2024年4月22日より、三井住友カードのポイントプログラム「Vポイント」と、共通ポイントの老舗「Tポイント」が統合されます。
2023年中のリリースを読む限りでは、Tポイントが消滅し、Vポイントに一本化するものと理解をしていました。
ですが新年アップのリリースと更新された公式サイトをよく読むと、従来のTポイントが実質的に残ると考えられます。
名称はVポイントに統一されるものの、「旧Tポイント」と考えたほうがわかりやすいこともありそうです。
新生Vポイントと無関係に、旧Tポイントだけ使い続けることもできるわけです。
いっぽう旧Vポイントユーザーにとっては、統合に関する注意点が多数あります。
「今まで通りに使いたい旧Tポイントユーザー」と、「統合に戸惑うVポイントユーザー」の両方に役立つよう、新生Vポイント誕生をご案内いたします。
参照:CCCMK ホールディングス(pdf)、三井住友カード、CCC MK HOLDINGS
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Tポイントは実質存続する 従来通りの利用が可能
VポイントとTポイントの統合とは、蓋を開けてみると「新生Vポイントとしてポイントを合算できる」という意味でした。
「自動で合算される」でも「合算しないと使えなくなる」でもありません。
ですから、Tポイントが存続すると言えるのです。
この事実について、主に既存のTポイント側から考えてみます。
名称について
新生Vポイントに統合後は、名称がこのようになります。
・ Tカード → 変更なし
・ モバイルTカード → モバイルVカード
・ Tマネー → Vマネー
・ T ポイント/T サイト → Vポイントサイト
・ Tポイントアプリ → Vポイントアプリ
・ Vポイントアプリ → VポイントPayアプリ
プラスチックのTカードにTポイントの名称が残りますが、将来的に廃止になる模様です。
Google Pay、Apple Payにセットして決済に充当できるVポイントアプリは、わかりやすく「Pay」を付けた名称に替わります。
Tマネーは廃止になると予想していましたが、使う人が極めて少ないまま名を変え存続するようです。
旧Tポイントユーザーには、新生Vポイントを使う必要性はない
Vポイント側からすると、全盛期より衰えたとはいえTポイントの広範なサービスが加わります。
いっぽうで、既存のTポイントユーザーからすると、「今さらVポイントと言われても…」と思うところもあるかもしれません。
2024年初頭において、次のTポイント利用をしているユーザーにとっては、新たな環境のメリットは感じられないでしょう。
・ もっぱら実店舗で提示してポイントをためている
・ 毎月20日にウエルシアでポイント充当する(ポイントが1.5倍の価値になる「ウエル活」)
・ TカードPrime、ファミマTカード、マジカルクラブTカードJCB等、Tポイントがたまるクレジットカードを活用し、実質無期限でポイントをためている
・ 上記以外のクレジットカードやポイントサイト等でためたポイントを、Tポイントに集約している
・ 長期的にためたポイントを、ANAマイルに移行している
・ Tポイントをためたら、WAON POINTに交換している
こうした使い方はそっくり残りますので、安心してください。
従来通りの使い方をしたい人は、なにもしなくて結構です。
ただし比較的新しいルートである、「Tポイント → PayPayポイント」の交換ルートは、2024年3月31日に消滅します。
それでも、「Tポイント → WAON POINT → dポイント」など等価交換ルートは残るので、使いみちはまだまだ豊富です。
「Tポイント」の名称はなくなるということですが、他社との関係ではしばらく存続するはずです。
Tポイントは盛り返している
Tポイントは一時期、TSUTAYAの縮小に伴い、オワコンの象徴のように言われていました。
もう、そんなことはありません。
一時Tポイントから離れたドトールコーヒーショップが、再度モバイルTポイントを導入したのは典型例です。
他の共通ポイントに遅れを取ったモバイル化も進みました。
今やTポイントのバックに三井住友グループがあるわけで、今後Tポイントを基本にした、新生Vポイント加盟店も増えていくに違いありません。
次に、今後変わる部分、変わらない部分を見ていきます。
新生Vポイント(青と黄色のVポイント)
旧Tポイントユーザーにとっては、名称以外の、統合による変化はあまり見られません。
Vポイント側のほうに、変化が多くあります。
確認します。
統合前2日間はメンテナンス
2024年4月20日、21日の土日は、Vポイントのシステムメンテナンス期間です。
ポイント交換だけでなく、ポイント残高確認もできません。
Tポイント側のメンテ期間はリリースされていません。必要ないかもしれません。
ポイント統合は4月22日
4月22日以後、Vポイントユーザーのポイント統合手続きは、ユーザー各自ですることになります(別途4月頃に案内)。
Vポイント側においては、なにもしないと三井住友カードと三井住友銀行(およびSMBC日興証券、プロミス)の連携がいったん切られ、併せてためているVポイントが別管理になるのでご注意ください。
旧Tポイントと連携手続きをすることで、再び銀行・カードその他のポイントも合算されます。
つまり三井住友銀行、三井住友カードの両方のユーザーは、旧Tポイントと連携の手続きを必ずすべきでしょう。
ポイント有効期限は有利なTポイントを採用
新生Vポイントも、旧Tポイントに合わせて有効期限が変わります。
現状は獲得から最短2年でしたが、「ポイント最終利用から1年」に替わります。
利用とは、「ためる」「使う」どちらも含みます。
ちなみに、なにもしない場合でも、統合時から1年の新たな有効期限がスタートします。
実質的にポイント有効期限がなくなり、陸マイラーには大変助かります。
ただし、三井住友カード発行のANAカードユーザーの場合、「ANAマイレージ移行可能ポイント」の有効期限は変わりません。
Tポイントの商品交換は維持
Tポイントには、他の共通ポイントが追随しなかった商品交換が多数あります。
これはそのまま残ります。
Vポイントユーザーも、旧Tポイント連携をすることで商品交換ができます。連携しない場合、Vポイントから交換可能なポイント
Vポイントを旧Tポイントと連携しないで使い続ける場合、多くのポイントに交換できなくなります。
ANAマイレージも時期未定ですが、交換不能となります(ANAカードを持たないユーザーの場合)。
連携しないでも、引き続きVポイントから交換できるポイントは次の通りです。
・ タリーズカード
・ ビックポイント
・ ジョーシンポイント
・ スターバックスカード
・ ベルメゾン・ポイント
・ ヨドバシゴールドポイント
・ JAF継続年会費
・ nanacoポイント
・ PiTaPaショップdeポイント
・ WAON POINT
・ 青と黄色のVポイント
最後に、交換先としてTポイントから替わる、新生Vポイント(青と黄色のVポイント)があります。
つまり連携しなくても、旧Tポイントのサービスは、交換をはさむことで使えるようです。
もちろん、連携してしまった方が話が早いでしょう。
ちなみに新生VポイントとJAF継続年会費以外はすべて交換率8割のため、目減りします。
あまりいい交換先ではありません。
既存のV ポイントのまま等価で使うなら、次の方法をおすすめします。
・ キャッシュバック
・ Vポイントアプリにより、バーチャルカードを発行してタッチ決済かiDにセットする
・ (銀行一体型のOliveの場合)ポイント払いモード
3月31日に、他社ポイントからVポイントへの移行廃止
ポイントサイト等、世には多くのポイントがあり、Vポイントへ移行可能なものもあります。
これが統合に先駆け、2024年3月31日に廃止となります。
この役割は、旧Tポイントが引き受けることになります。
4月22日以降、新生Vポイントに交換可能になるのでしょう。
Tポイントの不利益は、3月31日のPayPayポイント交換廃止のみ
三井住友カードを持たず、従来のTポイントを使っているユーザーは、統合にほとんど影響を受けません。
名称以外ほぼ、現状ままです。
唯一、PayPayポイント交換が廃止となります。
三井住友カードは、コンビニ等の特約店においてスマホタッチ決済で7.0%以上の数字となる優れモノなので、1枚持つことをおすすめします。
とはいえ旧Tポイントユーザーが、ポイント利用を拡張するために三井住友カードを持つ意味はなさそうです。Tポイントユーザーは、新生Vポイントを気にせず生活していい
統合後のスケジュールを見てみました。
Vポイントユーザーにとっては、統合により既存のTポイントのサービスがそっくり使えます。
いっぽう旧Tポイントユーザーにとっては、PayPayポイント交換を除いて驚くほど影響がありません。
三井住友カードがなくてもVポイントPayアプリとタッチ決済(あるいはiD)で新生Vポイントを使うことはできますが、Tポイントユーザーにはあまりピンとこない方法かもしれません。
新生Vポイントは当初、Vポイント側からのTポイント侵食という、不思議な形でスタートするようです。
今後の発展が楽しみです。