10月7日にIMF(国際通貨基金)が世界経済見通し(WEO)を発表しました。 (※世界経済見通し(WEO)原文へのリンクは最下部”外部参照”に掲載)

世界各国の経済成長率見通し

 「社債投資まとめ!」でも取り扱っている個人向け社債の主な発行通貨国について、IMFによる経済成長率の見通しは以下のようになっています。

経済成長率
実績 今回見通し(10月) 前回見通し(7月)
2013年 2014年 2015年 2014年 2015年
世界 3.3 3.3 3.8 3.4 4.0
日本 1.5 0.9 0.8 1.6 1.1
米国 2.2 2.2 3.1 1.7 3.0
欧州 ▲0.4 0.8 1.3 1.1 1.5
英国 1.7 3.2 2.7 3.2 2.7
オーストラリア 2.3 2.8 2.9 -(※) -(※)
ニュージーランド 2.8 3.6 2.8 -(※) -(※)
ブラジル 2.5 0.3 1.4 1.3 2.0
ロシア 1.3 0.2 0.5 0.2 1.0
インド 5.0 5.6 6.4 5.4 6.4
中国 7.7 7.4 7.1 7.4 7.1
南アフリカ 1.9 1.4 2.3 1.7 2.7
トルコ 4.0 3.0 3.0 -(※) -(※)
インドネシア 5.8 5.2 5.5 -(※) -(※)
メキシコ 1.1 2.4 3.5 2.4 3.5

 ※IMFの世界経済見通しは年2回(4月、10月)に発表され、その間の1月と7月にはアップデートが行われます。前回7月に行われたアップデートでは、オーストラリア、ニュージーランド、トルコ、インドネシアについての国別予測はありません。

個人投資家としておさえておきたい世界経済見通しのポイントは?

 前回7月の見通しからの変化としては、世界経済全体では2014年・2015年ともに小幅に下方修正されています。米国が上方修正される一方で、先進国では欧州・日本、新興国ではブラジルが下方修正されています。

 今後1年間で景気後退に陥るリスクについては、以下のような見通しになっています。

  • ユーロ圏:35~30%
  • 日本:25%
  • 米国:15%
  • ラテンアメリカ:10%
  • アジア:0%
  • その他地域全体:30~35%
  •  米国やアジアを除くと景気後退リスクは相当程度ありそうです。

     一方、今後1年間でデフレになるリスクについては、ユーロ圏は30%と高めになっていますが、他の地域ではデフレリスクは無いと評価されています。

     2015年に向けては、米国経済が堅調に成長することで世界経済全体の成長率も底上げされる見通しとなっています。ただし、ユーロ圏がデフレおよび景気後退に陥るリスクも30%~40%あることは大きな波乱要因です。ユーロ圏がデフレリスク回避と景気刺激に向けた金融緩和を進めていく一方で、米国は少ないながらも景気後退リスクは存在しているため慎重に金融緩和縮小を進めていく必要があります。

     個別にみると、新興国の中で今年は低成長だったブラジルと南アフリカの経済成長率は改善する見通しになっています。また新興国の中でも比較的経済が堅調なインドやメキシコは引き続き経済成長率が上昇しています。これら新興国の経済成長が、米国の金融緩和でどのような影響を受けるかも大きなリスク要因です。

     全体としては経済成長が回復していく見通しの中、局所的にリスク要因が存在する世界経済見通しと言えます。いずれにしても経済成長率が回復しない限りは金融緩和政策が継続され、個人向け社債・外国債券の利率も上昇しません米国の金融緩和縮小や、弱含みな欧州経済などのリスク要因をうまくこなして、世界経済が回復していくことを期待したいところです。(提供:社債投資まとめ!)

    【外部参照】
    WORLD ECONOMIC OUTLOOK (WEO) Legacies, Clouds, Uncertainties October 2014(PDF)