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相続税の改正は“大”増税か? 実際に相続税はどのくらい上がるのか

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相続税の改正は“大”増税か? 実際に相続税はどのくらい上がるのか

相続税の納付は4%から8%に?

 消費税率が8%に引き上げられ、次は来年の相続税。「“大”増税時代来る~あなたも相続税の納税者に!」などというキャッチ・フレーズを目にしたことはありませんか。改正の一つに基礎控除額の引下げがあります(平成27年1月1日の死亡より適用)。

 平成24年中(平成24年1月1日~12月31日)に死亡した被相続人の数は125万6359人で、相続税の申告書(相続税額があるもの)の提出にかかる被相続人の数が5万2394人ですので課税割合は4.17%です。基礎控除額の引下げによってこの割合が8%になるとか、都市部では地価が高いので10%なるなどと推測されています。

相続税はどのくらい上がるの?

 さて、相続税の計算は、正味の遺産額から基礎控除を引いたもの(課税遺産額)に税率を乗じて計算されます。したがって正味の遺産額が基礎控除以下であれば、相続税は発生しません。

 法定相続人が3人(配偶者+子供2人)の場合の基礎控除額が、8,000万円から4,800万円縮小されるので、正味財産が8,000万円のケースでは、今年中の死亡ならば相続税は0円ですが、来年以降は相続税がかかってきます。では、いくらくらいになるのでしょう。

(2014年)8,000万円-8,000万円=0・・・相続税は0
(2015年以降)8,000万円-4,800万円=3,200万円・・・ここに税金がかかる

 計算過程は割愛しますが、税額は350万円です(配偶者の税額の特例は考慮していません)。3人で割って1人当たり116万円強。年内なら0円ですから、それからすれば大変な額となりますが、2,600万円くらい貰って、116万円の税金を納付って考えるとどうでしょう。

過去の改正

 この基礎控除額ですが昭和の終わり頃からだけでも、

昭和63年12月の改正前 2000万円+400万円×法定相続人の数(3200万円)
昭和63年の改正 4000万円+800万円×法定相続人の数(6400万円)
平成4年の改正  4800万円+950万円×法定相続人の数(7650万円)
平成6年の改正  5000万円+1000万円×法定相続人の数(8000万円)
*カッコ内は法定相続人が3人とした場合の基礎控除額。

 こんなに改正されています。

 バブルの影響で地価が高騰し、それに合わせて基礎控除額を引き上げられていったのです。現在の地価はバブル期から見れば下落しましたので、今度はそれに合わせて基礎控除額を引き下げたというわけです。改正前後だけで比較すると確かに増税ですが、歴史を遡ってみると必ずしもそうとは言えないかもしれませんね。(執筆者:本間 慶喜)

《本間 慶喜》
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本間 慶喜

本間慶喜税理士事務所 所長・税理士 総合印刷会社勤務後、イギリス留学を経て、外国為替仲介業者へ転職。東京、ロンドン、シンガポール市場で13年半通貨オプションの取引に従事。その後一般会社の専務取締役として会社経営に携わる一方、税理士、宅地建物取引主任者、ファイナンシャルプランナー(CFP)等の資格を取得。丸の内の税理士事務所勤務を経て、2013年8月に独立開業。会社員としてまた経営者としての経験を生かし、顧客の立場に立った顧客の目線での税コンサルティング、ファイナンシャルプランニングサービスの提供を行っている。海外勤務の経験を生かし、外国人顧客へのサービスも展開中。また、中央大学特別講師として、学生に自らの経験を伝える講座を担当している。 <保有資格>:税理士、宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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