先月23日、1日で1143円と大きく値を下げて以来、毎日ニュースで注目されている日経平均株価。このところ日々の価格の振れ幅も大きく、上がったり下がったりで、ますます目が離せません。

  ところでこの日経平均株価、日本経済そのもののように報道されますが、実際はどんなものなのか、もう一度よく考えてみたい。
 

日経平均株価

日経平均株価はどうやって決まるか?

  日経平均株価は、まぎれもなく日本を代表する株価指数ではありますが、国や公的機関ではなく、日本経済新聞社といういち民間企業が算出し発表している。また、数ある上場企業の内、東証一部に上場している企業は、6月14日現在で1724社です。この中の225社の株価を修正平均株価で算出しているのです。

  修正平均株価とは何か?普通であれば分子は各社の株価の合計で分母は225になります。しかし、実際の計算式は、日経平均株価=(各採用銘柄のみなし額面50円当たり株価)÷除数となっています。

  「みなし額面50円当たり」とは、2001年に廃止になった株式の額面制度のなごりで、額面制度廃止後も引き続き多くの銘柄は、旧額面水準を元に株価が形成されています。たとえば旧額面50円の株式は概ね100円~999円当たりで現在も取引されているのに対し、旧額面5万円の株式は万の位で取引されています。

  このため、みなし額面5万円の株式は5万円を50円で割った1000の数値を株価に除することで株価水準を統一しています。

  除数とは、たとえばA.B.Cの三社の修正平均株価を考えたとき、それぞれの株価は400円、500円、900円とする。この時株価合計は1,800円で、除数は3になるので指数は600円になります。

  ところがC社が株式を1.2株に分割すると900円割る1.2で750円になり、株価合計が1,650円で3で割ると指数は550円に下がってしまいます。これは市場の価格変動を反映しているわけではないので、除数を変更する必要があります。分割前の合計額1,800円と分割後の1,650円の比率を除数の3に乗じて、新除数は2.75になります。

  つまり、修正平均株価とは指数値の連続性を維持するために加工された株価であり、実際の平均とは違うという事です。今日現在の除数は24.975で、銘柄数の225と大きくかけ離れています。

  ちなみに銘柄数225を除数24.975で割ると「倍率」が求められます。この倍率とは「構成銘柄の単純平均株価で1円の動きがあった時、日経平均株価で何倍の動きになるのかを示すもの」で現在9.009倍の動きになります。

日経平均株価の問題点

  日経平均株価の最大の問題点は、株価水準の高い銘柄(それだけ値動きの幅が大きい)や品薄株(市場での流通量の少ない株式)の値動きに影響されやすいという事です。みなし額面での株価が高い上位24社前後(225社中の1割)で、225社の合計株価の50%を占めてしまいます。最上位のファーストリテイリング(9983)は実に1社で9%以上の影響力を持っているます。

  数多ある上場会社の内、東証一部に上場している会社が1724社。その内225社が日経平均株価を構成し、24社で株価の半分を占めてしまいます。決して日経平均株価が全てを表すわけではないのです。実際に日経平均株価が上がり続けている中、東証一部では、21日と22日には、値上がりした銘柄よりも値下がりした銘柄の方が多かったのです。

  日経平均株価は、日本経済の方向性を見る上で大切な株価指数ですが、日経平均株価は個別銘柄の影響を受けやすい事は忘れずに、その他の指標・指数や個別銘柄のファンダメンタルをも注視し、多方面から俯瞰的にものを見ましょう。報道のされ方に惑わされぬように。