これから、住宅ローンの金利が上がるのか、変わらないのか、それとも下がるのか? よく話題になることです。

 アパート大家が融資を得るときに固定金利にすべきか、変動金利にすべきか、悩みます。私も10年に固定金利を選択し、いまでも高い金利と解約した場合のペナルティーに縛られています。この費用のロスは100万円を超えるものです。小さなアパートの融資でもこのような差が出るので、大型アパートや大企業の場合、金利予想を外してしまったらもっと大きなロスが出てしまいます。

 2年前のお話しですが、銀行融資セミナーを主催する機会がありました。長くお付き合いをしている銀行員さんに話をしていただき、そのときに発言された内容は、「2012年、これから金利は上がらない。」とのことでした。このセミナーには多くの会員さんが参加し、裏話しもあり好評を博しました。

「金利が上がらない」と断言できた理由

 その銀行員さんが、先日早朝から事務所を訪問してくれました。早朝訪問のひとこと目に、笑顔で「セミナーで話したことが、当たったでしょう。」でした。勢いが良い言葉でしたが、内心はほっとしていたようです。彼が予想をしたのは銀行金利です。金利を予想することは難しいことですし、聴講者からの質問に答える形でしたが、セミナーで将来の予想を答えることは勇気がいることです。

 当時は政権が変わり、株価が上がり始め、景気がよくなるとのニュースが出始めていて、一部では金利も上がるのではないかとの声もありました。銀行員さんの当時の予言は「金利はまだ上がらない」とのことで、実際この2年間金利は上がっておらず、いくつかの銀行では金利が下がっています。

 金利が上がるか、金利が下がるか、2分の1位置の確率の話です。しかし、私が参考になるなと感じたのはこの後でして、どのようにして予測をしたのかについてです。この時私は、「何故、金利は上がらないと多くの人の前で言い切ったのか」を聞くことができました。

 その銀行員さんの回答は、”肌感覚”とのことでした。毎日毎日、銀行員としての仕事をしていて、肌で感じていたのです。銀行で使われていた言葉、連絡事項、指示系統など。「圧倒的に金利を下げるための圧力が多かった。」、「金利を上げる圧力はなかった。」とのことでした。

 一般的なニュースや情報ではなく、現場にいる人だから感じられること。過去の経験だけではなく、いま現在起きていることに敏感になり掴んだものから、予想された言葉だったのです。

 金利は社会に大きな影響を与えるものですが、それだけに銀行の中ではあらかじめ小さな変化が起きているのだと思います。経験があって、敏感にそれを感じられる銀行員さんが身近にいることはとても有効です。そして、現場で感じ取ったことをセミナーで話してくれる勉強会があることを知ってもらえればと思います。これからも、この方とは良い関係を続けさせていただきます。

効果的なセミナーの聞き方

 さらに、セミナーを受ける人も、セミナー講演者の言葉に敏感になれるとよい効果があります。当時のセミナーでも、この方は細かな銀行内部の情報は一切お話ししませんでした。「予想ですが」、「〇〇かと思います」、「△△と感じています」などとして、断定的な言葉を使ってはいません。どこまでを信じるのかは、聞き手の経験値にもよります。セミナーに参加すること、そして聞き手としてこのような言葉をどのようにとらえて行動するかは、あなた次第です。

 銀行員さんでも、実力がある人とそうでない人。現役の人と、そうでない人。今後どのような人と、お付き合いをしていくのかを決めるのもあなたです。できるだけ多くの人の話を聞くことで、誰の言葉を参考にしてよいのかが見えるようになります。講師として、コラム、書籍、セミナーなどにて伝えていることに理由がなく矛盾がある場合は、やはり問題があると思います。

 今回のテーマは、金利を予測した事例ですが、

・将来の土地相場
・将来の建築資材の価格相場
・将来の家賃相場

 などを大きく見間違えてしまうことは失敗のもとです。

 不動産投資や不動産賃貸業はリスクを伴うものです。

・良い土地と悪い土地
・優良建物と不良建物
・良い仲介業者と良くない不動産業者

 などを的確に見分けられること。

 そして、大きな判断し間違いをしないためにも、たくさんの情報を集めることをお勧めします。セミナーに参加することや先輩大家さんの体験談を聞くことも有効なことです。

 そして、良い素質と実績が伴った業者さん、専門家と良い関係を築くことを継続してください。その先にある目標達成ができることを期待しています。(執筆者:大長 伸吉)