住宅ローンの借換実態調査から「感じること」と「思うこと」

 住宅金融支援機構は、年1回「民間住宅ローン借換の実態調査」をおこなっています。今回は、公表されております最新(平成24年度)の調査結果から「感じること」とそこから「思うこと」をお話して、住宅ローン検討の一助にしていただけたらと思います。

 調査概要は、以下のようになっております。

(調査概要)
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】現在、民間住宅ローンを借入している方で平成23年11月~平成24年10月までに借換した方(総数979件)
【調査項目】借換による金利タイプの変化、借換理由など
*公表資料は住宅金融支援機構HPを参照

 調査結果によれば、全体でみると、3年以内の借換が28.3%5年以内の借換が14.7%10年以内の借換が34.9%となっており、実に77.9%もの方が10年以内に借換されていることが分かります。

 借換理由の上位は、「金利が低くなるから」「返済額が少なくなるから」と至極当たり前なもので、借換によって金利が低下した方が、全体の94.8%にも上ることからも借換えに求めているのは、金利削減・返済額軽減効果がほとんどだということでしょう。

 ここから「感じること」としては、

1.金融機関に対しては、良い条件であればどこでというこだわりはほとんどない

2.経済・金融情勢にもよると考えますが、比較的短いスパンで変わっている

3.当初と同一の金利タイプを選択されてみえる方は、変動金利タイプを除けば、3割弱から4割弱といったところである。

4.全体の約半数程度は、変動金利タイプに落ち着いている

 などです。

 ここから「思うこと」は、

・当初の住宅ローンを組む際に少し問題があるのではないか?
 (不動産・住宅業者のいいなりや任せっぱなし、提携ローンへの偏りなど)

・実際の返済が始まってみないと気付けてないのではないか?

・経済・金融情勢の変化は、なかなか読めないということ

 などです。

 上手に借換することには、基本的に大賛成ですが、しかし、借換には、前払いの保証料まで含めますと、約50~80万円程度は費用がかかることが多いものです。この費用のもとを取るだけでも、数年間は要してしまうのですから、当初の住宅ローンを組むことには、これまで以上の注意は必要ではないでしょうか。

 そのためには、

・住宅ローンの検討自体にもっと責任を持つこと
 (自分なりの判断基準を持って判断すること)

・キャッシュフローシミュレーションやライフイベントなどを十分に考慮すること

・複数の利害関係のない専門家に相談すること
 (金融機関担当者は自社のローンを借りてもらうことが目的なので相談相手にはなりづらい)

・状況変化などに細かく対応できるよう、こまめにチェックすること
 (これは、借りられた後の話ですが)

 などが考えられます。

 一部のアンケートからも、上記のことがまだまだ出来ていないことが顕著にわかります。独立系のFPとしては、さらなる啓蒙と専門家の利用拡大に努めたいと思います。(執筆者:小木曽 浩司)

【外部参照】
住宅金融支援機構HP 民間住宅ローン借換の実態調査結果(平成24年度)

この記事を書いた人

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リップ ラボ 代表
1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。
<保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー
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