クレジットカードの利用明細は、現代ではほぼWebでの確認にシフトしています。
しかし、偽物のサイトにログインさせられる罠が存在していて、これに引っかかると個人情報を抜き取られます。
手口が巧妙化している昨今、改めて注意喚起です。

目次
Web明細は便利
環境意識の高まりも追い風となり、紙のカード明細を郵送する文化自体がめずらしいものになりました。
現在でも明細を送ってもらっている人は、
「明細発行費用を請求される」
など、気づかないうちに損をしているかもしれません。
それ以外でもWeb明細には次の通り、多くのメリットがあります。
・ 会計ソフトに移入が簡単
・ キャンペーンがすぐ確認でき、エントリーが簡単
・ 次月の予定請求、過去の請求額も確認できる
・ 明細を確認してから、1件ずつリボ払いに変更可能
今さら紙には戻れそうもありません。
ですが、利便性の裏に落とし穴があるのです。
フィッシングメール頻発
しばしば、クレジットカード会社を装ったメール(またはLINE、SMS)が社会問題化しています。
さらに、amazonやLINEなどのアカウントを狙った偽メールも多数来ます。
フィルターで迷惑メール判定されないものにも、偽メールがあるので困ります。
偽メールの特徴と、だまされるとどうなるかを見てみましょう。

偽メールは巧妙にできている
各クレジットカード会社ともフィッシングメール対策を講じています。
公式サイトには実例が多数出ているので、
して、偽メールの見本をぜひお確かめください。
偽メールは、本来のクレジットカード会社のロゴを使用するなど、形式が巧妙で利用者をあざむきます。
もっとも、本来のメールを複製して偽物を作るのはさして難しいことではありません。
偽メールを見抜くポイントを確認しましょう。
1. 形式
・ 公式メールのような外観をしている
・ 細かい部分(送信元メールアドレスや、リンク先、本社所在地等)まで見ると、間違った情報が見られる
・ 宛先人の名はない(ただし公式メールも、一斉配信で宛先人の名がないものはある)
2. 内容
・ クレジットカードの不正利用をにおわせ、公式サイトに似せた偽のWebサイトに緊急のアクセスを呼びかける
・ セキュリティ強化を呼びかけ、公式サイトに似せた偽の登録サイトに誘導する
3. 目的
・ 本物そっくりの偽サイトに誘導し、個人情報を入力させる(情報は利益になる)
個人情報を入力する前の最後のポイント
公式サイトであれば、日ごろはブラウザがID、パスワードを記憶しているので自動入力となる。
偽物のため、ログイン情報を手入力しなければならない。
偽メールにだまされないコツ
偽メールは、見た目が本物そっくりのため、パッと見には見抜きにくいものです。
「よくみると、Webサイトやメールアドレスのドメインがおかしい」
など、不審な点は数々あります。
ただ、そこまでメールをじっくり見る機会は、普通はないのではないでしょうか。
それでも、敵の不審な目的には気づきたいものです。
「人を動揺させて、急がせよう」とする点が、振り込め詐欺とまったく同じです。
メールの怪しさに気づけない場合でも、どうしていいかわからない場合、言われるままアドレスをクリックせずに次の行動をとりましょう。
メールの文面に書かれたリンクをタップせずに、ブックマークから入りましょう。
クレジットカード会社が本当に知らせたい内容があれば、その情報は会員用サイトに記載されているはずです。
ここで、おおむね被害が防げるでしょう。

ブラウザの日ごろの使い方にも注意を
偽メールは、偽物のアドレスに誘導することで人をだまします。
日常の使い方次第ではある程度、被害を防げます。
次の習慣を付けましょう。
・ パソコンのブラウザでクレジットカードのサイトを閲覧する場合、必ずCookieを有効にし、IDとパスワードが自動入力されるようにしておく(自動入力されないサイトは偽物)
・ スマートフォンで確認する場合、ブラウザを使わず、必ずクレジットカード会社の公式アプリを使う習慣をつける
ID、パスワードの自動入力は不安に思って使わない人も多いかもしれません。
ですが、これがむしろフィッシング被害を防いでくれます。
またスマートフォンでアクセスする場合、Safari、Google Chrome等のブラウザは使わず、公式アプリからログイン、閲覧しましょう。
アプリなら、パスワードは都度入力でも構いません。
偽メールにご用心
今後も新たな偽メール事例は増えそうですが、常に細心の注意を払いたいものです。
まずはあわてないように注意しましょう。
偽メールに書かれているような、カードの不正使用が本当にあったとして、数時間のうちに対処しなければならないことなどありません(損害は補償してもらえるため)。
ログインの際のルールも、自分で決めて統一したものを持ちましょう。(執筆者:沼島 まさし)