「ANA Pay」がタッチ払いとして生まれ変わりました。
多くのクレジットカードからチャージ可能で、Visaのタッチ決済またはiDとして使えます。
ANAマイラーは要注目ですが、注意点もあります。
目次
【注意点1】切り捨ての端数が多い
200円利用ごとに1マイルが付与されるANA Payですが、1か月単位ではなく1会計ごとに計算されます。
1会計398円ANA Payを利用した場合、付与されるマイル数は1マイルで、198円分は切り捨てです。
198円、980円などの価格設定はお得感があるものの、ANA Payにとっては悔しい価格設定です。
ANAカードですと1か月の合計利用金額1,000円ごとにマイルが付与されるので、ANA Payでは切り捨てられる端数が多いことが分かります。
【注意点2】アメックスのカードは直接チャージ不可
≪画像元:アメリカン・エキスプレス≫
クレカチャージができるANA Payですが、アメックスブランドのみ利用不可です。
Apple Pay経由のチャージもできません。
ANAアメックス・プレミアムのカードを持っている人であっても、チャージできずマイルも一切もらえないのは悔しいですね。
【注意点3】「ANA Payマイル」には制限が多い
≪画像元:ANA≫
ANAのマイルから1マイル→1円でチャージしたANA Pay残高は、「ANA Payマイル」という残高に分類されます。
クレカなどからチャージした「ANA Payキャッシュ」と比較して、以下のような違いがあります。
チャージ上限が少ない
本人確認後のチャージ上限について、ANA Payマイルは1万マイル/回・日、5万マイル/月です。
一方のANA Payキャッシュは10万円/回・日、30万円/月と、ANA Payマイルよりも一度に多くチャージできます。
残高上限も少ない
本人確認後の残高上限について、ANA Payマイルが5万円なのに対して、ANA Payキャッシュは30万円とゆとりの残高です。
ANA Payマイルのヘビーユーザーは頻繁にチャージする必要があります。
有効期限が短い
チャージした残高には有効期限がありますが、ANA Payマイルが1年間なのに対して、ANA Payキャッシュは4年間です。
どちらも、チャージや利用するたびに延長されるものの、ANA Payマイルはより気を配らなければなりません。
【注意点4】ポイント多重取りが面倒
最近では、プラスチックカードでなくスマホに共通ポイントカードを入れている方も多いです。
Apple Payのウォレットには共通ポイントカードの設定も可能で、Apple Payで決済する1アクションだけで、共通ポイントカード提示によるポイントも付与されます。
対して、ANA Payアプリではそうはいきません。
ANA Payアプリ以外でポイントカードを開いて提示してから、ANA Payアプリを開いて決済しないといけません。
それなら、1枚に楽天ポイントカードとANAマイレージクラブカードが一体となった「楽天ANAマイレージクラブカード」の方がシンプルです。
魅力的なルートも開通
とはいえ、楽天Edy・楽天キャッシュの相互交換が可能になったことにより、ANA Payを使った以下のような魅力的なルートも開通しました。
・ エポスカードゴールド(年100万円以上利用) → au PAY:1.5%還元
・ au PAY → ANA Pay(Apple Pay経由):0.5%還元
・ ANA Pay → 楽天Edy:0.5%還元
・ 楽天Edy → 楽天キャッシュ
出口となる楽天キャッシュは決済はもちろん、投資信託や納税にも利用できます。
【注意点5】ANAカードを直接使った方がいい場合も
≪画像元:ANA≫
ANAカードの場合、「ANAカードマイルプラス加盟店」(セブン-イレブン、スターバックス、マツモトキヨシなど)で利用すると、ボーナスマイルを獲得できます。
直接使った方が面倒もなく、高還元なお店も少なくありません。
【注意点6】Apple Payのnanaco、WAONへのチャージは不可
ANA Payのバーチャルカードを設定したApple Payで、Apple Payのnanaco、WAONにチャージできれば、ポイ活がはかどりそうです。
しかし、ANA PayのバーチャルカードはVisaブランド、VisaブランドはApple Payのネット決済には利用できないので、Apple Payのnanaco、WAONへのチャージもできません。
【注意点7】ANA Pay(コード払い)、ANA Pay(タッチ払い)間の残高移行は不可
これまでANA Pay(コード払い)を使っていた人で、十分な残高がある人もいるでしょう。
しかし、ANA Pay(コード払い)からANA Pay(タッチ払い)へ残高を移行することはできません(逆方向への移行も不可)。
ANA Pay(コード払い)の残高は使い切るか、返金されるのを待ちましょう(返金の詳細は2023年9月以降に案内予定)。
Android端末にも対応。ライトなマイラー、マイルが貯まり過ぎている人にはおすすめ
今回はANA Payの注意点・デメリットを中心に解説しました。
無料航空券・アップグレードができるほどのマイルが貯まらない人も、ANA Pay残高にチャージすれば街のお店でも使え、わずかでもマイルを貯めるモチベーションになります。
また、マイルはたくさんあるが飛行機を利用する機会がない人も、ANA Payなら確実に陸でも消費できます。
リリース当初はAndroid端末には未対応のANA Pay(タッチ払い)でしたが、6月28日にAndroid端末にも対応しました。
とりあえず貯めてみてみるのもいいのではないでしょうか。(執筆者:キャッシュレス研究家 角野 達仁)