。
それぞれのメリット・デメリットを考慮しながらどちらで始めるのが良いのかじっくり検討してみることが大切です。(執筆者:吉村 みき子)