※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

奨学金を借りるか、迷っている方へ 経験者が親世代に知っておいてほしい3つのこと

ライフ 子育て
奨学金を借りるか、迷っている方へ 経験者が親世代に知っておいてほしい3つのこと

先日、奨学金についての記事を読みました。

ご多分に漏れず、奨学金を批判するような意見でした。

わが息子も現在返済中ですが、実際に利用した1人としては、否定的な考えはありません。

むしろ、感謝しています。この温度差はどうしてなのでしょうか。

体験談を元に、親として意識して理解しておきたいことをお伝えします。

奨学金を借りるか、迷っている方へ

理解しておきたいこと(1) 延滞する人ほど返済義務を知らない

まずは、この資料をご覧ください。

【返還義務を知った時期】

返還義務を知った時期

≪画像元:日本学生支援機構「令和2年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」≫

これは最も肝心な「奨学金は返さなくてはならない、返還義務がある」ことをいつ知ったかを示しています。

延滞者(令和2年12月末において、奨学金返還を3か月以上延滞している人)に注目すると、実際に返し始める前に知っていた人が多いとはいえ、17.2%は貸与が終了してからです。

17.2%は少ない、とお感じでしょうか?

回答者数2,090人の17.2%は、計算すると約360人にもなります。

さらにそのうち約半数の8.8%にあたる約184人は「延滞督促を受けてから」知ったと答えています。

一方、無延滞者(奨学金返還を延滞していない人)は88.9%が手続きをする以前に知っており、実に97.1%が返還開始以前に認知しています。

奨学金を受給している学生は令和2年度の調査では147万人以上、調査結果の比率がそのまま該当すれば恐ろしい数の子どもたちが、返済義務を知らずに社会に出ているということになります。

理解しておきたいこと(2) 延滞者の3割近くが本人が申し込みをしていない

続いては、こちらをご覧ください。

【奨学金申請時の申込手続きを行った者】

奨学金申請時の申込手続きを行った者 奨学金を借りるためには、申し込みをしなくてなりませんが、その手続きですら、延滞者の少なくとも29%は本人が関わっていません。

つまり、多額の借金であるにもかかわらず、本人が申し込みに関わることなく手続きが行われ、返さなくてはならないという事実ですら2割近くが土壇場まで知らない。これは大変なことです。

大人が子どもと一緒に手続きをすれば、避けられることがあるのではないでしょうか。

理解しておきたいこと(3) 借りる金額ほど熟考を

「余裕があるほうが安心する」という考え方もあるかもしれませんが、お金は余れば使いたくなるものでもあります。

借りる金額は最小限で抑えることが一番です。

親子でしっかり話し合ってください。

18歳から成人となったとはいえ、独立した大人としてスタートしていません。

電気代がいくらで食費にいくらかかるのか、1人暮らしをする前からわかる人はほんの一握りでしょう。

親を疎ましがる時期かもしれませんが、いくら偏差値が高くても、普段とてもしっかりしていても、大金が関わることです。

次の表は、令和2年度の学生の生活費をまとめた調査報告です。参考にしてください。

令和2年度の学生の生活費をまとめた調査報告

≪画像元:日本学生支援機構(pdf)≫

奨学金貸与・返還シミュレーションも行ってみてください。

わが家の経緯

母子家庭であるわが家では、「2人の息子を大学に進学させ、無事卒業させること」だけが当時の大きな大きな目標でした。

おかげさまで大学までは何とかなったのですが、「大学院に行きたい」という次男の一言には、本当に悩みました。

理系学部だった次男が進学の希望を言い出すことは予想できたことではあったのですが、まだ就職先も決まっていない20代の息子に借金をさせるのは、自分が背負うことより心苦しいことです。

とはいえ、2年学生生活が伸びるということはその間の生活費が必要です。

自宅から通っていましたが、アルバイトをしてもせいぜい本人のお小遣い程度です。

親として学費を工面してあげたいのは山々でしたが、生活していかねばなりません。

返済義務を負うのは息子自身になることを伝え、話し合いを繰り返した結果、決め手となったのは「自分で返すから、借りてでも進学したい」と言った本人の意思でした。

申し込みは自分で行いましたが、一緒に付き添い見守りました

普段は盛んに話をするタイプではありませんが、不安な気持ちがあったのか、いろいろ尋ねてきたのが印象に残っています。

幸いにして希望する職につくことができましたし、返済も本人が順調に行っています。

「就職できたから感謝などという言葉がでる」とご指摘を受けるかもしれませんが、「自分が返していかなくてはならない」から「必ず就職しなくては」と本人が強く自覚したことで、勉強に取り組む意欲は違ったでしょうし、そのことが仕事につながったように思います。

子どもたちの未来が明るい未来であるように

奨学金の返還は、貸与終了の翌月から数えて7か月目に始まります

進路決定はもちろん人生を大きく変える重要事項ですが、奨学金を借りるのもまた、とても大きな決断です。

親子でしっかり話し合って、子どもの夢を実現させてください。(執筆者:FP2級 吉田 りょう)

《吉田 りょう》
この記事は役に立ちましたか?
+18

関連タグ

吉田 りょう

執筆者:FP2級 吉田 りょう 吉田 りょう

働くシングルマザーです。息子二人を大学卒業させるため、さまざまに工夫をこらし勉強しました。節約は勉強したものだけに与えられるご褒美です。リアルな情報、実際に使える情報にこだわってお届けしたいと思います。 <保有資格> 登録販売者、日文コンサルタント協会 着付1級講師 FP2級 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集