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マイナ保険証と従来保険証、どっちを使う?自分に適した保険証を選ぶ「3つの判断基準」

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マイナ保険証と従来保険証、どっちを使う?自分に適した保険証を選ぶ「3つの判断基準」

2022年10月より「医療 DX の推進のためのオンライン資格確認の導入・普及に関する加算の特例措置」が実施されています。

それに伴い、医療機関で従来保険証を提示する人が払う医療費(初診料・再診料・調剤管理料)に「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が加わり、マイナ保険証を提示する人より若干医療費が高くなります。

たた、最近マイナンバーカードの安全性を疑うトラブルが続出しているので、マイナ保険証の使用をためらう人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、2023年6月時点の判断基準として、

  1. マイナ保険証を使った方がいい人
  2. 従来保険証(※)を使ってもあまり問題ない人
  3. 従来保険証を使わないといけない人

※従来保険証=従来より健康保険組合などが発行している健康保険証

どれに自分が当てはまるか?についてのヒントをお届けします。

マイナ保険証を使った方がいい人

従来保険証の提示でいくら医療費が加算されるのか?

まず前提として知っておきたいことは、

「従来保険証の提示でいくら医療費が加算されるのか?」

という点です。

健康保険の自己負担割合を考慮に入れない場合、従来保険証の提示で加算される医療費の金額(以下・「加算額」と表記)は次のようになります。

初診料再診料調剤管理料
従来保険証60円20円40円
マイナ保険証20円0円10円
加算額40円20円30円

参照:厚生労働省「令和5年4月1日からの診療報酬上の特例措置等について 第2 措置の概要 1-1個別改定項目について(pdf)

それをもとに「自己負担割合に応じた診療・調剤1回あたりの加算額」を計算すると、以下の金額になります。

3割負担

初診料再診料調剤管理料
従来保険証18円6円12円
マイナ保険証6円0円3円
加算額12円6円9円

2割負担

初診料再診料調剤管理料
従来保険証12円4円8円
マイナ保険証4円0円2円
加算額8円4円6円

1割負担

初診料再診料調剤管理料
従来保険証6円2円4円
マイナ保険証2円0円1円
加算額4円2円3円

従来保険証の提示による「加算額」は3割負担でも数十円です。

しかし、これらの金額は「受診・調剤1回あたりの金額」であり、医療費の支払い回数に応じて「加算額」が倍掛けで増える点に注意が必要です。

そのことをふまえた上で、「自分はどちらの保険証を持参すべきか?」について判断するヒントとして、3つのケースをご紹介します。

1. 医療機関にマイナ保険証を持参した方がよい人

医療機関にマイナ保険証を持参した方がよい人は、以下のいずれかまたは両方に該当する人です。

  1. マイナ保険証対応の医療機関に定期的に通っている
  2. 自分が行く医療機関や薬局の大半がマイナ保険証に対応している

これらに当てはまる人はマイナ保険証を持参した方が医療費を抑えられます。

特に、3割負担で「加算額」が大きくなりがちな1の人は、毎月マイナ保険証を提示することで医療費の節約効果を実感できるでしょう。

2. マイナ保険証対応医療機関で従来保険証を提示してもあまり損をしない人

一方、マイナ保険証対応の医療機関で従来保険証を提示してもあまり損をしない人もいます。

  • 医療費の自己負担割合が1~2割の人(後期高齢者など)
  • 医療機関に行く回数が少ない人(健康に問題がない人など)

以上に当てはまる人は「加算額」が小さめです。特に、1割負担だと1回あたりの「加算額」が最大でも10円未満なので、無理にマイナ保険証を使う必要はないと言えそうです。

ただ、マイナ保険証を提示した方が医療費を節約できます。その点を重視するならマイナ保険証を持参した方がいいでしょう。

3. 従来保険証を持参すべき人

従来保険証を持参すべき人もいます。マイナ保険証未対応の医療機関に行く人です。

2023年4月より全医療機関でマイナ保険証のシステム導入が義務化されましたが、現時点ではマイナ保険証システムの導入が遅れている医療機関が数多くあります。

2023年秋には全医療機関がマイナ保険証のシステムを導入する予定になっていますが、それまでは従来保険証の提示が必要なケースも多いでしょう。

そのような医療機関にマイナ保険証のみ持参すると、原則として医療費の支払いが10割負担になります。

よく行く医療機関なら、数日中に従来保険証を提示することを条件に健康保険の自己負担額が請求される場合もあるでしょう。

ただ、提示のためにまた医療機関に足を運ぶ手間は免れませんので、マイナ保険証未対応の医療機関に行く人は必ず従来保険証を持参しましょう。

マイナ保険証の使える医療機関かどうか

現時点ではどの医療機関でも使える従来保険証の持参が安心

以上で述べたことを簡潔にまとめると、

  • 現時点で全員がマイナ保険証を持ち歩く必要はない
  • 従来保険証は全員持ち歩いた方が安心

という結論になります。

どの医療機関でも、従来保険証を提示すれば健康保険が適用されるからです。

確かにマイナ保険証は若干医療費が安くなる点でお得です。

しかし、従来保険証を提示しないと10割負担になる医療機関がまだ多い現状を考えると、多少医療費が高くなってもどこでも使える従来保険証を持っていた方が安心です。

健康保険証がマイナ保険証に一本化される、またはすべての医療機関がマイナ保険証対応になるまでは、従来保険証を持ち歩くことをおすすめします。

ただ、わずかでも医療費を節約したいとお考えなら、従来保険証とマイナ保険証の両方を持ち歩くことを検討してもよいかもしれません。(執筆者:元銀行員 FP2級 大岩 楓)

《大岩 楓》
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大岩 楓

執筆者:元銀行員 FP2級 大岩 楓 大岩 楓

元銀行員にしてベテラン主婦のフリーライターです。クレジットカードや節約記事などの執筆のほか、既成記事の校閲も行っています。50代になった現在、最大の関心事はずばり「老後のお金」今後のマネープランについて真剣に考え始めました。そこで自らの勉強も兼ね、銀行員時代に培った金融知識と25年以上の家計管理経験をベースにお金に関するさまざまな事柄について深堀りしていきます。 <保有資格> FP2級 寄稿者にメッセージを送る

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