学資保険で「全期前納」するメリットと注意点

  通常、「学資保険」と呼ばれる商品は、大学の初年度もしくは次年度分までの学資を確保するために、親を契約者、被保険者を子供(0歳から7歳 ぐらいまで)とする、生死混合保険である「養老保険」のなかの一商品です。

  例えば、私立文系大学の学費については、以下の公的機関調査数値(伊藤調べ)を参考すると約200万円です。ですので、通常、学資保険金額を200万円で設定することが多いです。

 

 私立文系

 初年度

          1,930,178

 2 年目以降

          1,673,800

 4 年間総額

          6,951,578

 4 年間平均

          1,737,895

 

  現在販売されている「学資保険」で、戻り率が100%を超える商品は3社のみ(ソニー生命アフラックフコク生命)です。その3社間の戻り率もそう大差はありません。

  保険料の支払い方法では月払い、年払い、全期前納等がありますが、保険料を全期間分前納する全期前納が一番戻り率(リターン)が高くなります。

  若干戻り率が落ちるものの、「保険料払込免除特則」を付けることで、契約者が死亡したときには、それ以降の保険料の払込が免除されます。つまり、契約者死亡時は、保険料総支払原価から実際の保険料支払累計額を差し引いた金額相当額の契約者死亡保障がついており、かつ満期時には約束された学資年金が払いだされ、契約者の親死亡時でも教育資金は確保されるという「保険性」がここにあります。

  尚、全期前納の場合は未経過分保険料が返還されます。これは、会計上、「前納」は保険会社で保険料を「預かり金」として取り扱っているためです。

  ご注意頂きたい点は、一部の保険会社で、戻り率をカサ上げするために、「一時払」の扱いをしている点です。

  「一時払」は文字通り、商品をその一時払価格で購入するため、戻り率が120%をこえることもあります。しかし、仮に契約者が死亡したとしても、全期前納のように未経過分の保険料の返還はありません。また、「保険料払込免除則」も付けられない事になります(なんせ、もう一時払いで支払い済みですからね)。

  ですので、「一時払」の「学資保険」は17年(or 18年)定期であり、単なる貯蓄性金融商品であり、保険としての機能が殆どないことになります。

  尚、契約者は同年齢ならば男性のお父さんよりも、女性のお母さんのほうが、保険料が若干安くなり、 通常、戻り率が多少アップします。

学資保険以外の「学資代わり保険」

  上記の「学資保険」は貯蓄性はあるものの、決めた満期が来たときには、満期金を払い出し、保険は消滅してしまいます。ですので、途中で事情が変わって、学資資金を他所から確保できたため、「学資保険」の貯蓄期間を満期時より延長してさらに殖やしたいとか、契約者死亡時の「保障性」 が他の保険商品に比べ低い点などが、商品上の弱みとしてあります。

  また、月払や年払の場合だと、途中解約した場合に、解約返戻金の額が払込保険料を下回る期間が長いという「中途解約リスク」があります。

  そこで、ここ最近、上記の弱点を補うために、他の保険商品を使って「学資保険ニーズ」を満たす設計法が一般化されてきました。

  「学資代わり保険」としては、「低解約返戻金型定期保険」「低解約返戻金型終身保険」などの保険料支払い終了時に解約返戻率がふっと100%を超える死亡保険の「短期払い設計」を利用するのが一般的です。

  保障性が高く、解約返戻率が100%を超えれば、いつでも自由な時期に解約して資金を使えるという柔軟性があります。

  注意点は「低解約返戻金型」の保険商品ですから、保険料支払い中の「中途解約リスク」が高い点です。保険料支払い期間中の解約返戻率と元本割れ期間を必ず確認してください。

  例えば、数年後に銀行系の金融商品で金利が高くなってきたとしましょう。そのときに、これら保険を解約して、資金を預けかえることも想定しておかなければなりません。住宅ローンを高い金利のものから、低い金利のものへ借換えるのと、逆と考えれば分かり易いでしょう。

  尚、「中途解約リスク」が低く、保障性や解約返戻率で優れているのが、先日ご紹介した、東京海上日動あんしん生命の「特定疾病保障定期保険」です。他にも「5年ごと利差配当付終身保険+逓減定期保険特約」を利用した学資保険スキームがあります。他社商品でも学資代わり保険スキームは各種あります。

  詳細はお近くの生命保険募集人資格あるFPか乗合保険代理店、等にご照会下さい。