本日は、年初から低迷が続く日本株相場の展望についてお話しします。NISA(少額投資非課税制度)元年として期待された今年の日本株相場ですが、日経平均は年初の16147円からわずか1カ月間で約13%も下落し、その後も14000円~15000円のボックス圏を抜け出せない状況が続いています。

 5月2日現在、日経平均は年初から依然10%下落した14457円の水準にあり、世界の主要25市場の中でもロシアの18%に次いで突出した下落率となっています。

株価は短期的には需給、中長期的にはファンダメンタルズを反映

 市場では、外国人投資家によるアベノミクスや追加金融緩和の後退に対する失望などで説明しようとしていますが、日本株が突出して下落している理由としては説得力に欠けます。

 ここでのポイントは、「株価は短期的には売りと買いの力関係である需給に左右されるが、中長期的にはファンダメンタルズを反映したフェアバリューが形成される」ということです。

 短期的な需給要因としては、日本株市場の特殊性とも言える売買シェアが6~7割を占める外国人投資家のインパクトは大きく、中でもHFT(高速高頻度取引)を利用した鞘取りトレードを行なうヘッジファンドが市場を振り回していると言えます。

 日銀の追加金融緩和を巡っては、甘利経済再生担当大臣が「市場が勝手に期待し、勝手に落胆している」と述べたように、日銀の政策決定会合を格好のイベントと捉えたヘッジファンドが、収益となるボラティリティの上昇を狙って意図的に買い上がりと売り浴びせを繰り返しており、こうした状況をファンダメンタルズから説明しようとしても辻褄は合いません。

私利私欲では動かない日、米、欧の中央銀行の政策に注目

 こうしたなか、個人投資家が株式投資を行なううえでは「私利私欲では動かない日、米、欧の中央銀行の政策を見ておけば良い」と言えます。

 経済のセオリーから言えば、副作用を生みかねない追加金融緩和なしにインフレが進展している現状の日銀の政策を評価すべきであり、こうした環境下での今期の企業業績も過去最高水準に達する見通しです。

 昨年の例で言えば、FRB(連邦準備制度理事会)による量的金融緩和縮小の可能性が高まる度にヘッジファンドの売りで米国株は下落しましたが、いざ量的金融緩和縮小が始まるとファンダメンタルズの改善を評価し、現在のNYダウは史上最高値水準まで上昇しているのです。

 以上のことから、個人投資家は目先のテクニカルな株価動向に一喜一憂することなく、中長期的なスタンスで臨めば、ここからの投資成果は十分に得られると思います。(執筆者:青沼 英明)