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自営業と会社員の遺族年金(2) 受給要件・資格と金額の計算方法

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自営業と会社員の遺族年金(2) 受給要件・資格と金額の計算方法

 前回は、自営業の方の場合の遺族年金について確認しました。今回は、会社員の方の場合の遺族年金について見ていきたいと思います。今回も、前回と同じように遺族年金の種類・もらえる人・年金額を見ていきますが、自営業の方よりもちょっと複雑です。

会社員の遺族年金

 もらえる年金は、遺族基礎年金遺族厚生年金です。よく言われるように2階建ての保障です。そのうち1階部分の遺族基礎年金については、前回にご紹介しましたので今回は省きます。従いまして、以下は2階部分の遺族厚生年金について述べていきます。

 まず、もらえる人(被保険者の死亡当時、その者によって生計を維持していた者)の支給順位は下記の通りです。

(1):配偶者、子ども
(2):父母
(3):孫
(4):祖父母

 ここでの子ども、孫とは18歳到達年度末の末日まで、(1,2級の障害を持つ場合は20歳未満)にある子ども、孫をいいます。遺族基礎年金のような子の加算は行いません。夫は子が遺族厚生年金の受給権を有するときは、その間支給停止されます。夫、父母、祖父母は、55歳以上(ただし、55~59歳は支給停止)です。尚、兄弟姉妹は含みません。

 そして、もらえる額は次の計算式で求めます

[(1)+(2)]×1.031×0.968×3/4

(1):平成15年3月までの被保険者期間分
平均標準報酬月額×(10~7.5)/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数

(2):平成15年4月以降の被保険者期間分
平均標準報酬額×(7.692~5.769)/1000×15年4月以降の被保険者期間の月数

・在職中等の死亡で加入月数が300月に満たない時は、300月で計算されます。

 また、遺族厚生年金には下記の要件で妻が40歳以上65歳未満の間、中高齢寡婦加算が加算されます。

(A):夫の死亡時に40歳以上の妻
(B):40歳時点で遺族基礎年金の受給権がある妻。(遺族基礎年金の受給権が消滅した時点で40歳以上65歳未満の妻。加算は遺族基礎年金の受給権が消滅した時から。)

 上記のいずれかに該当すれば、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算の加算が行われます。

 ただし、死亡した夫が年金受給者等であった場合は、被保険者期間が20年以上必要といった要件もありますので注意して下さい。尚、この中高齢寡婦加算の額は、583,900円です。

 さらに、残された妻が昭和31年4月1日以前生まれの場合、妻が65歳以降に、生年月日に応じて経過的寡婦加算として、583,900円~19,500円が加算されます。

 自営業の方と比較していかがでしょうか。遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金、さらに要件が合えば中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算が上乗せされるのです。会社員の方が生命保険を検討される場合は、2階建ての保障がある事も踏まえて、過剰な生命保険に入らないように注意して下さい。

 最後に、遺族年金は生計を維持されていた遺族に支給されますが、「生計を維持されていた」と認められるためには遺族の年収が850万円未満であることが必要です。

《松山 靖明》
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松山 靖明

松山 靖明

不動産管理の営業を経て、現在は生命保険に携わる。一貫して法人に関与し、経営者に寄り添える営業を目指す。他に地域の市民講師として年金・相続等の講演。NPO法人 日本FP協会(大阪)の「くらしとお金のFP相談室」2020年 相談員。スカラシップアドバイザーとして高校にて講演活動など積極的に展開。 <保有資格>:FP技能士1級、CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)、TLC(トータル・ライフ・コンサルタント 生保協会認定FP)、宅地建物取引士、DCプランナー2級、第2種情報処理技術者、小学校教諭、養護学校教諭、ビジネス法務エキスパート、ファシリティマネージャー、第一種衛生管理者、社会保険労務士、年金アドバイザー2級、生命保険支払専門士 寄稿者にメッセージを送る

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