10種類の所得のうち、金融所得には、利子・配当・不動産・雑・一時・退職・譲渡所得の7つが挙げられます。
(2) 株式やファンド(基金など)から継続的に獲得する配当所得
(3) 不動産の賃料を継続的に獲得する不動産所得
(4) 公的年金や私的年金など継続的に受け取る雑所得
(5) 保険の満期などを受け取る一時所得
(6) 退職金という退職所得
(7) 資産を売却したときにその差益を受け取る譲渡所得
同じ金融所得でも、継続的な所得と一時的な所得、更には、自分名義の資産から生まれるインカムゲインと資産の売買(名義の入れ替え)に伴い生まれるキャピタルゲインに分かれます。一言に「資産運用」といっても、広義ではこれらすべて資産運用と考えてもいいでしょう。
重要なポイントは、上記金融所得は「すべて時間がかかる」ことが共通しているということです。生活できるだけの利子所得を得ようとするなら、預金や債券など、かなりの金額の準備が必要です。
また、株式会社の配当所得を得ようと思えば、その会社の成長や、業績の拡大に時間がかかるでしょう。不動産収入で家賃を得ようと考えれば、借入返済までの時間や、不動産購入資金を準備する時間も必要です。年金は、支払い開始までの時間、保険の満期はそれまでの時間、資産の売却には値上がりまでの時間がかかります。
今しか考えられない人にとって、この時間の管理がネックになっているため、いつまでも給与・事業所得のことしか考えられない状態を生みます。
一方、今も考え、将来の準備も進める人は、給与・事業所得以外の、上記7つの金融所得も得ることができ、時間の経過と共に「ゆとり」が生まれてくるのです。
仕事柄、企業や家計の決算書を分析させていただくことがありますが、「損益計算書=1年間の収支」ばかりに囚われ、「貸借対照表=将来の時間と資産の配分」に眼が届かない経営者の方が多く存在します。
貸借対照表には、資金調達と資産運用が表示されているうえ、今と将来のお金の流れが表示されています。今と将来を考える(=始末する)ことができるかどうかが、財務に強い企業や家計改善の鍵なのです。