待機児童の解消、職場復帰・再就職の支援、女性役員・管理職の増加―。今、安倍内閣が推し進める成長戦略のかなめとなるものですが、本当に、女性が働きやすい社会は実現されるのでしょうか?

 保育園を増やして待機児童を解消したり、女性の役員を増やしたりする以前の問題として、「妊娠しづらい」、「妊娠することで職を失う」というマタハラ問題が、働く女性にとって大きな心配事になっています。マタハラに遭わずに平和的に妊娠・出産することはできるのでしょうか?

 マタハラとはマタニティ・ハラスメントの略で、妊娠している人や、妊娠しようとする人への嫌がらせです。「誰があなたの仕事を穴埋めすると思っているの?」といった嫌がらせ発言や、退職するように誘導するといったことがおこなわれています。

 調査によっても異なりますが、妊娠した女性で働いている人のうち、2~3割はマタハラを経験していると言われているんです。

自己防衛でマタハラ回避を

 マタハラが話題になっていますが、妊娠した人や出産した人が快適に働ける環境が整備されるには、時間がかかるでしょう。今すでに妊娠中の方や、近い将来妊娠したいと思っている人の場合は法整備が間に合いません。そこで、大切になるのが自己防衛です。

妊娠・出産に関する法律を知る

 たとえば、妊娠を理由に解雇したり、降格させたりするのも違法です。妊婦を重労働に就かせるのも違法です。こういった知識がないために、言われるがままにつらい環境で働いていたり、退職せざるを得ない人も多いのです。まずは自分が知識をつけて、不利な状況に追いやられないようにしましょう

職場の理解を得る

 残念なことに、職場の人間関係が良好かどうかで妊婦の扱いに差が出ることもあります。仲良くしすぎる必要はありませんが、良好な関係を築いておくようにすると、スムーズに産休・育休がとれることもあります。また、そのためには「妊婦だから優遇されて当然」というような態度はやめておきましょう。

転職も考える

 妊婦や小さい子供がいる女性への配慮はあってしかるべきではありますが、やはり、仕事内容によっては十分な配慮が得られにくいところがあるのも事実です。急に休むのが難しい、長期休暇がとりにくい、という職場で働く人は、転職することも考えてもいいかもしれません。

 産休・育休をとるのではなく、「今のうちにしっかり稼ぎ、妊娠したら退職して数年後に再就職する」というやり方ができないか、検討してみてもいいでしょう。

 女性が妊娠・出産を経て働きつづけるというのは、まだまだ簡単なことではありません。法整備も周りの理解も充実していくことが求められますが、当事者自身がある程度自己防衛することで働き続けることも可能になりますから、ぜひ自分の今後の働き方についても考えてみてくださいね。(執筆者:吉見 夏実)