子育て世帯にとっては身近な児童手当ですが、継続的かつ固定的な手当であり、今後は「異次元の少子化対策」と称し、法改正も予定されています。
今回は子育て世帯にとっては貴重な「財源」である、児童手当の法改正案と今後の予想される動きについて解説します。
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児童手当の改正案
2024年10月からの改正案として、所得制限を撤廃し一律1万円(0歳~2歳は1万5,000円のままの予定)への改正が予定されています。
現在は3歳から小学生である「第3子以降」に対しては1万5,000円となっている点からの改正です。
これだけでは多くの場合不利益改正となるため、第3子以降は3万円となりますので、第3子以降については事実上「倍増」ということになります。
「所得制限の撤廃」とは、前提として児童手当には所得制限があり、「年収960万円以上」では児童1人当たり月額5,000円となっていますが、この減額もなくなる見込みです。
その他、支給対象年齢が18歳まで引き上げとなる予定です。
第3子とは、高校卒業までの範囲内にいる子供の数で見ますので、既に子供(例えば長男)が高校卒業となった場合は仮に3人目の子供であっても「第3子」にはあたりません。
3人の兄弟姉妹であっても全く3万円の対象とならないというケースはあり得ます。
税関係の論点
現在、16歳未満の子供(年少扶養)に対しては扶養控除が廃止されています。
2024年の法改正により、児童手当が予定通り18歳までとなった場合、16歳以上の扶養控除がどうなるのか動向に注視する必要があるでしょう。
請求が必須
児童手当に限った論点ではありませんが、年金と同様に児童手当は請求しなければ受給することはできません(請求した月の翌月分から支給)。
手続きが遅れたとしてもさかのぼって受給することはできませんので、日々の生活と並行しながらとなれば大変ではありますが、より注意が必要です。
こども・子育て拠出金とは
厚生年金の適用事業所には、毎月の社会保険料納付のタイミングで「こども・子育て拠出金の納付義務」があります。
これは健康保険料、厚生年金保険料と異なり、全額事業主負担となります。
近年では料率は増加傾向となっています。
育児休業中で社会保険料が免除となっている場合はこども・子育て拠出金も発生していません。
今後の予想される動き
近年晩婚化と共働き世帯の増加が顕著になっています。
そうなると、第3子まで産むという家庭が今後増えるという想定は難しく、また児童手当法上の「第3子」の考え方として、年齢の間が空いてしまうと、戸籍上は間違いなく第3子であっても児童手当法上は第3子にはならず、「3万円」の対象にならないというケースも考えられることから慎重に判断する家庭も多いでしょう。
他方、「三つ子」の場合は最も恩恵が多いということになりますが、一般的にはあまり多いケースとは言えません。
所得制限の撤廃は有利な改正ではありますが、わが国の平均所得の視点から考えると対象者は限定されると考えられます。
仮の話ではありますが、児童手当が高校生まで支給対象となりましたが、16歳以上の扶養控除が廃止となるとすると特に高所得世帯にとっては手取り収入が下がるというケースも存在しますので、それらの対策へも検討が必要となるでしょう。
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支給月は6月、10月、2月
児童手当は年金に比べると比較的、期間限定的な手当ではあるものの、子育て期間中という支出が多い時期に支給されるものであるため、今後の法改正内容には注視すべきと考えます。
また、児童手当は年金と異なり、6月、10月、2月が支給月となります。
「偶数月」に支給される年金とは異なりますので、これから対象となる家庭はおさえておきましょう。