「青春18きっぷ」は、全国のJRに好きな5日間乗り放題のきっぷです。
最近はきっぷを購入するとアンケートも出てきて、「リニューアルされるか廃止されるか」噂になっていました。
廃止ではありませんが、大幅にリニューアルされますので解説しましょう。

「青春18きっぷ」がリニューアル!

≪執筆者撮影≫
長らくお世話になっている「青春18きっぷ」、廃止の噂なども出ていましたがリニューアルされます。
利用期間は2024年12月10日~2025年1月10日、発売期間は2024年11月26日~~2025年1月6日(または8日)です。
5日用は1万2,050円で変更ありません。
以下で変更点を解説しましょう。
【変更点1】自動改札を利用可能に

≪画像元:熱海の癒新かどや≫
リニューアルされる青春18きっぷでは、自動改札を利用できるようになります。
これまでの青春18きっぷは自動改札を利用できず、有人改札を利用しなければなりませんでした。
熱海駅などは青春18きっぷ利用者が多く、JR東海と東日本の境目のため交通系ICの処理を有人改札で行う人も多く、混雑していました。
もっとも、交通系ICについては自動改札も一部利用できるようになりましたが。
今後は、スムーズに通過できて駅係員の方の負担も減りそうですね。
きっぷの取り扱いは慎重に
自動改札を利用可能になるということは、これまで以上に取り扱いを慎重にしなければなりません。
これまでのハンコを押すタイプのきっぷなら、多少しわくちゃになっても問題ありませんでした。
今後は、しわくちゃになったり磁気を帯びたりしたきっぷでは、自動改札を通過できなくなる可能性があります。
そうなると結局有人改札に行く必要があり、せっかくの改良点を生かせません。
【変更点2】きっぷが小さくなった

≪画像元:JR東日本≫
リニューアルされる青春18きっぷは、これまでのものよりサイズが小さくなります。
自動改札に対応するためのサイズ変更でしょう。
財布にすっぽりと収まるサイズになりました。
【変更点3】「飛び石利用」が不可に
リニューアルされる青春18きっぷは、いわゆる「飛び石利用」ができなくなります。
これまでの青春18きっぷでは、期限内でしたら任意の日に利用可能で、しかも連続でなく分散して使っても構いません。
これにより、気に入った街に数日滞在してその後移動する、という使い方もできました。
リニューアル後は、任意の日から連続して利用しなければなりません。
連続利用が前提となると、まとまった休みを取れない人は利用しにくくなります。
「自動改札では飛び石利用に対応できない」のが理由のようですが。
金券ショップなどでの購入・売却も事実上不可に

≪画像元:Jマーケット≫
飛び石利用ができなくなることにより、金券ショップなどでの購入・売却も事実上できなくなります。
金券ショップでは、回数が残っている青春18きっぷを「レンタル」という形で有料で提供し、利用後に返却してもらうサービスがありました。
青春18きっぷを使い切った筆者は、名古屋 → 東京の1日分だけ欲しくて、金券ショップに駆け込んで1日分だけ残っている青春18きっぷを購入したものです。
これは、飛び石利用できるからこそ成立するモデルであり、連続利用が前提となると商売として成り立ちません。
【変更点4】複数人での利用も不可に
リニューアルされる青春18きっぷは、複数人での利用もできなくなります。
これまでの青春18きっぷでは、5日分を「5人×1日」で利用することも可能で、旅程を同じくするグループ旅行に重宝されていました。
自動改札で、1枚のきっぷで一気に複数人通過させるわけにもいかず、複数人での利用もできません。
【変更点5】3日用が新設
リニューアルされる青春18きっぷは、これまでの5日用に加えて3日用が新設されます。
5日用の価格は1万2,050円、3日用の価格は1万円で、子ども用の設定はありません。
飛び石利用できない、複数人での利用もできない代わりに、利用可能日数を短くしてお得なきっぷも新設したということでしょう。
「秋の乗り放題パス」などの方がお得

≪執筆者撮影≫
青春18きっぷが設定されない秋には、「秋の乗り放題パス」が販売されます。
利用条件は青春18きっぷ3日用とほぼ同じで、利用可能期間が16日間しか設定されません。
その代わり、価格が7,850円と青春18きっぷより2,000円以上安いだけでなく、子ども3,920円の設定もあります。

≪画像元:JR東日本≫
長期間の周遊旅行なら、不定期販売ながらJR東日本とJR北海道が7日乗り放題の「北海道&東日本パス」(1万1,330円。子ども5,660円)もいいですね。
他にも、JR各社では自社エリア内でお得なきっぷを販売していますので、そちらも候補に入れるといいでしょう。
【変更点6】「北海道新幹線オプション券」も変更

≪画像元:JR東日本≫
普通・快速列車が定期運行されていない本州~北海道の路線は、別途「北海道新幹線オプション券」を購入することで、北海道新幹線を利用できます。
北海道新幹線オプション券もリニューアルされ、新幹線の利用区間が「奥津軽いまべつ~木古内」から「新青森~木古内」に拡大されます。
北海道新幹線の自動改札も利用できるようになりますが、価格が2,490円 → 4,500円に値上がりします。
利便性が増した代わりに値上げ、トレードオフの関係といったところでしょうか。
青春18きっぷはより「プロ」向けの商品へ
これまでの青春18きっぷは、友達を誘い合わせてちょっと旅行に行ったり、気の向いたときにふらっと旅に出たり、そのような気軽な使い方ができました。
リニューアルによって、気の向くままの旅行がしにくくなり、より気合を入れる必要が出てきます。
ライト層には少し使いにくくなり、より「プロ」向けになった感じです。廃止されるよりはましですが。