二世帯住宅の基本タイプと登記の種類及び、税負担等のまとめ

 いよいよ相続税が増税される2015年まで1か月を切り、カウントダウンが始まりました。「相続対策」をうたったセミナーなども各地で多数開かれて盛況のようです。今回は、その中の「二世帯住宅」を取り上げたいと思います。

 二世帯住宅を建てる際、どのような建て方で、どのような登記をするかによって、購入時の不動産取得税の負担や購入後のランニングコストともいえる固定資産税の負担、そして、今回緩和される小規模宅地等の特例の享受にも関わってきますので、改めてまとめてみたいと思います。

二世帯住宅の基本タイプ(建て方)とは

(1) 玄関共用タイプ

 玄関は1つで、内部で住み分けるタイプ。外観は1つの家と変わりませんが、プランニングや設備の工夫により、さまざまな二世帯同居プランの対応が可能です。

(2) 内部階段タイプ

 玄関を1階に2つ設けて内部階段で上がるタイプ。上下階で二世帯が住み分けるので、完全に別々の生活がおくれます。
  
(3) 外部階段タイプ

 1・2階に玄関を設けて、2階へは外部階段で上がるタイプ。(2)と同様に上下の階で住み分けられます。内部階段を設ければ内部で行き来することも可能。
 
(4) 並立タイプ(連棟タイプ)

 両世帯が並立しており、2軒並べたようなタイプ。 それぞれが上下階を使えて音や振動の心配があまりありません。


 (1) 玄関共用タイプ (2) 内部階段タイプ (3) 外部階段タイプ (4) 並列タイプ 

登記の種類は、3種類あります

・単独登記……親か子のどちらかが全ての資金を負担し、資金を出した方の名義で登記する方法

・共有登記……1つの建物を親子共有名義で登記する方法

・区分登記……親世帯・子世帯を別の住戸としてそれぞれの名義で登記する方法

基本タイプ別にできる登記の種類まとめ

(1) 玄関共用タイプは、単独登記 or 共有登記

 このタイプは、区分登記はできません。

(2) 内部階段タイプは、単独登記 or 共有登記 or 区分登記

 完全に親・子世帯を界壁で間仕切るか、鍵付き防火扉であれば区分登記ができます。

(3) 外部階段タイプは、単独登記 or 共有登記 or 区分登記

 区分登記するには完全に親・子世帯を間仕切るか、内部階段の上下どちらかに界壁と鍵付き防火扉を設ければ区分登記ができます。

(4) 並立タイプ(連棟タイプ)は、単独登記 or 共有登記 or 区分登記

 両世帯を界壁で間仕切るか、鍵付き防火扉であれば区分登記ができます。

税負担(住宅ローン控除含む)や住宅ローン面においてのポイント

 ポイントは二世帯住宅が1戸とみなされるか2戸とみなされるかということです。

 結論としては、単独登記・共有登記は1戸とみなされ、区分登記は2戸とみなされます。

 ですから、単独登記・共有登記については、不動産取得税や固定資産税の軽減措置の適用の有無は、土地についても建物についても、二世帯住宅全部の広さで判断されます。区分登記については、不動産取得税や固定資産税の軽減措置の適用の有無は、それぞれ各戸の広さで判断されます。

 そして、今回緩和される小規模宅地等の特例については、単独登記・共有登記については、丸々土地全体に適用できますが、区分登記については、2015年以降も親の住んでいる建物部分に対応する土地だけに適用となります。子の住んでいる建物部分に対応する土地は特例の対象になりません。

 これは、「建物の所有権をそれぞれ分けている」ということは、「同じ分譲マンションで別々の部屋に住んでいるのと変わりがない」という財務省の判断によるものらしいです。くれぐれも「相続対策」優先の方は、お間違えのないようにしてください。

 最後に、どのような建て方で、どのような登記をすればいいのかは、希望する生活スタイル、自己資金の割合、住宅ローンの借入名義、税負担、相続対策等を勘案して、総合的に判断しなければなりません。慌てて、ひとつの要素だけで判断してしまうと、後悔することになるかもしれません。専門家に相談しつつ、慎重に判断するようにしてください!!(執筆者:小木曽 浩司)

この記事を書いた人

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リップ ラボ 代表
1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。
<保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー
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