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「学生納付特例制度」を利用後、追納した人としてない人との年金額の差

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「学生納付特例制度」を利用後、追納した人としてない人との年金額の差

国民年金は、日本に住民票のある20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければなりません。

もちろん20歳以上であれば、収入のない学生であっても例外なく国民年金に加入する必要があります。

国民年金に加入している自営業者や学生、無職の方などの国民年金の第1号被保険者は、基本的に毎月国民年金保険料を支払わなければなりません。

追納するか

令和5年度の国民年金保険料は、1か月あたり1万6,520円

収入が少ない学生にとって毎月の国民年金保険料を支払っていくのは、とても大変なことです。

このような収入が少ない学生のために、学生の間は申請により国民年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。

この学生納付特例制度の期間中は、年金の受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません

今回は、学生時代に学生納付特例制度を利用した方が、後からその期間の国民年金保険料を追納した場合と追納していない場合の老齢基礎年金の受給額の差について詳しく解説していきます。

国民年金の学生納付特例制度

国民年金の学生納付特例制度とは、一定以下の収入の学生が申請することで、在学中の国民年金保険料の納付が猶予される制度です。

学生納付特例制度を申請するには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 20歳以上60歳未満であること
  2. 前年の所得が一定以下(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)であること(令和2年度分以前をさかのぼって申請するには、128万円を118万円に読み替える)
  3. 収入が(2)の基準以上であっても、失業などの理由があること
  4. 大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する学生であること

学生納付特例制度はあくまで納付を猶予する制度であるため、国民年金保険料の免除制度とは異なるものです。

そのため、学生納付特例制度は年金の受給資格期間には算入されますが、免除制度のように年金の受給額には反映されません

老齢基礎年金を満額受給するためには、この期間の国民年金保険料を後から追納する必要があります。

学生納付特例制度の場合は、10年以内であれば保険料をさかのぼって追納できます。

学生納付特例制度を利用した期間の国民年金保険料を追納した場合と追納していない場合の比較

学生納付特例制度を利用した期間分を後から追納して、未納なく国民年金保険料を40年間支払った場合は、老齢基礎年金を満額受給できます

令和5年度の満額の老齢基礎年金の受給額は、年額79万5,000円(新規裁定者)です。

一方、4月生まれの方が20歳から大学を卒業するまでの3年間学生納付特例制度を利用して、その期間追納しなかった場合の老齢基礎年金の受給額(年額)は以下の計算式で算出されます。

795,000円(新規裁定者の令和5年度満額)× 444(保険料納付済期間(月数)) ÷ 480(加入可能年数40年 × 12か月)=735,375円

この場合の差額は5万9,625円です。

3年間学生納付特例制度を利用した場合、その期間の追納するしないで年額約6万円の受給額の差がでます。

学生時代は国民年金保険料を支払うのが難しくても、後から追納できるので追納した方がよいでしょう。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)


《小島 章彦》
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小島 章彦

執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦 小島 章彦

大学を卒業後、信用金庫に8年、システム開発の会社に約20年勤務。その傍ら、資格を生かした年金・労働・社会保険や、今まで携わってきた金融関係の記事を主にライティングしています。「分かりやすく理解していただく」をモットーに執筆しています。 【保有資格】社会保険労務士、行政書士、日商簿記3級 寄稿者にメッセージを送る

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