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住宅ローン借り換え 借入期間を短くして総返済額を抑えるべきか?

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住宅ローン借り換え 借入期間を短くして総返済額を抑えるべきか?

  ローンを組むと契約書に「期限の利益」という記載がある。本来は一括で支払わなければならない取引を、借り手は分割で支払うことにより、時間という利益を得るという意味である。
 
  つまりローンとは、必要額を貯めるまでの時間を、金利という対価を支払って得る利益である。

借入期間を短くすべきは本当?

  先日あるテレビ番組で、「住宅ローンの借り換えをする際に、借入期間を短くして総返済額を抑える」方法をアドバイスしていました。このアドバイスに嘘はありませんが気になる点がいくつかあります。

気になる点1

  借り換えの場合、新規のローンを組むのと同じなので、借入期間を短くしたら月々の返済額は高くなり、金融機関の審査に通らないケースもある。(返済負担率の問題)

  今現在のローンを組んだ際、借入限度額目一杯にローンを組んでいたら、期間を短くして借りることは難しいですし、当時に比べ給与が下がっていたり、ボーナス併用の場合ボーナスが下がっていても、期間短縮は難しいでしょう。

  また、転職して3年以内の方は借り換え自体できません。(個人信用の問題)

気になる点2

  月々の負担を上げても将来的に返していけるのか。

  ローンが苦しくなる原因として、収入の減少以外では、次の2点が大きな原因となっています。また、ローンを組んだ際に計画していた繰り上げ返済を、思うようにできていない方も、原因はほぼ一緒です。

1、教育費の上昇やライフスタイルの変化を予定していなかった。(予想以上に支出が上昇した)
2、貯蓄するはずのお金を、つい無駄遣いしてしまった。

  原因が1の方は、安易に借入期間を短くして、月々の返済額を上げないで下さい。教育費の上昇と共に家計が苦しくなりますので、まずはライフプランの確認から始めましょう。

  原因2の方は、検討の余地あり。まずは家計をチェックし、どれだけローン返済に充てられるかを確認しましょう。お金を貯められない方が、自動引き落としで定期積立するように、浪費を抑えて自分の資産を増やす効果が得られます。

  マスコミで繰り上げ返済の期間短縮型が大々的に取り上げられた時にも思ったことですが、ローンの返済はマラソンと一緒です。どんなに早く走っても、完走できなければ意味がないのです。

  確かに借入期間が短ければそれだけ金利負担が減って、総返済額は下がります。その代り家計に占めるローン返済額は上がります。そして、返済できなくなったらせっかくの持家を失うのです。

  ローンの返済期間による総返済額の差は、あなたが時間という利益に支払っている対価、家計の余裕に支払っている対価、減給に対する保険料なのです。

  決して「長く借りていなさい」と言っている訳ではありません。自分のペースを知って守ってほしいのです。

  何かを得るためには、同等の対価を支払うのです。あなたが得るものは、対価を支払ってでも欲しい利益なのか、お金と交換するものは失ってもいい利益なのか、をよく考えて判断してください。

《田島 稔之》
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田島 稔之

田島FP事務所(T.F.P.O) 代表 東京情報大学情報学科卒。大学卒業後、小売業に就職。その時にFPと出会い、FPとして独立することを決意。資格取得後、実務経験を得るために転職。不動産業、生命保険セールスを経て2006年田島FP事務所(T,F,P,O)を開業する。「FPにとっての金融商品は、医者にとっての処方箋。診察あっての処方箋」をモットーに、あくまで診察がメインのコンサルティングを行っている。長野県長野市を拠点に、住宅ローン相談や401Kセミナーを中心に活躍している。 <保有資格>:CFP®  1級ファイナンシャル・プランニング技能士  住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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