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今後も株高は続くのか?~アナリスト経験に基づく投資のヒント(後編)

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  前回、「今後も株高は続くのか?」という投資家の高い関心事に対し、私は株高は続くと予想している旨を申し上げました。(該当コラム)その最大の根拠は、日経平均株価、TOPIX共にリーマンショック後の保ち合い圏(ボックス相場)を抜け、数年来の高値を更新していることです。

  「景気に対する株価の先行性」や「企業収益が増えれば株価も上昇する」という原理原則に基づけば、今回の数年来の高値更新は、アベノミクスという大きな構造改革により、企業の収益環境がそれまでと全く違う大きな変化を生じ、株価がファンダメンタルズを反映してあるべき価格まで一気に上昇しているとみることができます。

  アベノミクスの最終的な成否は事の成り行きを見守る必要がありますが、先行性のある株式市場の上昇エネルギーは、個別株投資をするうえでも大きな支援材料です。

4月下旬からの決算発表時期は、逆張り投資が狙えるチャンス

  さて、ここから個別株投資を検討する場合、オーソドックスな投資手法はマーケットのトレンドに乗る順張り投資です。私の考える個別銘柄の選択基準は

(1)日経平均株価、TOPIXなどの動きに連動して保ち合い圏を抜け、数年来の高値を更新していること

(2)年度及び足元の四半期決算見通しが市場平均の伸び率を上回ること

(3)投資タイミングとしての押し目水準にあること

  などであり、昨年11月半ばまでの保ち合い圏で機能した逆張り投資の効率は落ちています。

  ただ、4月下旬から本格化する決算発表時期は、逆張り投資が狙えるチャンスだと考えます。

  日本株上昇の原動力である外人投資家の大半はプロ投資家であり、マクロ予測に基づいて投資対象を選択するトップダウンアプローチにより、膨大な海外マネーを運用しています。この結果、現在の日本株市場は世界のマクロ経済指標に一喜一憂し、個別銘柄のファンダメンタルズに関係なく上下する傾向が顕著になっていると見られます。

  しかしながら、四半期決算の発表時期は個別企業の業績結果や今後の見通しに注目が集まり、フェアバリューからの乖離を修正する期間と言え、ここに投資のチャンスがあります。

  具体例として機械株のコマツ、商社株の三井物産、三菱商事、住友商事を取り上げましょう。4社の共通点は、日経平均株価やTOPIXなどの動きに連動して数年来の高値を更新するというマーケットのトレンドから大きく外れていることです。

  しかし、私は以下の理由により、フェアバリューから乖離している現在の株価水準はいい投資タイミングになるとみています。

(1)外人投資家のトップダウンアプローチによる投資手法の下では、4社が実態とは異なる中国関連株として一括りにされ、最近の中国のマクロ経済悪化見通しの影響を受けている

(2)市場コンセンサス(アナリスト業績予想平均)による今期業績は大幅な増益見通しである

(3)4社に比べて総合力で下回る日立建機、伊藤忠商事、丸紅がいずれも数年来高値を更新しているため、相対的な割安感もある

  決算発表時期の特徴として、株価は企業が発表する決算数字に敏感に反応しますが、会社側は株価への影響を勘案して最小値や最大値を出してくることがあります。

  このため、企業の業績予想とその後に出てくる市場コンセンサスとのギャップの度合いが大きいほど、その修正値としての株価の変化率も大きくなる傾向があります。つまり、会社側予想をアナリスト予想が上回る、上方修正ギャップの大きい銘柄が投資対象となります。

  ここで個人投資家の方々がとるべき行動としては、上方修正ギャップの大きい銘柄の決算説明会を視聴し、その銘柄を記したアナリストレポートを読み比べることです。

《青沼 英明》
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青沼 英明

青沼 英明

ハッピーライフ・未来ラボ 代表 新日本証券(現・みずほ証券)での個人営業、法人営業、証券アナリストを経て、ソシエテジェネラル証券、東京三菱証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)で証券アナリスト業務に従事。2012年3月より、中長期的な資産運用・財産管理コンサルティング・サービスのほか、生命保険代理店、証券仲介業、不動産・老人ホーム紹介業等を兼業。 <保有資格>:CFP®(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)、日本証券アナリスト協会検定会員、トータル・ライフコンサルタント(生保協会認定FP) 、宅地建物取引士、第一種証券外務員資格 寄稿者にメッセージを送る

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