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ちょっとまって・・・その相続対策は正しいですか?

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ちょっとまって・・・その相続対策は正しいですか?

 相続対策…と一言でいってもいろいろなことがあります。まずは相続が起きた時にいろいろとしなければならない手続等をあらかじめ調べておく、他にも7日以内の死亡届に火葬許可署や埋葬許可書、生命保険金の請求、年金受給者死亡届、世帯主変更届、等々…それは、それは、やらなければならない手続は山ほどのようにあります。

 いざ相続といったときに何をやっていいかわからないと、悲しみにくれる間もなく何から手をつければいいのか…右往左往してしまうことでしょう。せめて、やることさえ分かっていれば、その段取りのスピードは自ずと多いに異なってくるでしょう。

 相続の手続等はエンディングノートに年金や保険会社の連絡先や担当者等を書いといてあげれば、連絡先を調べなくても済みますので、その負担は大いに軽くなるでしょう。

遺言書と相続財産の調査・分析が大切

 そして遺産分割の対策。これは、遺言書を遺しておくことが一番の対策となるでしょう。エンディングノートで自分の気持ちのみ遺されて、後は兄弟仲良く分けてといったような方法もあるかもしれませんが、やはり法的効力のある遺言書、それも、安全性を考えて多少の費用はかかるものの、公正証書遺言がさらには無難な選択でしょう。

 ただ…遺言を遺すといった場合に、誰に何を遺すと考える前に、相続財産の現状調査と分析はきちんとしておきたいところでしょう。遺言書は、一度書いても新しいものを書けば新しい遺言書が有効となりますので、書き直しOKと考えれば財産の調査や分析が甘くても、都度、新しく書けばOKとも思えます。

 が、しかし人間はいつ万が一が起きるかは、皆目、検討もつきません。遺言を遺そうと考え始めたら、相続財産の調査と分析を始めていただいた方が宜しいでしょう。特に不動産が多数あるときなどは、その不動産を誰にどうやって遺すか? あるいは、どの不動産で納税資金を準備するのか? 今のうちに収益性の高い不動産に組み替えようか…等々。

全体を見ながら自分にとってベストか考えよう

 納税対策や不動産活用を行いながらの節税対策を練らなければ、そもそもどうやって分けるのかは決まってこないでしょう。

 同様に、相続財産の全体の調査と分析を行い、かつ相続税のシミュレーションまで行って、分割方法や納税方法を考えていく…その過程で土地の活用をどうするかを考える…節税効果は…キャッシュバリューは…インカムゲインやキャピタルゲインは…等々を考えながら全体的にバランスのいい活用を考えるべきでしょう。

 生命保険も同様でしょう。全体をみながら…適正に必要な保障額を計算し…一番、メリットの高い商品を選ぶべきでしょう。ともすると、争族対策と銘打って遺言書を書きましょう、保険は四角・現金は三角といっては相続に備えて分割や納税に必要な保険に入りましょうといっては全体的なバランスを見ることなく保険の勧誘が行われています。

 また、土地活用にいたっても、全体のバランスを見ることなくピンポイントにこの土地にこのアパートを建てましょう…収支はいくら残ります…相続税の評価額はいくら下がります…を売り文句に販売が行われています。

 理論的には、誤った提案はしてきていません。一番の問題は、その提案がその人にとってベストなチョイスかでしょう。全体を見ずにしてきた提案は…何か無駄な部分があることが多いようです。

 相続対策、ちょっとまって…その対策は、本当にあなたにとってベストな対策ですか? くれぐれも、そのことを念頭におきながら、相続対策を進めていって頂きたいなと思います。(執筆者:荒木 達也)

《荒木 達也》
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荒木 達也

荒木 達也

株式会社ARK財産承継コンサルタンツ 取締役 (荒木不動産コンサルティングFP事務所 代表) 不動産会社での経理業務、大手不動産会社系列の住宅メ-カ-での住宅・不動産の営業、財産コンサルティング会社での財産コンサルティング業務、会計事務所での相続税等税務全般の申告業務に従事した後、相続対策での不動産対策の重要性を痛感し、公平中立な視点で提案を行う不動産・相続をメインとしたFP事務所を開設し今春新たに法人化。株式会社ARK財産承継コンサルタンツ(荒木不動産コンサルティングFP事務所)は、CFP、不動産コンサルタント、トータルライフコンサルタントである一人のコンサルタントの視点で、財産の現状分析から税務、不動産、相続、保険、資産運用等の総合的な財産コンサルティングを行います。不動産・相続・ライフプラン・保険・資産運用・住宅取得・住宅ローンなど、お気軽にご相談ください。 <保有資格>:CFP、1級FP技能士、不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、証券外務員2種、住宅ローンアドバイザー、トータルライフコンサルタント、MBA・税理士試験(簿記論・財務諸表論取得)、日商簿記1級 寄稿者にメッセージを送る

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