新旧2つの制度が併走している『生命保険料控除』 賢く活用できてますか?

 「生命保険料控除」とは、払い込んだ生命保険料に応じて、一定の金額が契約者(保険料負担者)のその年の所得から差し引かれる所得控除のひとつです。税率を掛ける前の所得が低くなることにより所得税、住民税の負担が軽減されます。

*算出した所得税額から、一定の金額を控除する税額控除とは異なりますのでお間違えのないように。

現在、新旧2つの制度が併走している

 その「生命保険料控除」ですが、平成24年(2012年)の年末調整から新旧2つの制度が併走しており、平成24年1月1日以後に新規で生命保険契約を締結もしくは、旧生命保険契約の更新等をおこなった場合は新制度での適用になります。

 そうすると、人によっては新旧2つの制度が適用される生命保険契約を保有しており、年末調整が少し複雑な場合がでてきます。

新制度と旧制度の違いについて

 2つの制度の違いのポイントは、3つ

(1) 「区分」が旧制度では2つ(一般・個人年金)だったものが、新制度では、3つ(一般・介護医療・個人年金)に改正されたこと。

(2) 一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の適用限度額が変更されたこと。詳しくは、下記の図1にて。

(3) 制度全体の適用限度額が変更されたこと。詳しくは、下記の図2にて。

(図1)

控除限度額表

注)年間払込保険料は、その年の1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料です。なお、税制適格特約の付加された個人年金保険以外は、一般的にその年に支払われた配当金を差し引いた金額になります。

(図2)

控除限度額表2

(図1、2共 出典:公益財団法人 生命保険文化センター)

 新制度と旧制度を併用適用する場合、新制度と旧制度の合計額が申告額となりますが、併用適用する場合の区分ごとの限度額及び、制度全体の適用限度額は新制度のものとなります。

 そうすると、新旧2つの制度が適用される生命保険契約を保有していても、申告額は併用適用しないほうがお得な場合も出てきますので、お得なほうで申告するようにしてください。

生命保険料控除証明書について

 年間払込保険料を証明する「生命保険料控除証明書」ですが、概ね10月中旬~下旬位に生命保険会社より発送されます。

 内容は、9月下旬ないしは10月上旬までの支払確定分と年末までの支払予定分に分けて払込保険料が記載されております。10月以降、解約等しなければ支払予定分が年間払込保険料ということになります。

*面倒な場合がひとつあります。

 当初契約日が11月もしくは、12月(場合によっては10月も)の方で、保険料を年払いにされていますと、「生命保険料控除証明書」が10月中旬~下旬位には届かない場合があります。(それは生命保険会社の確認日時点では、保険料支払期日前のためです)

 そうすると、勤務先の年末調整書類提出期限に間に合わない場合がでてきます。生命保険会社によってはうまく対応してくれる場合もありますが、できないと断られる場合もありますので、年払いで加入される場合は注意してください。生命保険料控除を受けられなくなるわけではありませんが、場合によっては、毎年、確定申告することになり面倒です。

 生命保険料控除をうまく活用できれば、生命保険商品を使って「貯蓄する」ことのメリットがでてくる場合もあります。ただ単に、所得税・住民税が安くなるというだけではないかもしれません。賢く、戦略的に「生命保険料控除」を活用することを検討されてみてはどうでしょうか。(執筆者:小木曽 浩司)

この記事を書いた人

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リップ ラボ 代表
1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。
<保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー
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