フリマアプリとして圧倒的なシェアを誇る「メルカリ」が、ユーザーを対象とした詐欺被害の“全額補償”を行う新制度を発表しました。
2025年7月から開始されるこの「全額補償サポートプログラム」は、ユーザー間の取引に潜むリスクへの対策を強化するもので、安心して使えるプラットフォームを目指す姿勢が明確に打ち出されています。

◆ メルカリで実際に発生している被害事例
メルカリは、誰でも不要なものを簡単に売買できる手軽さから、月間利用者数2,300万人を超える巨大なCtoC(個人間取引)マーケットへと成長しました。一方で、個人間取引の特性を悪用した詐欺的行為も横行しています。たとえば以下のような被害が報告されています。
「高額商品を購入したが、届いたのは空箱」
「すり替え品を送られた」「写真とは別物の偽物が届いた」
「購入後に出品者が突然退会し、商品が届かない」
「すり替え詐欺」で返品対応したら、別商品が返送されてきた
さらに、外部で連絡を取るよう誘導し、個人情報を詐取されたり、メルカリ外で送金させるといった“アカウント乗っ取り詐欺”も確認されています。こうした行為はメルカリの仕組みやサポート体制の“スキ”を突いたもので、被害者の泣き寝入りや不満の声がSNSでも目立っていました。
◆ 不正ユーザーは「徹底排除」へ 運営の方針転換
メルカリは2025年5月21日、公式に「不正利用者を徹底的に排除する」方針を表明しました。
同社の発表によると、詐欺行為を行うユーザーに対しては、これまでの警告やアカウント停止に加え、被害実態を把握した上での強制的なアカウント削除、アクセス制限、AIによる不正検知の高度化などの対策を段階的に導入していくとしています。
また、他人の画像を無断転載して商品ページを作成する“なりすまし出品”など、悪質性の高い行為には警察とも連携し、法的対応も視野に入れるとのことです。
◆ 「全額補償サポートプログラム」2025年7月スタート
今回発表された「全額補償サポートプログラム」は、詐欺被害に遭った購入者に対し、メルカリがその被害額を全額補償するという制度です。
補償対象となる条件(想定):
商品が届かない
偽造品やすり替え品が届いた
明らかに説明と異なる商品
アカウント乗っ取りによる不正購入 など
詳細な適用条件や申請手続きは、7月の正式スタート時に発表予定ですが、ユーザーの申告と運営側の調査をもとに、スピーディーな返金対応が行われる仕組みが想定されています。

◆ なぜこのタイミング?背景にある“取引の一般化”と信頼の維持
「メルカリ」は今や、使わなくなったモノを売るのは当たり前というほど、生活に根付いた存在です。学生から主婦、高齢者まで幅広い層が利用しており、家電や衣類、ブランド品、チケットなど多様な商品がやりとりされています。
その一方で、個人間取引である以上、取引の透明性や安全性には限界があり、詐欺被害が常に付きまとうリスクでもありました。
今回の全額補償制度は、そうした課題に対し、“被害を受けても泣き寝入りさせない”安心感の提供を目的とした重要な一手であり、メルカリを安心して使い続けられるようにするための前向きな取り組みと言えるでしょう。
◆ ユーザー保護に本腰を入れたメルカリ 今後の改善にも期待
詐欺被害への補償という大きな方針転換を打ち出したことで、メルカリは「取引の自由さと安全性の両立」を本格的に追求し始めました。
ユーザーにとっては、万が一のトラブル時にも金銭的リスクが軽減されることで、これまで以上に安心して利用できるプラットフォームに進化することが期待されます。今後は、出品時の本人確認やAIによる不正監視など、さらなる安全性向上策の導入も検討されており、信頼される取引環境の整備が進むことで、より多くの人がメルカリを活用することでお得場所として活用できるようになるでしょう。