ハイパー・インフレが引き起こす「未知の経済社会」

  我が国、日本の政府は今後、なにがなんでもインフレを引き起こすことに邁進してゆくでしょう。株価や不動産の上げ幅が足らなければ、日銀がもっと多く国債を購入してお札を刷り、市場に大量の資金を新たに創り出していくことでしょう。このように資産価格の上昇を起爆剤として日本経済を活性化させることこそが、政府が目指すところです。

  現段階での日銀の計画ですと、2年で2%のインフレ目標ですから、何としても資金供給を続けて、目標達成に向けて進んで行きますので、結果として政府が目論むところは毎年2%の物価上昇、そして今後は消費税の引き上げが決まっていますので、3年後の物価は毎年2%ずつ上がり、2% X 3(年)+ 5%(消費税)ということに成りますので、3年後には11%の物価上昇が実現することに成ります。

  既に円安による輸入代金の上昇で、ガソリンをはじめとするエネルギー価格は上がり始めています。さらには電力の値上げ、日用品では食用油やティッシュペーパーなどが上がり、次に小麦が上がり、パンや麺類なども上がっていきます。

  実際のところは、消費者物価指数はこれらの生活必需品が上がっても、テレビやパソコンの電気製品など耐久消費財の値段が下がれば、すぐには2%の上昇率は達成出来ません。 確実に2%達成するためには、生活必需品が2%どころか、7~9%の値上がり幅が必要に成ってくるはずです。 これが政府や日銀のリアルな目標であります。
  

  政府は近い将来、日本にインフレを引き起こすことは可能でしょうが、危惧するところは、起こしたインフレを適切なタイミングで止めることが出来ずに、インフレの暴走が始まるかも知れないということです。 最近、世間で囁かれている「ハイパー・インフレ」という言葉がありますが、まさに、近年その状況が訪れる可能性は高いかも知れません。

  最近の株価の急速な値上がりには目を見張るところがありますが、過去に例を見ない異様な速度で株の価格が上がっていってます。

  これら現行の金融緩和により、将来的に日本は過去に経験したバブル経済に逆戻りする可能性が高いというか、それ以上の未知の経済社会が訪れるかも知れません。

  それは、良い悪いは別として、コツコツと働いた人よりも投資家の方が報われるという社会です。働くことよりも、株や不動産を所有している方が遥かに儲かるのです。そして、預貯金や保険などの価値も、どんどん失われてゆくことにも成ります。

  株や不動産が際限なく上がってゆく社会では、それを持つ者と持たざる者の差が極端に大きくなっていくことでしょう。本当の意味での格差社会が到来します。年金生活や現行レベルの生活保護では、生きていけないぐらいの物価上昇が襲来します。

  しかし、この現象をポジティヴに考えると、このような変化(未知の世界)は「チャンス」でもあります。 この流れを上手く活用出来た人たちは、大きな資産を持つことに成るでしょう。 そして、多少の混乱は免れませんが、若い人たちが未来永劫に背負うはずであった日本の莫大な借金が、インフレによって(日本国債の暴落によって)ほとんど帳消しになる可能性もあります。

  我が国の持続不可能な年金制度や社会保障制度も、官僚化された社会も、全て限界にきていることは誰もが周知の事実です。この社会を変革するためには、多少の荒療治が必要だと思います。ドラスティックな改革が必要不可欠です。

  先の話でもありましたように、破壊的なインフレが訪れたときに、我々日本人は一丸となり、この危機に立ち向かわなければ成りません。今まで永い間、ぬるま湯に浸かりきった日本が再生のチャンスを迎えたと思えば納得も出来ます。

  これから迎える大きな混乱を今から想定し、覚悟を決めて乗り越える体制を、決して他人任せにはせずに、自分自身が乗り越えてみせるという、それぞれの自覚と行動が必要な時代に(遅まきながら)突入したのです。

この記事を書いた人

桐山 一人 桐山 一人()»筆者の記事一覧 (56)

株式会社ノマド・グローバル 代表取締役
健康で活き活きと過ごす人生、世界を視野に入れたグローバル・ライフ「ノマド・ライフ」を提唱し、若年層を中心に多くの人々の共感と支持を得る。「若い人こそ、お金の無い人こそ、海外に目を向けた資産形成を検討すべし」と若年層を中心の資産運用のコンサルティングを得意とする。
年間のうち100日以上を海外で過ごす自他ともに認める「Nomad」自由人である。ファイナンシャルプランナー・中小企業診断士・ロングステイアドバイザーの資格を持つ。
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