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【超円安】この時期は「外貨建て保険」を検討する余地は本当にないのか

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【超円安】この時期は「外貨建て保険」を検討する余地は本当にないのか

「外貨建て保険はやってはいけない」などの記事が散見されるようになってきました。

今回は一時払ドル建終身保険を念頭に、本当はどうなのか解説します。

超円安のこの時期

外貨建て保険をやってはいけないと言われている主な理由

外貨建て保険をやってはいけないと言われている主な理由は3つあります。

(1) 現在は超円安のために円で保険料を支払うと割高な為、将来的に為替リスクに見舞われて損をしてしまう可能性が高いから。

(2) 外貨建て保険はコストが高いために当初の目減り率が大きいので貯蓄目的でおこなうのであればNISA制度を使って投資信託などを買ったほうが賢明であるから。

(3) 外貨建て保険に関する苦情件数等が激増しており、結果外貨建て保険はいい商品ではないためやらないほうがいい。

正直、私も一般論としては間違っていないと考えております。

しかし一般論ではそうかもしれませんが、だからといって外貨建て保険を検討する余地がないかと問われれば「そうではない」とお答えしております。

基本的に保険商品そのものに「良い」「悪い」があるわけではない

私が外貨建て保険を検討する余地があると考えるのは、タイミングと目的、求める成果によっては、その目的・成果達成のためには最善ではないかと思える事例を多々体験してきたからです。

外貨建て保険に限らず、基本的に保険商品そのものにいいとか悪いとかがあるわけではなくて、その保険商品を選択するに当たって、タイミングや目的、求める成果に対してリスク許容度を踏まえてうまくマッチしているかどうかが問われているということです。

この点を間違えなければ、先に挙げた外貨建て保険をやってはいけないと言われている主な理由についても解消出来てしまう事例は少なからずあると考えております。

成功事例を紹介

相談者は70歳代女性。

相談目的は2次相続時の相続税対策が主でしたが、思わぬ長生きにも備えて資産運用目的も少し併用したいとのことでした(10年以内に解約する可能性はまずないこと)。

そこで私が提案したのは、一時払ドル建終身保険への加入です。

提案理由としては、

・ 死亡保険金の非課税枠をまだ使い切れていなかったこと

・ ご年齢や投資知識・経験のなさを踏まえたら手間のかかる資産運用は無理なこと

・ 求める成果は保険金額程度が妥当であったこと

・ 基準利率や為替レートより、円換算の解約返戻金も思わぬ長生きされた場合にも為替差損に見舞われる可能性はかなり低いこと

円建て終身保険では効率が悪かったこと

が挙げられます。

これだけの超円安にも関わらず、長期的に見れば為替差損の可能性もかなり低い基準利率にまで到達していたことは私も認識不足でした。

すべてを保険商品でおこなうのではなく、生前贈与も法改正後を踏まえておこなうこと、認知症対策も考えて予約型代理人制度の活用も提案しました。

このようにタイミングや目的、求める成果に対してミスマッチが無ければ外貨建て保険の検討余地は十分にあります

一般論に基づいた記事や偏向記事が数多く出回っており、発信している情報の中にはかなりのバイアスがかかったものも見てとれます。

ほとんどが2次情報や3次情報であり、1次情報を正確に理解されたものではありません。

それらの情報に惑わされずに個別具体的に判断し、自分にあった保険を選ぶようにしてください。(執筆者:CFP認定者、1級FP技能士 小木曽 浩司)

《小木曽 浩司》
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執筆者:CFP認定者、1級FP技能士 小木曽 浩司 小木曽 浩司

リップ ラボ 代表 1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。 <保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー 寄稿者にメッセージを送る

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