国土交通省の発表によると10月に新設住宅着工戸数は、前年同月比で7.1%増加し9万226戸となったようです。単月の水準で見ると2008年10月以来の5年ぶりの9万戸超えです。ここにきて14カ月連続で前年実績を上回っています。住宅業界の営業の方は、さぞかし冬のボーナスが待ち遠しいことでしょう。

いま住宅を購入することは合理的

 この要因は、やはり消費増税の駆け込み需要でしょうか…。人の心理は面白いもので、税金が上がるぞ! 今買うぞ! となると、群衆心理でなだれうってくるようです。消費税導入時や5%UP時もそうでした。消費増税後の需要の落ち込みによる値引きの可能性や住宅ローン減税などを考えれば、さほど消費増税に煽られることもないとも思うのですが…。

 そもそも、住宅の購入や不動産の購入には何かきっかけがあると思いきることができるということはあると思います。住宅の営業をしている時に、最後の最後にいろいろな質問が浴びせられるときがあります。それは、時には住宅には関係のない経済情勢のこととか、金利の情勢とかです。いま、住宅を購入する自分の判断に誤りはないですよね…と確認をするかのごとく。

 要は、背中をひと押しして欲しいわけです。消費増税は、その気持ちの踏ん切りにはもってこいの要因だったかもしれません。

 住宅ローンの金利も依然最低レベルを維持していることや、東北の震災復興並びに東京五輪のインフラ整備による建築資材や職人さんへの賃金の高騰を考えると、いま住宅を購入することは消費増税を差し引いても合理的かと思います。

今後の生活費の見通しを立てよう

 世間のブームと勢いで思い切って住宅の購入を決断された方も、多数いらっしゃるかもしれません。老婆心ながら…ぜひライフプランのキャッシュフロー表を一度、作成してみてください。現在の生活費等の現状を再チェックして、使途不明金はないか…どの程度の金額を成り行きで消費しているか…などの現状の家計のあり方を分析し、今後の生活費の見通しを立ててみてください。

 そして、老後の生活のため定年(お勤めの場合)までに準備しておきたい資金の目安を付けてみてください。老後は、夫婦2人の場合、一般的には月27万円程度の生活費が目安といわれています。この27万円は、持ち家の場合が前提となっています。夫婦で老後、何年間過ごすか…例えば25年間とすると、月27万円×12月×25年間=8100万円。

 そして、ご主人が亡くなられた後の奥様1人の生活費は約20万円程度といわれています。奥様のみで5年間の生活とすると、月20万円×12月×5年間=1200万円。合計で8100万円+1200万円≒9300万円程度の生活費が必要になりそうと予想されます。この支出額から老後の公的資金の収入金額との差額が老後までに準備しておきたい金額となります。

 この準備は、当然に退職金や企業年金でもいいわけですが、一般的には2000万円~3000万円程度の準備が必要ともいわれています。

 そして、老後の資金のほかに子どもの教育費の目安もつけましょう。小学校、中学校、高校、までが公立…そして大学が私立の場合で約1050万円程度の費用がかかるとも言われています。小学校から私立にしたいとか塾や習い事の数では、その金額は大きく変わるかもしれません。

 この生活費や教育費、そして住宅ローンの返済額をキャッシュフロ-表で集計し、給与等の収入との差額を算出して、その累計額が老後のための準備資金に足りているか、否かを確認してください。足りていれば、問題ないでしょうし、不足の時には保険の見直し等の何かしらの対策を考えた方がいいでしょう。ぜひ、一度、ライフプランの確認をしてみてください。(執筆者:荒木 達也)