クレジットカード、共通ポイントをはじめ、世の中にはポイントが溢れています。
還元率に敏感な人も多いですが、各ポイントの付与の仕組みまで把握しているでしょうか。
同じ還元率だと思っていたら、実際には差が生じているかもしれません。
知っておくとちょっと得になる(かもしれない)程度の軽い話にお付き合いください。
目次
クレジットカードのポイント付与の2方式
クレジットカードのポイント付与単位にも2種類あります。
・ 決済単位(買い物ごと)にポイントが付く
・ 月の請求額合計についてポイントが付く
それぞれ見ていきます。
決済単位のポイント付与
決済単位でポイント付与が完結する仕組みは、「月」の概念のないカードや決済ツールにおいては当然のことです。
このようなアイテムの場合です。
・ デビットカード
・ プリペイドカード
・ ポイントカード
・ 電子マネー
・ QRコード決済
・ 楽天市場等通販利用
クレジットカードの場合も、これらと同じように決済単位でポイント付与が完結するものがあります。
買い物単位で付与されるポイントの傾向です。
・ 100円または200円未満の端数が毎回切捨てられるので、毎回若干の損をしている
・ ポイント付与時期は早いことが多い
この方式のクレジットカード例です。
・ イオンカード
・ dカード
・ PayPayカード
・ エポスカード
・ au PAYカード
・ ライフカード
・ セブンカード・プラス
・エムアイカード
・ アメックス(プロパー)
0.5%のポイントが付く場合(おおむね200円単位で1ポイント=1円相当)の具体例です。
・ 99円の決済 → ポイント付与なし
・ 390円の決済 → 1ポイント(190円が算定から切り捨てられる)
このタイプのカードは、少額の買い物が多いと月合計で損をします。
ポイント付与時期が早いのはメリットですが、中には遅いものもあります。
au PAYカードやセブンカード・プラスなどは買い物単位のポイント付与なのに、まとめて月1回の付与です。
決済ごとポイント付与のカードも、電子マネー等のチャージに使う場合、端数が生じにくいので損をしません。
月の請求額合計でのポイント付与
月の請求額合計に基づきポイントが付与されるタイプは、現在でも主流の方式です。
請求額合計について、1,000円ごとに5円~10円相当のポイント付与というものが多く見られます。
月単位に加え、ポイント付与単位が少額という、さらに有利なカードもあります。
三井住友カード、セディナやジャックスなどは、「月の請求額合計200円ごとに1ポイント付与」なので、無駄がありません。
切り捨てられる額がほぼなく、少額の買い物でも積極的にカードを使えます。
ポイント付与の対象は税込額か、税別額か
クレジットカードに限らず、ポイントは利用金額に対して付与されるものです。
なにがポイント対象となるかについても、2種類あります。
・ 税込額に対しポイント付与(多くのキャッシュレス決済)
・ 税別額に対しポイント付与(ポイントカードでは主流)
税込額のほうが付与対象金額が1割高くなるため、還元率の点では有利です。
Yahoo!と楽天の通販
このたび、Yahoo!ショッピングとPayPayモールでのポイント付与対象が、税込から税別に替わる内容のリリースがありました(2022年12月頃)。
ただしPayPay(QRコード決済)、PayPayカード決済によるポイント付与は、今後も税込額に対してであり、変わりません。
楽天市場等、楽天関連のサービスは先んじて2022年4月にこうなっていますが、楽天カードに関しては従前と同じ税込額対象のままです。
dポイントの場合
さまざまな分野でポイントがたまる共通ポイントも、税込・税別が複雑になっている例があります。
dポイントなど、次の通りです。
・ dカード関係 → 税込
・ 電話料金 → 税別
・ dポイント提示 → 税込と税別が加盟店により混在
損をしないポイントのため方は
以上を踏まえ、少しでも多くのポイントを付けたい還元率重視派に、損をしないポイントの付け方のアドバイスです。
少額の買い物はプリペイド式電子マネーがいい
コンビニで100円のコーヒーだけ買おうとすると、ポイントカードを出してもポイントが付きません。
dポイント等の共通ポイントは、200円(税別)につき1ポイント以上ですから、対象外です。
クレジットカードも200円(税込)ごとに1ポイント、決済単位付与の場合、やはりポイントが付きません。
少額決済の場合は、プリペイド式電子マネーがおすすめです。
特にいいのは、決済時にポイントが基本付かないモバイルSuicaです。
チャージ時のポイントが高い(ビューカードだと1.5%)ので、決済時にポイント付与がないのはマイナスにならず、むしろ少額の買い物では利点となります。
なお先に挙げた、ポイントが月請求単位でかつ切り捨てられる額の少ない三井住友カード等なら、クレジット決済でもまったく損しません。タッチ決済を活用しましょう。
モバイルSuicaのチャージ金額
楽天Edyやnanaco等のプリペイド式電子マネー、それからau PAYにチャージする際には、千円単位が基本です。
ただモバイルSuicaについては、「ちょうどチャージ」という、端数のチャージにより、電子マネー残高を丸めるサービスがあります。
これを使うと、損する可能性が大です。
わざわざ端数のチャージを発生させる行為です。
エポスゴールドカードなどモバイルSuicaへのチャージに最適ですが、「ちょうどチャージ」をするたび端数が丸ごと失われています。
月合計でのポイント付与のビューカードからチャージする場合であっても、チャージ(オートチャージ)が主たる使い方の場合、やはり最終的に端数が残ります。
なおAndroidユーザーにとっては、au PAYのSuicaを使い、au PAY残高からSuicaチャージをするのがおすすめです。
ポイント好きはとにかく損したくないという気持ちが強いものですが、意外と落とし穴があるものです。
落とし穴をふさいで気持ちよくポイントをためましょう。(執筆者:沼島 まさし)