銀行が住宅ローンの販売に力を入れ始めたのは、10年くらい前からでしょうか?

 個人向けの住宅ローンの多くを取り扱っていた政府系金融機関「住宅金融公庫」が、「官から民へ」の流れのなかで廃止され、個人に直接融資しないことが2001年に決まりました。

 銀行は、景気の良くないなかで比較的リスクの高い企業に「貸し渋り」をする一方で、賃金が安定していてリスクが低い個人向けローンの代表格、住宅ローンを積極的に販売しはじめました。

 ところで、住宅ローンの競争力の代表的なモノは、金利とコストです。
 なぜなら、借りる側からすると、負担するお金が少ないほどトクになるからです。

 したがって、住宅ローンを巡る銀行間競争は「金利とコストをどれだけ低くするか?」になりがちなります。

 結果、いまでは変動金利タイプで、0.7%台が出ているという始末。

 そんな競争激化のために、銀行の住宅ローンの採算が悪化しているようで、住宅ローンの取り扱いをやめた金融機関も出てきています。

 もともと薄利ななかで、貸し倒れが増えると、すぐに赤字になってしまいますからね。

 住宅ローンは、3ヶ月以上延滞すると、不良債権に分類され、半年以上返済できないと企業でいう「デフォルト(倒産)」扱い。そうなると銀行は、一定の貸倒引当金を帳簿に載せないといけません。つまり損失計上をするということ。

「この貸倒引当金の積み方が甘いのではないか?」ということなどで、日銀や金融庁などの「当局」も、住宅ローンに関する金融機関の考査・検査を厳しめに行っています。

 結果、低金利競争に歯止めがかかるかも・・・・・。

 住宅ローンは、最初の数年はなにごともなく返済が行われるのですが、10年経過後くらいから、貸し倒れの発生率が急上昇する傾向があるようです。

 借入をする個人からみると、住宅ローンを借りた当初は収入も安定していて、無理なく返済が進んでいたが、何年から経ったころから勤務先の業績が落ちてきてボーナスが減り、場合によっては給与も減って、返済が困難になっていく、ということなのでしょう。

 住宅ローンを借りるときは、くれぐれも、返済にムリのない範囲で。
 できれば毎月の返済をしたあとに、少しゆとりが残るくらいがいいですね。

 なお、住宅ローンを組んで返済中に金融機関が破綻した場合、借金は帳消しにはなりません。
 返済義務はそのまま残ります。

 現実的には健全な他の金融機関が預金、住宅ローンともに引き取り、借りた人はその金融機関に対して、引き続き返済することになるでしょう。