2015年1月からの相続税増税を受けて、今、相続税の節税対策もめぐって、各金融機関がしのぎを削って過激な競争を展開しています。特に都市部を中心に新たに相続税が課税されたり納税額が増えたりする世帯も多く、相続財産を減らせる生前贈与に関心が集まっている。

 そもそも、生前贈与とは生きているうちに財産を子どもや孫にわたすことで、贈与税であれば年110万円までは贈与税が非課税となっている。

贈与税の計算方法= ( 贈与価額 – 110万円) × 税率 − 控除額

 しかしながら、実務的には、「子ども名義の預金通帳を親が管理している」、「あらかじめ年100万円を10年間贈与すると約束する」といった場合は相続税や贈与税が課される可能性もあるため、贈与の成立には契約書をつくる事や110万円を少しだけ超える贈与をして、わずかな贈与税を払い、税務署が間違いなくその年にその金額を贈与したとしておくことなどの一定の手続きが必要とされ、今まででも、二の足を踏む人が多かった。

 そのことも踏まえて、生保各社等では、生前贈与と終身保険や個人年金保険の加入を組み合わせる対策をすすめている。贈与されたお金で保険料を支払い、親が亡くなったときや一定期間後に保険金を受け取れる。(そして、贈与契約書も作成して申告しておくことも必要)

 日本経済新聞掲載記事によると、日本生命保険は4~7月に生前贈与に絡み約6000件の契約を取り、前年同期と比べて1.9倍になった。明治安田生命保険は4~7月に相続に関するセミナーを200回ほど開き、6600人が参加した。相続絡みの契約は約6500件と78%増えたそうである。

 これは、私自身の主観になりますが、恐らく、こうしたトレンド(傾向)は、変更月の1月を迎える間際頃からは、より活発になってくるようにも思われますし、更に3月度の定年退職時期を迎えて大きな収入源(退職金)が入る時期には、計画的に生前贈与計画を実行に移される方がより多くなっていくように思えてならない。

 本当に、自己財産を有効に守るという意味での計画的な節税対策は意義も大いにあるとは思うが、あまりに表面的な案内のみに流されてしまい、後に、他に回避する選択肢がまだ他にも存在していたとか、二次相続がすぐに発生してしまいかえって大きな被害に遭ってしまったなどという事がないように、アドバイスする側も、される側も総合的に判断をする必要性はあると思う。(執筆者:中川 透)