多くの投資信託は、運用の目標にする基準を設けています。
 資産運用に限らず、何事をするにも、あとで評価を行うには、最初に「モノサシ」を決めておく必要がありますね。

 それが「ベンチマーク」。

 日本株を投資先とする株式投信の場合、ベンチマークとしてよく採用されるのが、「日経平均株価」と「東証株価指数(TOPIX)」。

「日経平均株価」とは、東京証券取引所第1部に上場している銘柄のなかの代表的な225銘柄の平均。

 いっぽう「東証株価指数(TOPIX)」は、東京証券取引所第1部に上場しているすべての銘柄(約1,700銘柄)の平均(1964年1月4日の時価総額を100としたときの指数)です。

 日本株式投資信託によって、どちらを採用するかはマチマチですが、いずれにしてもこれの指標は、マーケットの平均値です。

 素人の投資家からすると、運用をプロに任せて投資信託を購入するワケですから、プロたるもの、相場がいかなる状況であろうとも、「儲けてしかるべき」と思いがちです。

 しかし、こと資産運用の世界では、いかにプロでも、相場が悪いときには儲けることができないというのが一般的。

「いかなる相場でも儲ける」という言葉が出てきたら、疑ってかからないといけません・・・・消えた年金で話題なった「AIJ投資顧問」がそうでした。信じたからひどい目に遭った。

 投資信託の運用成績の評価は、市場全体の平均を表す指標がベンチマークとしてよく使われます。

「平均が下がっていた時期に、投資信託の価格が下落するのはいたしかたない。ただ、下がり具合が平均とくらべてどうだったか?」が評価の視点になるのです。

「平均3%下がったときに、投信の価格はどれだけ下がったか?」
「平均が10%上がったときに、投信の価格はどれだけ上がったか?」ということ。

 さて、日本株式を投資先とする投資信託の代表的なベンチマークは「日経平均」や「TOPIX」ですが、投資先が他の資産の場合には、それぞれ、その資産の市場全体の平均値を示す指標が利用されます。

 以下は代表的なもの。

 日本債券投資信託の場合・・・「NOMURA-BPI総合」

 外国債券投資信託の場合・・・「シティグループ世界国債インデックス
(除く日本、円貨換算、ヘッジなし)」

 外国株式投資信託の場合・・・「MSCI-KOKUSAI(円貨換算、配当込み)」

 なお、ベンチマークの値動きに投資信託の値動きを連動させることを目標とする運用のやり方を「パッシブ運用」といいます。

 また、ベンチマークよりも高い収益をあげることを目標とする運用のやり方を「アクティブ運用」といいます。

 投資信託には「信託報酬」という、運用をプロに任せるためにかかるコストがありますが、平均以上の運用成果を狙う「アクティブ運用」の投資信託は、「パッシブ運用」にくらべてコストが高い傾向があります。