海外移住の判断にはその国の税法もしっかりと把握することが肝要

  昨今、定年退職を迎えた団塊の世代の方々の海外移住やロングステイが、年々増えてきています。

  そのような方々が、移住先を決めるときに何を基準に決めているのでしょうか? 人それぞれに意志決定の要因は様々にあると思います。「若い時から憧れていた国」、「医療が発達している都市」、「大自然が素晴らしいところ」、「物価が安い」、「税率が低い」など、その人の目的によって異なることでしょう。

  日本は、所得税と住民税を合わせると最高税率は50%、相続税と贈与税の最高税率も50%です。

  それでは、海外へ移住すれば、日本のような税金を支払わなくても済むのでしょうか。日本ほど高額ではないにせよ、基本的には海外でも税金はかかってきます。             

  まず、海外へ移住する場合は、移住先と日本の税法以外にも、日本とその国との租税条約が交わされているかどうかの確認が必要です。

  例えば、財産を親から子へ贈与した場合に、移住先と日本の両方から贈与税が課税される場合もあったりしますが、移住先によっては移住先と日本のどちらも贈与税が課税されない場合もあります。或いは移住先に贈与税そのものが無い(ゼロの)場合もあります。このようなことを知っているかいないかで、移住先決定の判断基準に大きく影響することでしょう。

  海外へ移住した人を日本の「非居住者」と呼びますが、非居住者になったからといって日本の税金が全くかからないということにはなりません。 税法上では、単に海外で住んでいるからといって、非居住者となるわけではないということです。居住か非居住かを決めるときに最重要なことは「住所」の判定です。

  アメリカなどは属人主義で何処へ行ってもアメリカ人は祖国の税金が課税されますが、日本の場合は「属地主義」です。「住所」が何処にあるかが課税対象の大きな基準となります。勿論それだけでもなく、何処で職業に就いているか、生計を共にする親族の居所が何処にあるかなどを総合的に判断するようです。

  海外へ移住して、「住所」の判定をクリアして、税法上も問題なく非居住者になった方にはどのような税金がかかるのでしょうか?海外へ移住後も、日本国内で収入がある場合には、日本の所得税がかかってきます。 住民税は、1月1日非居住者であれば、かかりません。

  移住されるということは、気楽な旅行とは全く違います。海外移住に於いては、所得税法や租税条約など様々な税金に対して、移住先での税法と日本での税法を共に細かく検討する必要があります。

  信頼のできる税理士や会計士の先生に事前に相談されて、移住された後に後悔のないように、しっかりと準備を整えて計画を立てましょう。

この記事を書いた人

桐山 一人 桐山 一人()»筆者の記事一覧 (56)

株式会社ノマド・グローバル 代表取締役
健康で活き活きと過ごす人生、世界を視野に入れたグローバル・ライフ「ノマド・ライフ」を提唱し、若年層を中心に多くの人々の共感と支持を得る。「若い人こそ、お金の無い人こそ、海外に目を向けた資産形成を検討すべし」と若年層を中心の資産運用のコンサルティングを得意とする。
年間のうち100日以上を海外で過ごす自他ともに認める「Nomad」自由人である。ファイナンシャルプランナー・中小企業診断士・ロングステイアドバイザーの資格を持つ。
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