消費税率引上げを前にした駆け込みも一段落し、これから住宅を購入しようと考えている方にとって気になるのは、今後の住宅価格を金利動向でしょう。

 今回は住宅ローン金利について考えていきましょう。金利の体系としては、固定金利と変動金利があります。これに期間をあてはめた分だけ組み合わせができるわけです。

変動金利が固定金利より低くなっている背景

 金利の高い低いでいいますと、変動金利の方が固定金利より低くなっています。当たり前のように言われていますが、変動金利のベースとなっている短期金利が固定金利のベースとなっている長期金利より低いからというきっちりした理由があります。

 長期金利が短期金利より高いということは、先行きインフレが期待されているのです。ですから理屈上は、長期金利が短期金利より低くなることもあり得ます。

 日本の金利が歴史的な低金利であることは皆さんご存知の通りです。歴史的な低金利だから、もうこれ以上は下がらないだろう、この先は上がることしかあり得ない、という一種の恐怖感を持って変動金利を選んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 とはいえ、変動金利なら0.7%や0.8%、5年間の期間選択型でも1%前後の商品がありますから、できるだけ低い金利を利用したいと願う方もたくさんいらっしゃるでしょう。

 そこで、3000万円を30年ローンで組んで、

(1) 30年間全期間固定を金利2.3%で借りた場合
(2) 0.8%が5年間続いた後、残りの25年は何%だと同じ支払額になるのか

 の2つをシミュレーションをしてみます。つまり、この低金利があと5年続いたと仮定した場合に、その後どのレベルまで金利が上がると(1) との返済額が同じになるかの検証です。

シュミレーション結果

(1) 30年間全期間固定を金利2.3%で借りた場合

 返 済 額 115,440円/月 
 返済総額 41,558,578円

(2) 0.8%が5年間続いた後、残りの25年は何%だと同じ支払額になるか

 当初五年間 返 済 額 93,761円/月
       返済総額 5,625,660円…(ア)
       5年後のローン残高 25,486,226円
       その後の25年間 ローン残高25,486,226円を金利2.915%
       返 済 額 119,735円/月 

 返済総額 35,920,449円…(イ)
 (ア)+(イ)=41,546,109

(3) 当初5年間の(1) と(2) の返済額の差額(1,300,740)を5年後に繰り上げ返済した場合

 5年分の差額 (115,440円-93,761円)×12か月×5年=1,300,740円
 その後の25年間 ローン残高24,185,486円を金利3.4%
 返 済 額 119,785円/月 

 返済総額 35,935,507円…(ウ)
 (ア)+(ウ)=41,561,167

 以上のように、現在の金利水準が5年続くとかなりのメリットが享受できることが分かります。安定的な返済を考えているのであれば固定金利といった発想だけではなく、低金利のメリットを考えても良いのかもしれません。(執筆者:本間 慶喜)

(注)計算を簡素化するため、各種手数料については考慮していません。実際の数値は上記の計算と異なりますので、ご了承下さい。