今週のチラシにユニクロのデニムが勢ぞろいしました。
中でも「セルビッジデニム」は値下げ前でも注目アイテムです。
セルビッジデニムの相場を知っている人ならば、3,990円という安さに驚くはずです。
今回は、ユニクロのセルビッジデニムのメリットと、花粉対策にもおすすめする理由、そして買うときの注意点をお話します。

なぜセルビッジデニムの値段は高い?
リーバイズなどのデニムブランドでは、セルビッジデニムの相場は3万円程度です。
量産される安価なデニムと比べると、値段の高さは10倍以上になります。
なぜセルビッジデニムの値段は高いのでしょうか。
理由1:シャトル織機で作られるから
セルビッジデニムの生地は、シャトル織機で作られます。
いわゆる「はたおり機」のイメージで、シャトルと呼ばれる糸巻が右に左に移動してデニム地を織りあげます。
コツコツと織り上げるため、手間と時間がかかる方法です。
一方、大量生産されるデニム地はエアージェット織機(シャトルレス)で作られます。
シャトルを使わないため、シャトル織り機の5倍の速さで生地を織りあげます。
セルビッジデニムは、手間と時間がかかるため値段は高くなります。
理由2:生地巾がせまいから(赤い耳があるから)
セルビッジデニムの特徴は、裾を折り返したときにわかります。
生地の端に赤いほつれ止めが見えるからです。
ほつれ止めは、生地の耳に出るものです。
シャトル織機で作られる生地は生地巾がせまいため、どのデニムにも赤いほつれ止めがあります。
一方、大量生産できるエアージェット織機で作られたデニム地は生地巾が広いため、ほつれ止めではなく通常の端処理がされ、赤い耳はありません。
生地巾がせまければ長さが必要になります。やはり手間と時間がかかるのです。
理由3:技術が必要だから
シャトル織機は古い機械です。機械を扱える職人も減っています。
また、現代のように誰でも簡単に使える機械ではなく、機械ごとにクセや特徴があり状況や環境に応じた技術が必要です。
セルビッジデニムは、同じ型番でも微妙に雰囲気や色模様が違います。
それは、1本ずつ職人が調整し手仕事から生まれた証でもあるのです。
ユニクロのセルビッジデニム4つのメリット

メリット1:生地目が細かく花粉がつきにくい
花粉は服につきます。
そのまま室内に入れば、室内に花粉を持ち込むことになります。
花粉対策には「花粉がつきにくい服」がかかせません。
デニム地はウールと比べて花粉がつきにくい素材です。
とくにユニクロのセルビッジデニムは「固い」と感じるほど、生地目が細かく詰まっています。
表面はツルツルした感触で花粉がついても手ではたきおとしやすいでしょう。
メリット2:ハリとツヤ
ユニクロのデニム売場に行ってみると、他のデニムと比べてセルビッジデニムの質感が違うようにみえます。
さわってみると紙のようにハリがあり、ラメが織り込まれているかのようなツヤがあるのです。
ユニクロでは、セルビッジデニムはメンズの売場にありますが、ハリによって生まれる繊細なラインと上品なツヤは女性にもおすすめです。
メリット3:一点物のような個性
「ユニクロ」というと「大量生産でみんなと同じ」というイメージがある人も多いのではないでしょうか。
セルビッジデニムは1点ずつ表情が違います。
これは古いシャトル織機だからこそ出せる個性です。
ユニクロのセルビッジデニムもよく見ると、同じ色サイズでもひとつひとつ印象が違います。
メリット4:安い
セルビッジデニムは値段が高いです。
しかしユニクロでは、他のデニムと同じ3,990円(税込み)で売られています。
セルビッジデニムは生地に凹凸が出るため「生地が厚い」と感じる人も多いのですが、ユニクロは伝統的なセルビッジの特徴をいかしつつ、現代の技術で履き心地も改良しています。
参照:ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ|UNIQLO Masterpiece
ユニクロのセルビッジデニムを買うときの注意点
コスパも質もいいユニクロのセルビッジデニムですが、買うときには注意点があります。
丈は長めにする
ユニクロでは無料(1,990円以上の品)でパンツの裾上げをしています。
セルビッジデニムも対象です。
しかし、セルビッジデニムはいつもよりもかなり丈は長めにしましょう。
なぜならば、セルビッジデニムは通常のデニムよりも縮むからです。
初めての洗濯で2cm以上は丈が縮む
と思っていると、いいかもしれません。
またセルビッジデニムは折り返したときの赤い耳が特徴です。裾をロールアップして赤い耳を出す履き方もおすすめです。

1点物として商品を選ぶ
筆者は商品を買うとき「あまり人が触っていない商品がいい」と思い、棚の奥から商品を取り出しレジに向かいます。
しかしセルビッジデニムは「同じ棚ならどれも同じ」ではありません。
例え同じ棚の同じサイズであっても、実際に履いてみると微妙にサイズ感や色の印象が違います。
買うときには同じサイズを数本試着して、「お気に入りの1本」をみつけましょう。
デニムを育てる楽しさを3,990円で味わえる
ユニクロでは「やわらかい履き心地」のデニムが人気です。
それらと比べるとセルビッジデニムは「とても固い」と感じます。
セルビッジデニムは洗濯をすると徐々に糊が落ちて、やわらかさが出ます。
また繊維の芯は染色されていないため、履けば履くほど色の経年変化があらわれて個性ある1本に育てることができます。
「デニムを育てる楽しさ」は高価なデニムに限られていましたが、ユニクロのセルビッジデニムならば3,990円で味わうことができます。