国民一人一人に番号を割り当て、年金や納税の情報を1つの番号で一元的に管理する、マイナンバー制度関連法案は5月24日の参院本会議で可決、成立しており、平成28年1月から番号の利用が始まる予定。27年秋ごろに自治体が国民全員にマイナンバーが記載された「通知カード」を郵送する。 「個人は12桁、法人は13桁になる」ようだ。

 マイナンバー法に基づき、まず2015年10月に12ケタの個人番号の通知が始まる。

 そのうえで、税務署や市町村、日本年金機構などの行政機関がバラバラに管理している個人情報をネットワークでつなぎ、2016年1月から番号情報が入ったICチップを載せた顔写真付きの個人番号カードの希望者への配布を開始し、この時点から給付申請などの行政手続きが大幅に簡素化される。そして2017年1月には行政機関が個人番号を使って個人情報をやりとりするシステムが稼働、1つの番号での一元管理が完成する。

 制度を支える情報システムの整備にかかる費用は数千億円から1兆円規模にのぼるとされ、IT関連企業は新制度がもたらす特需を取り込もうと動き出し始めた。制度の最大の利点は社会保障サービスの受給や納税手続きが簡便になることだ。

 児童手当の申請を例にとると、所得証明書や健康保険証のコピーをそろえて市町村の担当部署に申し込む現行制度に比べ、制度導入後は、個人番号カードを窓口で提示するだけでよくなる。役所が所得などの必要な情報を個人番号で簡単に照会できるからだ。

 だが、マイナンバーはかつて「国民総背番号制度」と呼ばれたように、個人情報を行政が細かく把握するため、プライバシーの面から根強い抵抗感がある。さらに、情報漏洩への懸念から、市民団体などが反対している。医療などへの利用が先送りされたのも、そうした声に押されたからだ。

 また、源泉徴収されている会社員の給与や副業収入を、税務当局が把握しやすくなる。勤務先などに共通番号を届けなければならず、給与などの支払い情報は番号とともに税務署にも連絡されるからだ。

 会社員には今より厳しくなるが、逆に分離課税による所得が多い富裕層には痛くないので、「限定的効果」ともいわれている。