農林水産省が東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(令和6年11月)について、主産地等からの聞き取りを行い、その結果について発表しました。
聞き取りを行った、野菜15品目の11月の価格については令和6年11月は、平年並みの価格に落ち着く野菜が増える見込みです。
※平年並みとは、平年(過去5か年平均)との比率が90%以上、110%以下である。
※15品目の野菜:大根、にんじん、白菜、キャベツ、ほうれん草、ねぎ、レタス、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、ばれいしょ、さといも、玉ねぎ、ブロッコリー
参照:農林水産省
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11月の15品目の野菜価格のそれぞれの見通し
それぞれの野菜価格の見通しについて見ていきます。
品目 | 11月の価格見通し (平年(直近5か月平均)比) |
だいこん | 平年並みで推移 |
にんじん | 〈11月前半〉 平年並みで推移 〈11月後半〉 平年を上回って推移 |
はくさい | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
キャベツ | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
ほうれんそう | 平年並みで推移 |
ねぎ | 平年を上回って推移 |
レタス | 平年並みで推移 |
きゅうり | 平年を上回って推移 |
なす | 平年並みで推移 |
トマト | 平年を上回って推移 |
ピーマン | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
ばれいしょ | 平年並みで推移 |
さといも | 平年並みで推移 |
たまねぎ | 〈11月前半〉 平年並みで推移 〈11月後半〉 平年を上回って推移 |
ブロッコリー | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
秋に入ってから、全体的な野菜の高値が続いていました。
しかし、夏秋の産地から秋冬の産地への切り替わったことで、11月は価格が平年並みに落ち着く野菜が多くなると見込まれています。
【詳細】
品目 | 主産地 (11月の入荷シェア) | 今後の生育及び出荷見通し | 11月の価格見通し (平年(直近5か年平均)比) |
だいこん | 千葉(65%) | 北海道産・青森県産の出荷が減少し、千葉県産・神奈川県産中心の出荷へと切り替わる。 千葉県産の生育は順調。神奈川県産は播種時期の8月から9月の高温の影響により歩留まりの低下がみられるものの、大幅な出荷数量の減少は見込まれない。 全体として、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 平年並みで推移 |
にんじん | 千葉(63%) | 北海道産中心の出荷から、千葉県産中心の出荷へと切り替わる。 北海道産の生育は順調。千葉県産は8月以降の高温の影響により高温障害が発生し、歩留まりの低下がみられる。 全体として、11月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移し、11月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 | 〈11月前半〉 平年並みで推移 〈11月後半〉 平年を上回って推移 |
はくさい | 茨城(86%) | 長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へと切り替わる。 茨城県産は8月以降の高温の影響により生育が遅延傾向であることに加え、高温障害による歩留まりの低下がみられるため、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、11月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
キャベツ | 千葉(48%) 愛知(23%) 茨城(19%) | 群馬県産の出荷が減少し、千葉県産・愛知県産・茨城県産中心の出荷へと切り替わる。 千葉県産の生育は順調。愛知県産・茨城県産は8月から9月の高温等の影響による定植の遅れ、歩留まりの低下がみられ、11月前半までは出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移し、11月後半の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
ほうれんそう | 群馬(46%) 茨城(28%) | 主産地において、9月以降の高温の影響により細物傾向となっているものの、気温低下に伴い生育が回復傾向であり、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 平年並みで推移 |
ねぎ | 茨城(14%) 秋田(14%) 栃木(10%) 青森(10%) | 北海道産・青森県産の出荷が減少し、茨城県産・栃木県産の出荷が増加する。 秋田県産の生育は順調。茨城県産・栃木県産・青森県産は7月から9月の高温による生育の遅延、歩留まりの低下がみられ、出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 | 平年を上回って推移 |
レタス | 茨城(66%) 静岡(10%) | 長野県産の出荷が減少し、茨城県産中心の出荷へ切り替わる。 茨城県産の生育は順調。静岡県産は高温の影響により生育が遅延傾向となっており、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 平年並みで推移 |
きゅうり | 宮崎(28%) 群馬(21%) 埼玉(20%) | 群馬県産・埼玉県産に加え、宮崎県産が増加する。 主産地において、定植時・生育初期の高温、その後の天候不良の影響により、11月前半の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。宮崎県産は11月後半は生育が回復し、平年並みの出荷数量となるものの、群馬県産・埼玉県産は切りあがりが早く、11月後半も出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、11月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 | 平年を上回って推移 |
なす | 高知(56%) 福岡(16%) | 群馬県産・栃木県産の出荷が減少し、高知県産・福岡県産中心の出荷へと切り替わる。 主産地において、生育は順調であり、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 平年並みで推移 |
トマト | 熊本(40%) 愛知(15%) 千葉(12%) 栃木(11%) | 千葉県産の出荷が減少し、熊本県産・愛知県産・栃木県産の出荷が増加する。 熊本県産・愛知県産・栃木県産は定植時・生育初期の高温の影響により、生育不良がみられることに加え、小玉傾向となっており、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。千葉県産は高温の影響により生育不良がみられることに加え、切りあがりが早くなるため、11月の出荷数量は平年を下回って推移する見込み。 全体として、11月の出荷数量は平年を下回って推移し、価格は平年を上回って推移する見込み。 | 平年を上回って推移 |
ピーマン | 茨城(53%) 宮崎(20%) | 茨城県産は10月の曇天・気温の乱高下の影響により生育遅れ等がみられること、宮崎県産・高知県産は定植時・生育初期の高温の影響により生育不良がみられることから、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。生育は回復傾向であるため、11月後半の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
ばれいしょ | 北海道(98%) | 北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。 11月の出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 | 平年並みで推移 |
さといも | 埼玉(71%) 愛媛(10%) | 主産地において、生育は順調であり、11月の出荷数量・価格は平年並みで推移する見込み。 | 平年並みで推移 |
たまねぎ | 北海道(93%) | 北海道産は、収穫及び貯蔵が完了。 11月前半の出荷数量・価格は平年並みで推移するものの、9月から10月の干ばつの影響により小玉傾向となっており、11月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。 | 〈11月前半〉 平年並みで推移 〈11月後半〉 平年を上回って推移 |
ブロッコリー | 埼玉(22%) 熊本(20%) 香川(11%) 愛知(10%) | 埼玉県産に加え、熊本県産・香川県産・愛知県産の出荷が増加する。 主産地において、7月から9月の高温の影響により、生育遅れや歩留まりの低下がみられ、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。11月後半には各産地の出荷が出揃い、出荷数量・価格は平年並みとなる見込み。 | 〈11月前半〉 平年を上回って推移 〈11月後半〉 平年並みで推移 |
参照:農林水産省
注:「平年並み」とは、平年(過去5か年平均)との比率が概ね90%以上、110%以下であることを示しています。
平年よりも価格が下回る見込みの野菜はありませんが、ようやく“平年並み”の価格に戻るだけでも家計にとってはうれしいニュースです。
10月後半は高値が続いていた「ブロッコリー」も、11月は価格が落ち着く見込みです。
高騰中につき今月は控えて!おすすめ代替品
平年並みの価格に戻るとはいえ、まだまだ手が伸びない高値の野菜はあります。
時期によっては冬物野菜もお手頃は言えません。
「価格が平年を上回って推移」する野菜は、代替品を活用すると食費の節約になります。食感や味が近いお買い得な野菜を選んで、家計防衛につなげましょう。
きゅうりおススメ代替え品 1:レタス
10月に引き続き、きゅうりの高値が続いています。近所のスーパーで売られていたきゅうりは、単品買いで1本70円。サラダの具材としては、とても気軽に使えない値段です。
そこでおすすめしたい代用品が「レタス」。きゅうり同様のみずみずしさがあり、細切りにすればポテトサラダの具や和え物に使えます。
きゅうりおススメ代替え品 2:ブロッコリースプラウト
かいわれのような辛味がなく、栄養も豊富なブロッコリースプラウト。きゅうりとは食感が異なりますが、生のままでも食べやすい野菜です。
価格も1パック100円程度とお手頃なので、つけあわせや副菜に◎
代用の注意点
レタスはカットすると変色しやすいので、食べる直前に切ることをおすすめします。
また、ブロッコリースプラウトは傷みやすいので、購入後はできるだけ早く消費しましょう。すぐに食べない場合は、根元のスポンジをしっかりと湿らせて“立てて保存”してください。
トマトおススメ代替え品:トマト缶
トマトは独特な風味と色合いから、他の野菜で代用するのは難しいです。そのため、お手頃なトマト缶を活用するのが一番。煮込み料理なら、トマト缶を使う方が安く済む上に時短にもなります。
その他、トマトケチャップやトマトピューレといったトマト加工品もおすすめです。
代用の注意点
缶詰や調味料は、生のトマトとは食感や味が異なります。そのため、あくまでもトマト風味の料理を作る場合のみの代用策です。
今月はお得!
【ばれいしょ】
おススメ保存方法 … 洗わずに泥がついたま、1個ずつ新聞紙で包む
直射日光の当たらない風通しの良い場所に置くと、常温で2~3か月ほど持ちます。
冷蔵庫に入れると低温障害により傷みやすくなりますので、すぐに食べない場合は常温で保管しましょう。
大量消費使いまわし可能な下ごしらえ … 加熱してマッシュポテトにしてから、保存袋に入れて冷凍庫へ
じゃがいもは冷凍すると水分が抜けて食感が悪くなりますが、マッシュポテトにしてから冷凍するとおいしさが保たれます。
使う時は、前日のうちに冷蔵庫へ移して自然解凍しましょう。
アレンジレシピ … ポテトコロッケ、ポテトオムレツ、芋もち、グラタン
ふるさと納税を活用するのもひとつ
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≪執筆者撮影≫
11月に入り、今年も残すところ後2か月を切りました。ふるさと納税も駆け込み時期に入る今、野菜の返礼品を申し込むのもおすすめです。
筆者も、玉ねぎとじゃがいものセットを申し込みました。
野菜の返礼品は1万円以下の低額寄付で申し込めるものが多いので、寄付上限が残りわずかな方にもおすすめです。
出費ラッシュがやってくる12月に備えて、できるかぎりの対策をして食費増を抑えましょう。