約1カ月間に渡った3月期決算企業の決算発表シーズンも、今週(12~16日)で終了します。全体では14年3月期が30%超の経常増益となり、15年3月期も慎重な会社計画が目立つ中で1割近い増益を維持し、過去最高の利益水準が見込まれています

 一方、決算発表シーズンの株価動向をみると、個別では会社予想と市場コンセンサス(アナリスト予想の平均値)との乖離幅によって株価が上下する例年通りの傾向がみられましたが、全体的には日経平均が約2%下落し、TOPIXも横ばいに止まるなど、良好な企業業績を反映した株価動向とは言えません。

今後起こり得る市場コンセンサスの修正に着目した投資判断が有効

 決算発表時の重要指標となる市場コンセンサスとは、株価や為替などの市場価格に織り込まれているアナリストやエコノミストが予想する企業業績や経済指標などを指しますが、そもそも少数の専門家の予想で市場価格の変動を説明できるものではありません。

 ただ、投資家の多くは市場価格の変化に対する原因を突きとめて納得しようとする傾向があるため、市場コンセンサスを利用する際は間違った因果関係に注意を払い、あくまで市場価格の変動を便宜的に説明するためのツールと考えるべきです。

 このことを理解した上で、決算発表シーズン終了後の日本株投資のポイントをあげれば、今後起こり得る市場コンセンサスの修正に着目した投資判断が有効と思われます。

 前述のように、決算発表直後の個別企業の株価は、会社予想と市場コンセンサスとの乖離幅によって株価が上下しますが、当初は単純に数字のみに反応する傾向が強いと言えます。

 ここで重要なことは、従前の企業情報に基づく市場コンセンサスの業績予想と、決算発表時の新しい内部情報に基づいた会社予想には情報格差があるため、従前の市場コンセンサスは新しい情報をベースとした予想に再構築されていくことです。

 そうであれば、今後起こり得る市場コンセンサスの修正に着目して会社予想との新たな乖離を見つけ出し、株価に織り込まれる前に買付や売却を行なうことです。

 特に、今期は慎重な会社予想が目立つだけに、会社予想との比較で上振れ余地が大きい銘柄に投資出来れば、一定の投資成果が得られると思われます。(執筆者:青沼 英明)