ロシア軍がウクライナ南部を事実情の占拠、ロシア軍とウクライナの情勢は日増しに緊迫度を増している。

 この情勢は、米欧を巻き込むだけでなく、ロシアでのG8をボイコットしたいきさつもあり、全世界に波及しようとしている。

 一部では、米・ロの冷戦状態の復活とさえささやかれている。こうした情勢は、とりわけ日本への影響は大きく、早速、東京株市場での影響が出始めた模様だ。

 外為市場では、比較的安全とされている円が買われ、円相場東京取引で、3日の株価は一時1ドル101円20銭まで上昇,1ヵ月振りの円高ドル安水準を付けた。

 東京市場での日経平均株価は、一時前週末終値比、400円近く急落した。こうした株価への影響は、米国・ロはもとより、ヨーロッパ全土に拡大、各国は株価が軒並み下落し、世界的な株安の不安が高まってきたと言えよう。

 これは、ウクライナの緊迫した情勢は、投資家の間にリスク回避の動きが高まったことが要因と見られている。

 欧州の株式市場は、ウクライナ情勢の影響は大きく、軒並み急落減少に見舞われているようだ。これは特別の事情もあり、深刻さを増している。

 その要因として、ロシアがウクライナの天然ガス供給を、削減方向と見定め、石油と金相場が急伸したことにある。欧州では、石油の代表的指標となる北海のブレンド石油先物相場が2%以上の値上がりを見せていることだ。

 金先物相場も一時1オンス=1350ドルと約4ヵ月振りの高値を記録した。こうしたウクライナを巡る動きは、欧州の金相場にも波及し、今後大きな影響を与える懸念が予想される事態になってきた。

 それは、ウクライナ向けの融資が多い、欧州の銀行株価の急落である。実際現地では、混乱を予想して、引き出し額制限の動きが出始めてようだ。

 ウクライナ中央銀行の要請を受けた、イタリアのイタリア・クレディトは、現金自動受払機(ATM)引き出し制限すると発表した。

 こうした事態に、今後各銀行での取り付け騒ぎの可能性も予想され、予断を許さない状況が続くものと思われる。

 こうした情勢に、西欧の銀行は、ウクライナからの撤退や、事業縮小の動きをも出始めた模様だ。ウクライナ緊迫情勢が今後も続くと、国のディフォルト(債務不履行)の懸念を指摘する向きもあるが、それは当面回避できる模様だ。

 その要因は、外貨不足に陥っているウクライナに対して、日米欧を中心とした先進7ヵ国が金融支援の方針を打ち出したことだ。今後のウクライナの方向は、米国の動きにかかっているとの見方が支配的と言えよう。(執筆者:向井 潤)