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貸宅地物納を見直そう(後編) チェックポイントと申請書類

 更地と違って貸宅地には、借地権という第三者の権利が付いているため、物納のためにはクリアしなければならないポイントがあります。

 たとえば、次のような場合は、管理処分不適格財産として却下されます。

(1) 境界が明らかでない場合
(2) 賃貸借契約の内容が地主に著しく不利な場合
(3) 賃貸料の滞納がある場合 など

 また、接道要件を満たしていない土地などは、物納劣後財産として、他に適当な財産がある場合には物納できません。

 そして、物納申請時には、次のような書類を揃える必要があります。

(1) 境界確認書
(2) 土地賃貸借契約書
(3) 借地の範囲、面積、境界を確認できる実測図(借地人毎)
(4) 物納申請前3か月間の地代の領収書の写し
(5) 敷金や保証金などを国に引き継がないことの確認書 など

 昔からの借地は、契約書が取り交わされていないことがよくあります。また、多数の借地人が存在する広い土地は、境界確認に日数がかかります。さらに、安すぎる地代は是正しておく必要があります。 これらのことをクリアするためには、やはり、生前から早目に対策を講じることが重要です。 

 では、借地人にとっては、底地を物納されるとどのような影響があるのでしょうか?

 基本的には、地主が国に変わるというだけで、借地人の地位は変わりません。逆に、借地人と地主とのわずらわしい人間関係が不要。いつでも払下げが可能。更新料も不要などと、メリットを感じる借地人も多いようです。

 ちなみに、平成24年度の物納許可件数は205件です。申請すればほぼ通っています。相続税対策というと、節税面に目が行きがちですが、それ以上に、選択肢を広げるための手を打っておくことが大切ではないでしょうか。(執筆者:和田 清人)

この記事を書いた人

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和田清人測量登記事務所 代表
1988年、近畿大学理工学部原子炉工学科卒業。制御機器メーカー勤務を経て、2003年和田清人測量登記事務所を開設。土地家屋調査士として不動産の登記や境界の相談に応じながら、土地相続専門FPとして相続対策ならびに相続税対策のアドバイスを行っている。境界問題や相続税をテーマにした講演や執筆多数。そのわかりやすさには定評がある。現・日本FP協会大阪支部副支部長、大阪府不動産コンサルティング協会理事。元・大阪土地家屋調査士会広報部長。
<保有資格>AFP、公認不動産コンサルティングマスター
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